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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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スロウハイツの神様


チヨダ・コーキの小説のせいで人が死んだ――衝撃の事件から十年。「コーキの天使」によって復活を遂げたチヨダ・コーキ。彼と共に一つの家に集まったクリエイターたちは、穏やかに暮らしながら緩やかに変化していく。『スロウハイツ』二〇二号室。そこには、わたしたちの神様が住んでいる。

良かった。ミステリー色が薄かったのがちょっと残念だったんだけれど、すごく綺麗。
そう大きな出来事が起こるわけでもないからか、今回は人物考察がよく挟まるので読んでいて邪魔だなあと思ったりする事が今回時々あったんだけれど、辻村作品はその考察というか描写が面白いと思う。何だか容赦ないという感じがする。
環の言葉が色々と痛いな。びしびし言うから読んでいるのが辛い辛い。という事は自分には確固たるものがないわけで、結構落ち込んだ。
それぞれに影響しあいながら、誰かに影響を与える作品を作る人たちって良いなあ。
公輝の祈りが、祈りよりももっと強い心が、すごくすごく胸に響いて、辻村さんもこういう風に考えながら書いているのかなと思ったりした。
ところで芦沢光ってもしかしてあの作品の? だとしたら嬉しいな。
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モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語

ある街の大劇場跡に小さな女の子が住み着いた。自らをモモと名乗る少女は、人々に温かく受け入れられる。しかし街には灰色の男たちがやってきて、人々から時間を盗み始めたのだった。

モモかわいい! こういう「何も持っていない」女の子、自分自身があって心が豊かな女の子が主人公は、すっくと立って前を見つめて、それから私たちの手を引いてくれる。
モモも、他の登場人物も、心豊かで楽しく描かれていて、文体はやっぱり児童文学なんだけれど、何かをずっと指差していると思う。それは読めば分かると思うけれど、こういうものをエンデは「メールヘン・ロマン」と言ったそう。
モモが時間のみなもとを見る時、その美しく壮大な描写に引き込まれて息を呑んだ。幻想的で、きれいだった。
マイスター・ホラとのやりとりはすごく好きなところだった。

「あなたは死なの?」
 マイスター・ホラはほほえんでしばらくだまっていましたが、やがて口を開きました。
「もし人間が死とはなにかを知っていたら、こわいとは思わなくなるだろうにね。そして死をおそれないようになれば、生きる時間を人間からぬすむようなことは、だれにもできなくなるはずだ」
一二章 モモ、時間の国につく より



アンケートからのオススメでした。送って下さった方、ありがとうございました!
千の翼の都―翡翠の怪盗ミオン

黒髪翡翠の瞳の怪盗、黒アゲハと呼ばれるルムラ。彼女を追う王都巡検使ジューロ・カイワン。ルムラを取り逃がしたジューロを主人とする、さえない侍女のミオン。しかしミオンこそ、怪盗ルムラの正体。果たしてルムラの求めるものは。一番目の天人。二番目の人間。三番目の異種族。伝説は、最後に神を蘇らせる。

樹川さんの恋愛ファンタジーはかなり性に合っているんです。少女小説としてどきどきさせてくれるし、ときめきもたくさん。そして樹川さんは、脳味噌が筋肉な鈍感男が大好きなようで(笑) 更にわざと見せかけている人も大好きなのようです。私も好きです、とても。
力が有り余っているような女子は元気で見ていると楽しく、時にしおらしいのは大変なときめきポイント。鈍感男が自覚無しにやってしまう行動もときめき。女の子の仲良し、男の仲良し(笑)、ものすごく可愛い。
ライトな文体で世界観はとても綺麗に出来ていて、壮大なんだけれどきれいに終わってくれるのがすごく好き。続きを想像したくなるっていうのも、すごく良い。
さてこれは続きを想定されているのか、その辺りが気になる所。
福井晴敏「Op.ローズダスト」上・下
太田忠司「甘栗と金貨とエルム」「黄金蝶ひとり」
米澤穂信「犬はどこだ」
今野緒雪「マリア様がみてる」妹オーディション
荻原規子「西の善き魔女」真昼の星迷走
志賀直哉「志賀直哉全集 第二巻」
森博嗣「今はもうない」
殊能将之「子どもの王様」
沖原朋美「勿忘草の咲く頃に」
友桐夏「白い花の舞い散る時間―ガールズレビュー」
高楼方子「十一月の扉」
篠田真由美「魔女の死んだ家」
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ「九年目の魔法」下
北村薫「街の灯」
森岡浩之「星界の紋章」I・II・III
乙一「小生物語」
今野緒雪「マリア様がみてる」イン ライブラリー
有川浩「図書館戦争」
太田忠司「レストア オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿」
志賀直哉「志賀直哉全集」第一巻
成田良悟「バッカーノ! 1934 完結編」
「九年目の魔法」≪上≫≪下≫


ポーリィは気付いた。自分の中に記憶が二つある事に。今この時も流れている記憶と、それとは別のもう一つの記憶。ポーリィは後者の記憶の方が正しい事を直感していた。ポーリィは思い出す。全ての始まりは九年前、あのハンズドン館のハロウィーンのお葬式の日、トーマス・リンという男性と出会った事だと。

年の差カップル……! 児童書なので言い回しが簡単でしたが面白く、魅力的でした! 作り上げた物語が本当になってしまう不思議や、ポーリィのリンさんへの思いが可愛くて。着ていく服がないの! と本当に切羽詰まって混乱して泣きながらおばあちゃんに電話するの、可愛かったー。途中出て来るポーリィがリンさんから贈られる本、全部読んだ事なかった……。読みたいな。なのでローレルが何者なのか最後まで分かってませんでした。でも面白かった。
浅倉卓弥「北緯四十三度の神話」
成田良悟「世界の中心、針山さん」「がるぐる!」上・下「バッカーノ! 1933〜クモリノチ、アメ〜」「バッカーノ! 1933〜チノアメハ、ハレ〜」「バッカーノ! 1934 獄中編」「デュラララ!!」「バッカーノ! 1934 娑婆編」「バッカーノ! 1932 回送編」「世界の中心、針山さん2」
宮部みゆき「ドリームバスター3」
毛利志生子「風の王国」「風の王国―天の玉座―」
恩田陸「エンド・ゲーム 常野物語」
三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」
紅玉いづき「ミミズクと夜の王」
浅田次郎「輪違屋糸里」上・下
菅浩江「メルサスの少年」
栗本薫「レダ」I・II・III
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ「九年目の魔法」上

桜の下の人魚姫

桜の蕾を見つける季節、姉の勤める病院で、ひとりの少年に出会った沙耶。彼に惹かれて病院に通う内に、沙耶は彼の病名を知るのだが。

短編二本収録。断然「桜の下の人魚姫」を推します。もう一編の「月のしらべ 銀のみち」も私は好きだったけれど、人魚姫が一番良い。時々無性にこの話が読みたくなります。
もう、切なかった。彼の病気がなんなのかはある程度予測が付いたのだけれど、姉と沙耶の区別を彼が口にした瞬間、沙耶に同調したように涙がどっと溢れた。淡くて儚くて、優しい文章。切ない系だけどハッピーエンドなのが嬉しい。
成田良悟「バッカーノ!」「バッカーノ! 1931 鈍行編」「バッカーノ! 1931 特急編」「バッカーノ! 1932」「バッカーノ! 2001」
    「バウワウ!」「Mew Mew!」
ガース・ニクス「アブホーセン―聖賢の絆」
木崎さと子「星降る街の物語」
     「誕生石物語」
池澤夏樹「キップをなくして」
加納朋子「沙羅は和子の名を呼ぶ」
角野栄子「魔女の宅急便」「魔女の宅急便2 キキと新しい魔法」
沖原朋美「桜の下の人魚姫」
村上春樹「海辺のカフカ」上・下
浅田次郎「地下鉄に乗って」
篠崎紘一「日輪の神女」
京極夏彦「ルー=ガルー 忌避すべき狼」
高村薫「空飛ぶ馬」
石持浅海「BG、あるいは死せるカイニス」
キム・テウン著 前川奈緒訳 チェ・ソクファン脚本「王の男」
恩田陸「ネクロポリス」上・下
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Author:月子
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