読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

昭和31年。東京の帝国血液銀行に勤める水木は、政財界を牛耳る龍賀一族が経営する龍賀製薬を担当していた。その龍賀一族の当主・時貞が死去したため、次期当主と目されている龍賀製薬社長の克典とより懇意となって出世しようと目論む水木は、哭倉村の一族の集まりに同行する。しかし龍賀一族の権勢にはある秘密があった。
実はゲゲゲの鬼太郎、あんまり真面目に通ってない。通ってないながら、変わりゆく時代の人と妖怪それぞれの恐ろしさを描いている作品は好き。こういう人の欲望と醜さを描いてくれるホラーは大好物。
水木が色々と人間臭くてなあ。外からやってきて、ほどほどの出世欲や知的好奇心があり、けれど情があり、弱い人には優しい、善悪のバランスがちょうどいい、少しのきっかけでその天秤が傾いてしまう「普通の人間」。そんな水木だからこその、この欲望をどろどろに煮詰めた事件に立ち向かえたんだろうという気がします。でなければゲゲ郎は最後にそんな選択はしなかったろうという気がする。
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