読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

トスカーナの伯爵家に生まれ、何不自由なく暮らしていたマティルダ。しかし父の死を契機に運命は変わり始める。度重なる身内の不幸、襲いかかる苛酷な現実。絶望にうちひしがれそうになるとき、彼女を救ってくれたのは、いつも修道士イルデブランドだった。
幼き日の初恋は、やがて揺るがぬ想いに深化する。「カノッサの屈辱」という歴史的大事件に秘められた真実の愛を描く、ヒストリカルロマンの新たな傑作。(裏表紙より)
ヒストリカルロマンを読むなら榛名しおりさんだよなあ、と思いながら読む。「カノッサの屈辱」に関係する、ひとりの女伯マティルダの幼少期からその日の出来事までを、少女の過酷な運命と恋に絡めて描いた一冊です。
必ずしも恵まれた人生であったわけではないけれども、マティルダは自分にとって誰がいちばん大切かを揺らぐことなく持ち続けられたことで戦えるのだなあと感じました。否応無しに領主になり、しかも本人はその重責を当然のことと受け止めている印象なのが、寂しくもあり眩くもあり。
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黒十字騎士団団長ヴィンセント王子の屋敷に滞在中の田舎貴族の娘フィーリア。ある日、姉の結婚を知った彼女は、贈り物をしようと働くことを決意! 折よく、フィーリアを愛するあまり、誘拐犯の城を破壊したり、騎士団に厳重な警護を命じるヴィンセントはいない。早速行動したのだけれど——。私がヴィンセントの気を引こうと、わざと事件に巻き込まれてるって、勘違いだから!! 一途すぎる王子の大迷惑な溺愛ラブコメディ第2弾!(裏表紙より)
2巻目。失踪した姉を探して王都にやってきて事件に巻き込まれてしまったフィーリア。その後姉の結婚が決まり、贈り物をしようと考えるも、ヴィンセントの束縛がすさまじく。
ヴィンセントだけでなく彼に仕えている人や部下たちのほとんどが、フィーリアをがっちり固めているのがかわいそうでおかしくて。しかも本人が意図しないうちにみんながフィーリアのことを「ヴィンセントの花嫁になる人」として考えている節があるので、これからどうするんだろうなあ(にやにや)恋愛的に進展はあんまりなかった巻なので、早く素直になっちゃえよーと見守り体勢でいこうと思います。
2017年に読んだ本(今年発刊のみにあらず)の中で、個人的にヒットしたものを適当にあげる、一年の総まとめの記事です。
時間があったので例年より多め。読了したのは462冊。以下内訳。
小説200冊。エッセイ9冊。漫画217冊。その他18冊。画集・写真集7冊。絵本5冊。雑誌等3冊。辞典・事典3冊。
栗原ちひろ「ある小説家をめぐる一冊」

妖しい雰囲気なんですけれども、その怪しさが艶っぽく、また小説家を題材としているのでとても楽しく読みました。
瀧ことは「腐男子先生!!!!!」

いっぱい笑った一冊。ほんまそれな!!! って思うところがいっぱいありました。
平鳥コウ「JKハルは異世界で娼婦になった」

よくこれを世に出したよな! という異世界召喚小説で、18禁ワードがいっぱいなんですけれどもとても面白かったので、冒頭を読んでだめでなければぜひ読んでほしい。
萩尾望都「春の夢」

新作が読めるなんて……と思いました。愛しているあの頃のポーとは描いているものが違うけれど、やっぱり愛おしい。
岩本ナオ「マロニエ王国の七人の騎士」

ファンタジー漫画すばらしい! の一冊。兄弟たちが愛おしい。続刊が待ち遠しい。
小西明日翔「来世は他人がいい」

「春の呪い」はえぐかったですが、こちらはヤクザさんというキャッチーな設定にえぐさをまぶした……婚約するのですが恋愛しているとは言えないふたりの話。次がどうなるのかはらはらする。
市川春子「宝石の国」


アニメが始まり、途中まで読んでたところを最初から最新刊まで一気に読んだら、あんまりにあんまりな展開に部屋の隅で膝を抱えて泣きました。次が楽しみすぎる。
ヤマシタトモコ「違国日記」

世界に呪われそうになっている女の子が、呪われながらも必死に魔法を使おうとしている女性に救われるって、それだけで涙が出るんですよね。つまり:性癖に刺さった。
今年見たものでよかった映画。
「海街diary」

「はじまりのうた BEGIN AGAIN」
![はじまりのうた BEGIN AGAIN [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51eqwv6TiFL._SL160_.jpg)
日常を健やかな夢を見ながら生きる、という作品が好きなのかもしれません。
それなりの文字量で感想を書くようになって、いつの間にか10年経っていました。昔はだいぶと硬い文章で書いていたんですが、いまは自分や読んだ人にしかわからない、衝動のまま感情の向くままに書いたざっくりした感想ばかりになってしまっています。それでもご覧くださっている方がいらっしゃいましたらありがとうございます。
秋頃に毎日何冊も読んでいたので記録が溜まっていて、地味に連続更新しておりました。
今年はかなり映像作品を見た年でもあって、実は映画単独だけで記録を取りたくてKINENOTEにアカウントを持つようにしたんですが(サイトが重くて使いづらいのが難点です)、今年だけで56本見てました。※きちんと記録を付け直したら72本でした。
アニメとドラマも合わせたら100いくかもしれない。
Huluで見るようになったのがいちばん大きいですね。見逃し配信もあるし、マイナーどころが入っていることもあるのでかなり便利に使いました。しかし雑多に見すぎて、いまだに自分の映画の好みがわからないわ……。
読んだもの見たものの記録、としてあるので本以外の感想もたくさん書いてしまいましたが、興味を抱いていただけていたら幸いです。
昨年はたいへんお世話になりました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
時間があったので例年より多め。読了したのは462冊。以下内訳。
小説200冊。エッセイ9冊。漫画217冊。その他18冊。画集・写真集7冊。絵本5冊。雑誌等3冊。辞典・事典3冊。
栗原ちひろ「ある小説家をめぐる一冊」

妖しい雰囲気なんですけれども、その怪しさが艶っぽく、また小説家を題材としているのでとても楽しく読みました。
瀧ことは「腐男子先生!!!!!」

いっぱい笑った一冊。ほんまそれな!!! って思うところがいっぱいありました。
平鳥コウ「JKハルは異世界で娼婦になった」

よくこれを世に出したよな! という異世界召喚小説で、18禁ワードがいっぱいなんですけれどもとても面白かったので、冒頭を読んでだめでなければぜひ読んでほしい。
萩尾望都「春の夢」

新作が読めるなんて……と思いました。愛しているあの頃のポーとは描いているものが違うけれど、やっぱり愛おしい。
岩本ナオ「マロニエ王国の七人の騎士」

ファンタジー漫画すばらしい! の一冊。兄弟たちが愛おしい。続刊が待ち遠しい。
小西明日翔「来世は他人がいい」

「春の呪い」はえぐかったですが、こちらはヤクザさんというキャッチーな設定にえぐさをまぶした……婚約するのですが恋愛しているとは言えないふたりの話。次がどうなるのかはらはらする。
市川春子「宝石の国」


アニメが始まり、途中まで読んでたところを最初から最新刊まで一気に読んだら、あんまりにあんまりな展開に部屋の隅で膝を抱えて泣きました。次が楽しみすぎる。
ヤマシタトモコ「違国日記」

世界に呪われそうになっている女の子が、呪われながらも必死に魔法を使おうとしている女性に救われるって、それだけで涙が出るんですよね。つまり:性癖に刺さった。
今年見たものでよかった映画。
「海街diary」

「はじまりのうた BEGIN AGAIN」
![はじまりのうた BEGIN AGAIN [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51eqwv6TiFL._SL160_.jpg)
日常を健やかな夢を見ながら生きる、という作品が好きなのかもしれません。
それなりの文字量で感想を書くようになって、いつの間にか10年経っていました。昔はだいぶと硬い文章で書いていたんですが、いまは自分や読んだ人にしかわからない、衝動のまま感情の向くままに書いたざっくりした感想ばかりになってしまっています。それでもご覧くださっている方がいらっしゃいましたらありがとうございます。
秋頃に毎日何冊も読んでいたので記録が溜まっていて、地味に連続更新しておりました。
今年はかなり映像作品を見た年でもあって、実は映画単独だけで記録を取りたくてKINENOTEにアカウントを持つようにしたんですが(サイトが重くて使いづらいのが難点です)、今年だけで
アニメとドラマも合わせたら100いくかもしれない。
Huluで見るようになったのがいちばん大きいですね。見逃し配信もあるし、マイナーどころが入っていることもあるのでかなり便利に使いました。しかし雑多に見すぎて、いまだに自分の映画の好みがわからないわ……。
読んだもの見たものの記録、としてあるので本以外の感想もたくさん書いてしまいましたが、興味を抱いていただけていたら幸いです。
昨年はたいへんお世話になりました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

大公夫婦に第三子誕生!……そのとき何が起きたのか?(「身代わり伯爵と終幕の続き」)、変人揃いの女官見習いたちが、若手騎士との集団お見合いを実施!?(「令嬢たちのお見合い大作戦」)、華麗なる恋愛遍歴を持つ第五師団長・ジャック。ついに彼に恋の女神が振り向く——か?(「身代わり伯爵と忘れじの恋の約束」)他、リヒャルトとフレッドの出会いを描いた非売品小冊子掲載の中編も収録! 幸せいっぱいの短編集!!(裏表紙より)
身代わり伯爵、本編のその後を描いた短編集です。
レルシンスカとルドヴィックが落ち着いてよかったんですが、リヒャルトの隠された武勇伝の一部が楽しかったです。荒んでいた時代の彼はこんな感じで、こんな風にフレッドと仲良くなったのかーと思うと、今の幸せいっぱいっていう日々を過ごす彼が愛おしくなりました。ロジオンが好きになったので彼が登場したのも嬉しかった。
ジャックの恋物語は可愛らしくて、にやにやしました。純愛だー。
あとこの本、帯がすごいいい仕事してた笑 ので、読み終わったあとに帯を外すといいと思います。中の広告も帯で隠れる部分を隠してあって、ナイス!笑
とても楽しく元気な作品で、幸せな気持ちをいっぱいもらいました。最後まで読めて本当によかった。ありがとうございました。

ミレーユとリヒャルトは、ごく普通の下町のパン屋の娘と、兄の親友の騎士として出会った。様々な出来事を二人で乗り越え、大公とその妃となり、ようやく幸せになれるはずだった。
——だが、そんなリヒャルトが今、銃弾を受けて海に消えた。
「あたしは絶対にあなたから離れないから……」
はたして二人は、自分たちを待つ人々のもとに帰ることができるのか。『身代わり伯爵』の奇妙で華麗な冒険、ついに完結!!(裏表紙より)
拍手ー!! ここまでの全部が「冒険」だったなあと感慨深い本編最終巻でした。ああもう本当に、よかったねええええ!!
何も持たない人が自分の家族を持つというのが好きすぎるので、家族になりたいって言ってくれたミレーユに涙が溢れました。そうして終章ですよ。愛する人との子どもを両手に抱えて光に向かって歩むリヒャルト。本当によかった……よかった……(それしか言ってない)
出会いもあれば別れもあるけれど、フィデリオのことはアリアがちゃんと見ていてくれそうなので、頑張れ!
いろんな人たちがミレーユたちを祝福してくれて嬉しかったけれど、リヒャルトの左右にミレーユとフレッドがいてくれるっていう図が愛おしすぎる。これからも幸せであれ!

「もうやだ。リヒャルト、助けて……」
ミレーユがそう言って縋りつくのは、リヒャルトではなく、フィデリオだった。大事なものを奪われ、さらにはダラステア皇帝が教主側に寝返ったらしいと知り、愕然とするミレーユ。
「よくも俺のミレーユを……!」「あなたのことが好きなんだ」
ついにミレーユのもとに辿り着いたリヒャルト、思い惑うフィデリオ。同じ女性を想う二人が取った行動とは——!?(裏表紙より)
分冊という感じの、最終巻上下分冊の上巻です。描写の感じから「おや?」と思ってたんですけど、やっぱり演技だったかー。ちょっと唐突感に溢れている気がしましたが、なんとかミレーユもフィデリオの思惑に気付けたようでよかった。
ブチ切れて戦神のごとき形相で敵を切りまくるリヒャルトがかっこよくもあり恐ろしくもあり……。フィデリオのことを信じていてくれたのも涙でした。なのに引きが、引きがー!!
![植物図鑑 運命の恋、ひろいました [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/510uThDIT1L._SL160_.jpg)
東京で一人暮らししながら不動産会社で働いているさやか。仕事では理不尽に怒られ、食事はコンビニ、なんだか味気ない……そんなある夜、アパートの前で動けなくなっている男性を見つける。「噛みません。しつけのできた良い子です」だから拾ってくれませんかという彼、樹をなんとなく拾ってしまったさやか。彼に胃袋を掴まれ、野草狩りの楽しさを教えてもらったさやかはどんどん気持ちを募らせていき……。
有川浩さんの『植物図鑑』が原作。テイストがだいぶと夢見る女の子のラブストーリーというのか、俳優さんに寄せてる感じなのかっていうマイルドな感じになっていて、自分の持っている印象とは違ったのですが、かわいらしいお話だなあと思いました。痛いって感じるのは上司や困ったお客に対してで、樹は柔らかく話すし、さやかもふんわりとした女性なので全体的にふわふわきらきらという印象でした。

高級コールガールだったイザベラは、いまやハリウッドスター。記者のインタビューに自身の過去を語る彼女は、偶然に出会った演出家のアーノルドから三万ドルをプレゼントされた出来事を話す。入り組んだ人間模様は、やがてひとつに収束して……。
どたばたコメディ映画。彼女と話している彼は、実は向こうの彼女とつながっていて……が続いてどんどん事態が混乱していくのですが、最後にはぱっとそれが解けるという話。いろんな皮肉がきいててうっすら笑いながら見てしまった。
こういう短い作品はキャラクターの強さがものを言うんだなあなんてことも考えたりしました。イジーはいいとしても、カウンセラーの先生は見ててなんかきついなあと思ったり。こういう強調があると話が回しやすくなるよねーなんて。

ロジオン、ダラステア皇帝(とその小姓)と共に誘拐され、囚われの身となったミレーユ。リヒャルトを蹴落とすために動いているというフィデリオの真意が見えないまま、ついにミレーユは、リヒャルトに婚約解消の手紙を書くことに……。
一方リヒャルトは、ミレーユ奪還のため策を練るのだが——!?
「ミレーユ——俺を見てください」
待つのは幸せな未来か、それとも……? 物語は最高潮へ!!(裏表紙より)
フィデリオー!! 信じてたー!! と叫ぶ一方でリヒャルトがキレて終わったので続きが楽しみで怖いです笑
カラーピンナップがすごくいい仕事をしています。フレッドの台詞、本編で読んだらとてもよかった。幸せに向かって突き進める力強さを持ったキャラクターは、本当に見ていて楽しいし元気をもらえる。
掌編が収録されていて、ミレーユの誕生日の小さなお話なのですが、本編が再会できていないぶんじれじれしました。

幼いリヒャルトと第五師団団長ジャックがかわした約束を描いた「身代わり伯爵と遠い日の約束」や、ミレーユの計らいで実現した、リヒャルトとキリル兄弟の絆を描く「身代わり伯爵とはじまりの旋律」をはじめ、ミレーユの第五師団時代の奮闘を描く「身代わり伯爵と開かずの間の謎」、シルフレイアの結婚を描いた表題作「身代わり伯爵といばら姫の憂鬱」など、超豪華書き下ろし100ページ以上! ファン必読、珠玉の短編集!!(裏表紙より)
雑誌掲載のものと書き下ろしのものを合わせた短編集。お話もたいへんかわいいですが、挿絵がめちゃくちゃ素敵です! カラーピンナップのフレッド、すっごいイケメン! こんな貴公子に優しくされたら腰くだけーって感じです。
いちばん楽しかったのは、『身代わり伯爵の結婚』の裏話に当たる、シルフレイアとカインのお話でした。このふたり、めちゃめちゃ好きなカップルなんですけど、全然そう見えないのにお互いを好きすぎるのがかわいいなあって思っていて。カインは普段気だるげにしているのに言動が完全に騎士のそれなんですよねえ。もっといちゃついてほしい。
「身代わり伯爵と真夏の遠足」の、セシリアが頑張ってミレーユを「お義姉様」と呼ぶお話も可愛らしかったです。ママ、めっちゃ美人ですね!