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暁を抱く聖女(ラ・ピユセル) (角川ビーンズ文庫)
襲撃に遭った村から自分を助けてくれた、若く美しい騎士を求めて少女は旅に出た。気が強くてがさつな少女——ジャンヌ・ダルク。だが『フランスを救う神の使者』という噂がなぜか彼女につきまとい、我知らずジャンヌは、聖女として祭りあげられていく。勇将ジル・ド・レは、嘲笑を浴びせながらも、そんなジャンヌを懸命に守ろうとするが、そこにはある秘密があった……。少女ジャンヌの数奇な運命を描いた、波瀾万丈の大河ロマン。(裏表紙より)

ジャンヌ・ダルクの解釈が面白くて、楽しかったです。この本に登場するジャンヌは、ただがさつで自分の目指すものを手に入れようとするだけの、普通の少女。だからフランスを救う、神の声を聞いた、なんてことはなく、ただ自分の前に時々現れる美しい騎士を探しているだけ。それだけに、突然神がかったように戦いの中へ身を投じたり、機転が利いていたりするのは、ちょっと、ん? となりました。悪魔のせいだったんでしょうか。
一文が短く、読む呼吸が切れてしまうのがちょっと残念でした。
古い古い昔語りのひとつ、という余韻が素敵でした。
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