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アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)
羊飼いの少年サンチャゴは、ある夢と占い師と老人の導きに従って、エジプトのピラミッドに待つ宝物を求めて旅立った。「前兆に従うこと」「大いなる魂」の存在を学んでいく少年は、やがて「大いなる魂」に到達する。そして最後にたどり着いたものは。

世界のひとつひとつを見て大切なものを学んで、世界と自分のつながりを感じる、という物語。教えというか、祈りというか、こうあって欲しいという願いが込められているように思う。
はっきりと言えないけれど、きっとこうだったら幸せなんだろうな、と思ってじんわりする。同じ系統の気がする「星の王子さま」みたいに死ではなく、より良い生について書かれているような。
少年が風を呼ぶところが感動する。自分まで風や太陽やすべてを書いた手と会話しているような気になる。
三人称で名前が最初に出ただけでほとんど出ないのは、童話や昔話を意識しているのかな。口伝えの物語となるように、という想いがあるなら、すごい。
これ平成9年が初版なのか。平成19年で29版。長く読まれてるんだなー。
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