読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

廃棄処分を免れたボイルドとウフコックは、”三博士”のひとりクリストファー教授の指揮の下、9名の仲間とともにマルドゥック市へ向かう。大規模な再開発計画を争点にした市長選に揺れる街で、新たな証人保護システム「マルドゥック・スクランブルー09」の任務に従事するボイルドとウフコックたち。だが、都市政財界・法曹界までまあ着込む巨大な陰謀のなか、彼らを待ち受けていたのはあまりにも凄絶な運命だった——(裏表紙より)
運命の敵カトル・カールがお目見え。段々万国ビックリショーになりつつある。最初からか。
ここで一人、ハザウェイが脱落。それでも自らの任務の為に複雑な気持ちを消化するボイルドたちはやはり兵士という印象。
ボイルドとナタリアの間に子どもが出来るというのが衝撃。家族が出来るというのはこの物語の中ではとても安らぐ。だがとても嫌な予感がする。皆、死んでいなくなってしまうような。
ボイルドがウフコックと離れなければならない状況に追い遣られるか、ボイルドが暴走してウフコックが離れてしまうか。スクランブルにおけるボイルドのウフコックに対する執着を見るに(曖昧にしか覚えていないが)後者だろうか。
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戦地において友軍への誤爆という罪を犯した男——ディムズデイル=ボイルド。肉体改造のため軍研究所に収容された彼は、約束の地への墜落のビジョンに苛まれていた。そんなボイルドを救済したのは、知能を持つ万能兵器にして、無垢の良心たるネズミ・ウフコックだった。だが、やがて戦争は終結、彼らを”廃棄”するための部隊が研究所に迫っていた……『マルドゥック・スクランブル』以前を描く、虚無と良心の訣別の物語。(裏表紙より)
「マルドゥック・スクランブル」以前、ボイルドを主人公としたハードボイルド小説。文体は必要最低限の表現を省いて、/や——を駆使したもの。初めてそういう小説を読んだ。
12人(本当は13人だった)の人間が特殊能力を駆使して、任務をこなすというものだが、その戦闘シーンが特殊な能力を使って行われる為、ありふれたものではなくなっていて、先が読めずにページを次々に繰ってしまう。
スクランブルを読んだ身としては、スクランブルで憎めない、だが最強の敵だったボイルドの人柄、懸命さに打たれる。そうして無垢が、まだ白ではなく透明であるようなウフコックの可愛らしさにきゅんとする。
ただ裏表紙のあらすじにある通り、無垢、つまりウフコックと訣別する物語である為に、それを覚悟して読まねばならないと思っている。

ヴァレリーとアリエノールの婚姻による共同統治はつかのまの平和をもたらした。勢力の微妙な均衡の中、仲間たちと別れ、ヤーファで過ごすヴァレリー。しかし要衝アスカロンの支配をめぐって、和平は決裂しつつあった。両陣営の内部で続発する不穏な動き。多くの仲間の死……。そしてついにヴァレリーとエルシードの運命を賭けた最後の戦いが始まる。傑作歴史エンタテイメント、感動の大団円。(裏表紙より)
最終巻。
途中の巻から、現在の文章から過去の事を述べる文に入る事があって、時系列が上手く整理できずに混乱する事がよくあった。
アリエノールが穏やかになっていて、これが彼女本来の姿なのかと思った。マリアンは違うようだったけれど、アリエノールはヴァレリーに対して娘のようであるのが本来の姿ではないのだろうかと私は思う。
彼女が行けと言った時、戻ってきたヴァレリーの愚かさは美しかったと思う。
あとでwikiで調べてみたんだが、西洋人のアル=アーディルは空想上の人物らしい。本当はサラディンの子どもにアーディルがいるみたい。アーディルの子どもがアル=カーミル。スルタンになる。ということで、この「ジハード」のヴァレリーはエルシードと結婚して王位を継ぐと思われる。

1191年の末、獅子心王リチャードの軍勢はついに聖都イェルサレムに迫った。おりあしくサラディンが病に倒れ、イスラム陣営は混迷を極める。ラスカリスとルイセを失い、失意のヴァレリーに、今や十字軍側の参謀となった『蒼狼』ことキヤトが牙をむく。果たしてこの都を守り抜くことが出来るのか? そして、和平のために、ある「政略」が進行する……。ヴァレリーたちの運命は? 怒濤の第五弾。
シャラザードの本心というべき、心の内面が描かれる。病的な執着。彼女の事が描かれるのが少し意外だった。シャラザードはヴァレリーとエルシードを迎える側であり、それ以上の何者でもないと思っていたから。だがそれだと、五、六巻で強く描かれようとする、ヴァレリーとイエス・キリストを重ねる手法が生きなくなるんだろうか。
ヒロインの記憶喪失(幼児退行?)という美味しい要素があるのに、あんまりライトノベル的盛り上がりがないなと思ったり。もうちょっとヴァレリーとなんやかんやあっても良かったんじゃないかな。

アスカロンの戦いの後、聖都イェルサレムに迫ったリチャード獅子心王が突然、半年間の休戦を求めてきた。和戦を巡って、イスラム陣営が混乱するなか、王者サラディンの意を受け、和平交渉の使者としてヴァレリーは敵地へと赴くことになった。膠着状態に陥った局面を打開することができるのか。果てしない戦いに救いはあるのか。しかし、ついに思わぬ犠牲が……。佳境に突入する第四弾。(裏表紙より)
視点が神だからか、出て来るキャラにすぐ死亡フラグが立つのはちょっと悲しい。もうちょっと引っ張っても良いのではないかな。
ヴァレリーが預けていった手紙。作戦ばかりかと思いきや、「いまのきみが、私は好きだよ」なんて反則。エルシードが叫ぶ「世には醜しかないのか!」の叫びが痛いのに、ヴァレリーは一番彼女をよく分かっている。
第十話で、書き出しがラスカリスで死亡フラグ立ちまくり。はっきりと書かれていて辛い。
ウィルフレッドが案外可愛い性格をしていることが判明する。ここから先は、ヴァレリーとエルシードの下につくので、凛々しいところはもうないかな、と思う。
女性が少ないので潤いがなくて、でも家族のほのぼのを見るとすごく和む。
ラスカリスの死。そんな死に方はひどい、と思った。彼は戦場でヴァレリーを逃がす為に刃を受けるような人だったのに。その影響でルイセはヴァレリーを射て、もう戻れない事を知って、自ら命を絶つ。ひどすぎる。ヴァレリーの叫びが痛い。

十字軍支配下のアッカからラスカリスとルイセによって救出されたヴァレリー。だが、その傷も癒えぬうちに、裏切り者という疑いを晴らし、イスラム軍の信頼を回復するために、次なる主戦場アスカロンをめざす。戦う相手は、リチャード王から主将として派遣された英雄アイヴァンホー。果たしてヴァレリーに勝機はあるのか? そしてついに、戦いの火蓋は切って落とされた。傑作シリーズ第三弾。(裏表紙より)
皇太子アル=アフダルがちょい役なのに良いキャラ。ヴァレリーの、周りへ及ぼす影響という特性を、よく表された人物だと思う。何より才を隠しているのが恰好良い。
ここでヴァレリーの出自が明らかに。ビザンツ帝国のマヌエル一世のの庶子。けれどマヌエル一世は非公式に帝位を与えていたらしく、姉が殺された時にはすでに皇帝だったようだ。
エルシードとの再会。ちょっと無茶だが、エルシードらしいとも言える。史実はどうなっていたのだろうか。
この巻のラストでは、ベレンガリアによって、戦いの形が明らかにされる。エルシードとリチャード、ヴァレリーとベレンガリア。ただここの会話って、そんな会話をしている暇や場所があったのだろうか、と違和感があった。

1191年初秋。アッカを占領した第三次十字軍は聖都イェルサレムを目指して、イスラム世界を蹂躙しつつ進軍を続けていた。そして、要衝の城市ヤーファをめぐって両軍は激突し、ついにリチャード獅子心王の軍勢が王者サラディン本隊に肉迫する。サラディン危うし——。このイスラム軍の危機を回避すべく、ヴァレリーは捨て身の作戦に打って出るのだが……。手に汗握る超大型歴史エンタテインメイト第二弾。(裏表紙より)
リチャードの妹ジョアンナ・アリエノール登場。歴史ファンタジーということ、アリエノールはヴァレリーと将来一時期結婚するらしい。視点が天からということで、未来がちらりと予告される書き方がされている。
モンテフェラート侯コンラードがヴァレリーの兄である事が明らかになるが、まだまだ謎がある感じがする。
アル=カーミルが好きだ。冷徹でありながら、自我に目覚めて、エルシードに向けて怒りを向けるシーンは格好良かった。
ただ、歴史ファンタジーは読むのが疲れる。事実である事を織り交ぜながらキャラクターのエピソードを書き込んでいくからか、読むのに疲れを感じてしまう。

時は12世紀後半。血に飢え、野心に満ちた十字軍は聖地をめぐる侵略をくりかえしていた。そんな野蛮なキリスト教世界に背を向け、英雄サラディン幕下のイスラム軍に加わったヨーロッパ人がいた。その名はヴァレリー。天才的な軍略で、彼はイスラム文明の危機を救えるのか? 第1回ジャンプ小説・NF大賞に入選し、大好評を博した傑作歴史ファンタジーシリーズが大幅改稿でついに文庫化。(裏表紙より)
ジャンプノベルを大幅改稿したものらしい。登場人物も増えているようだ。キャラクターの特徴などはライトノベルだが、文庫化したこれを読む限り、結構深い歴史ファンタジー。
ヴァレリーがすんなり受け入れられたのは、これがイスラム社会の懐の深さを見せていると思うのだが、もう少し悶着があっても面白かったかも(読むのは辛いんだが)。
まだ第1巻ということで、登場人物の謎が開かされていない。シャラザードが何者なのか、ヴァレリーが見る姉と彼の出自、確かリチャード獅子心王の妹か何かがまた出て来たように思うので、まだまだ盛り上がる。
ヴァレリーはへたれでマゾで好きなんだが、エルシードがもうちょいデレが欲しいかなとか。シャラザードとルイセはかなり好き。女性らしさを失わない強い人ってすごい格好いい。

ある日、突然にとなり町との戦争がはじまった。だが、銃声も聞こえず、目に見える流血もなく、人々は平穏な日常を送っていた。それでも、町の広報誌に発表される戦死者数は静かに増え続ける。そんな戦争に現実感を抱けずにいた「僕に」、町役場から一通の任命書が届いた……。見えない戦争を描き、第17回すばる新人賞を受賞した傑作。文庫版だけの特別書き下ろしサイドストーリーを収録。(裏表紙より)
ただひたすらに淡々とした作品、という感じ。主人公が激する事はないし、そうピンチに陥る事もなく、静かに話が進む。それが目的の物語と思われる。文章が詩的で、表現が多用されていると感じた。
「戦争」は見えないところで進む、という民衆にとっての真理を描いた作品だと思うが、色を持っている人物が少ないように思う。香西さんの弟やそのおかっぱ頭の友人が、唯一本物の人間らしいキャラクターだった。
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都下校外の大型商業施設において重大死傷事故が発生した。死者69名、負傷者116名、未だ原因を特定できず——多数の被害者、目撃者が招喚されるが、ことごとく食い違う証言。防犯ビデオに写っていたのは何か? 異臭は? ぬいぐるみを引きずりながら歩く少女の存在は? そもそも、本当に事故なのか? Q&Aだけで進行する著者の真骨頂!(裏表紙より)
インタビュアーとその回答者による会話のみで構成される小説。物語の始めは、事故が起こった直後、ある団体によって調査がされていると分かるが、読み進めていく内に時間が経過し、最終の問答の時点では数年が経過していると思われる。事故は何が原因だったのか、ある事が示唆されているもの、結局は分からないまま、物語は終わる。
恩田陸が性的なものを書くと、恐ろしい。妙な感じがする。それから恩田陸は恐怖物語を書くのがとても上手い作家だと思う。怪談話など、ぞわぞわする。言い換えると、ファンタジックなものが上手い。ラストの、教団教祖の少女と未来の少女の言葉は、暗闇の中にドアが開き、光が溢れてくるような印象を抱いた。
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恩田陸が性的なものを書くと、恐ろしい。妙な感じがする。それから恩田陸は恐怖物語を書くのがとても上手い作家だと思う。怪談話など、ぞわぞわする。言い換えると、ファンタジックなものが上手い。ラストの、教団教祖の少女と未来の少女の言葉は、暗闇の中にドアが開き、光が溢れてくるような印象を抱いた。