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パレード (幻冬舎文庫)
都内の2LDKマンションに暮らす男女四人の若者達。「上辺だけの付き合い? 私にはそれくらいが丁度いい」。それぞれが不安や焦燥感を抱えながらも、“本当の自分”を装うことで優しく怠惰に続く共同生活。そこに男娼をするサトルが加わり、徐々に小さな波紋が広がり始め……。発売直後から各紙誌の絶賛を浴びた、第15回山本周五郎賞受賞作。(裏表紙より)

第1章の良介の章や第2章の琴美の章を読んでいるときは、「うーん?」と思ったんだけれど、後半になるにつれて面白くなってびっくりした。私の中の面白い本の基準に「自分が楽しいかどうか」というものがあって、登場人物の怠惰な感じが最初は空気に合わなかったんだと思う。でも、読んでいくうちに、繰り返し描かれる「自分が知っているあの子は、自分の知っている一部分でしかない」ということが、面白くなってきました。一人称で進むので、とある人物をこうだと思っている語り手から、とある人物が語り手になったときに、さっきまで別の人に語られていたとある人物というのは、一部分や側面でしかないのだ、という。
最終章はびっくりしました。急にみんなが調和をとった気がして、ぞっとするような。乱暴に「あなたをゆるします」というのを押し付けられたような気がして、びっくりした。ゆるす、といっても、黙ってみないふりをするような、そんな居心地の悪さがあって、もぞもぞしました。最後になって、それまでの怠惰な雰囲気から、緊張で息を詰めていました。
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