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業多姫 壱之帖――風待月   富士見ミステリー文庫 46-1
「どこに行っても忘れない。あなたの思い出を胸に生きていく」
 頭上を飛び交う矢。燃え上がる炎。そして少女は、握りしめた少年の手を離した——。
 異能の力を持つ故に《業多姫》と呼ばれる少女・鳴。如月のある日に最愛の母を殺され、それと同時に鳴自身にも迫る刺客の魔の手。追っ手から逃れながら母の死の謎を解こうと奔走する鳴は、颯音と名乗る不思議な存在感を漂わせた少年と出逢う。
 戦の行方を左右する業多姫の存在を巡り交錯する様々な思い。
 戦乱の世を舞台に描く、第二回ヤングミステリー大賞準入選作。惹かれ合う二つの魂が、歴史を、運命を変えていく——。(裏表紙より)

和風、歴史、ファンタジー、ミステリーの要素がたっぷり詰まってました。ライトノベルかと思ったらミステリーの比重が大きくて、それが更にライトノベルの要素と絡み合って、すごく面白かった!
鳴の天真爛漫さと業の深さ、にはちょっと納得がいきかねたのですが、魅力ある女の子というのは十分伝わってきたので満足! 颯音も刺客にしてはちょっと揺らぎすぎな気もするけれど、鳴に惹かれているのが分かってかわいかった! この二人それぞれの一人称で話が進むというのも、結構意表をつかれました。またそれが、好意を感じているのに踏み切れないというのが分かってかわいいのです。お互いが孤独で、でもようやく見つけた人。信じることを止めないで前を向き続けること。たくさん眩しかったお話でした。
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