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モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語

ある街の大劇場跡に小さな女の子が住み着いた。自らをモモと名乗る少女は、人々に温かく受け入れられる。しかし街には灰色の男たちがやってきて、人々から時間を盗み始めたのだった。

モモかわいい! こういう「何も持っていない」女の子、自分自身があって心が豊かな女の子が主人公は、すっくと立って前を見つめて、それから私たちの手を引いてくれる。
モモも、他の登場人物も、心豊かで楽しく描かれていて、文体はやっぱり児童文学なんだけれど、何かをずっと指差していると思う。それは読めば分かると思うけれど、こういうものをエンデは「メールヘン・ロマン」と言ったそう。
モモが時間のみなもとを見る時、その美しく壮大な描写に引き込まれて息を呑んだ。幻想的で、きれいだった。
マイスター・ホラとのやりとりはすごく好きなところだった。

「あなたは死なの?」
 マイスター・ホラはほほえんでしばらくだまっていましたが、やがて口を開きました。
「もし人間が死とはなにかを知っていたら、こわいとは思わなくなるだろうにね。そして死をおそれないようになれば、生きる時間を人間からぬすむようなことは、だれにもできなくなるはずだ」
一二章 モモ、時間の国につく より



アンケートからのオススメでした。送って下さった方、ありがとうございました!
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