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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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アップフェルラント物語 (光文社文庫)
 20世紀初頭のヨーロッパ。アップフェルラント王国の孤児ヴェルは、囚われの身の少女フリーだと運命的な出会いをした。彼女の手には前世界を揺るがしかねない、王国に隠されたある重大な秘密が! ヴェルは好漢フライシャー警部とともにフリーダを救出。しかし、強大なドイツ帝国軍の魔手もすぐそこに迫っていた——。
 心躍る波瀾万丈の冒険小説!(裏表紙より)

分かりやすくて楽しい物語だった。時代設定がはっきりしているのと、子ども向けを意識しているような、まっすぐな少年ヴェルが主人公。フライシャー警部は手助けしてくれるかっこいい大人として描かれているように思ったので、児童文学的な印象。少年少女、警部、男装の麗人、王国の秘密、大国の陰謀、蒸気機関車、飛行機、がキーワード。男装の麗人アリアーナがかっこよくて好きだ。フライシャー警部といい感じでまた楽しい。ラストのオチのつけ方がなるほどすごいな! という感じで、これはヨーロッパを舞台にしないと書けないなと思った。
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凍りのくじら (講談社文庫)
藤子・F・不二雄を「先生」と呼ぶ、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な”道具”が私たちを照らすとき——。(裏表紙より)

ノベルスで一度読んだ。痛くて苦しくて切なくて泣いた。
理帆子の立ち位置がなんとなく分かる。誰とも仲良く出来るけれど、繋がれないと思っている。本当はみんなが好きだけれど、自分は嫌いという思考が見えた気がした。見下してしまったり、一人だと思い込んだり、寂しさを遊びで埋めたり、は、とても若い。読むと苦しい青春だと思う。
見所は、理帆子がつながっていくところと、若尾が段々怖くなるところ。
もう導入から好きだ。照らす必要があるから、と答えるようにしている、理帆子の光への思いの強さ。辻村さんの人物の書き方はリアルで、どんな部分も綺麗に見える。文章がとても好きだ。
後の理帆子が少しだけ出てくるのは「スロウハイツの神様」。ふみちゃんは「ぼくのメジャースプーン」の登場人物か。まとめないかなと思ってWikiを見たところ、理帆子は「名前探しの放課後」にも出てるらしい。
七姫物語〈第4章〉夏草話 (電撃文庫)
 七人の宮姫が立つ世界、東和の地。
 七宮の称号を持つ空澄姫は対立していた三宮常磐姫と会談し、その和解を人々に示した。だが、各勢力との対立はまだ続く。
 そんな最中、空姫と呼ばれる少女は、市井の少女カラスミとして、ツヅミの街に立っていた。そこはかつて、琥珀色の姫を掲げていた水都ツヅミ。人々を見上げ、出会い、すれ違い、そして再会し、少女は歩き続ける。そして、その眼差しは探していた光景を見つけ出す——。
 少女カラスミが見つめる世界。
 第9回電撃ゲーム小説大賞〈金賞〉受賞作、待望の第4弾! 七姫物語第四章「夏草話」開幕。(カバーより)

見つけたら読むようにしている。発行ペースがとても遅い。今のところ五章まで出ているらしい。
カラが見つめる世界、ということからか文章がとても幼い。そして短い。その辺りが今回久しぶりに高野さんの文章を読んでなんだか違和感だった。世界感はとても好き。対立したり和解する七人の姫君という人物は魅力的だし、物語が少しずつ動いているのも、思惑が絡み合う群像劇で楽しい。でも文章をもっと濃くしてほしいかなと思う。なんだかじりじりするんだ、カラとヒカゲをもっと大人に!
クレオパトラの夢 (双葉文庫)
シリーズ第一作『MAZE』で非凡な才能を見せた神原恵弥。その彼が北国のH市を訪れた。不倫相手の追いかけていった双子の妹の和見を連れ戻すためだが、もう一つ重大な目的があった。それはH市と関係があるらしい「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むこと。人々の思惑や駆け引きが交錯するなか、恵弥は何を知ったのか。粉雪舞う寒空に広がる、恩田陸の夢幻のイマジネーション! 解説・三浦しをん(裏表紙より)

なんの偶然か解説がしをんさんだった。びっくりした。
恩田陸を夏以来読んだ。この文章がすぐ馴染んできて、成分補給した。
「MAZE」をもうほとんど覚えていないので、恵弥の頭の良さにびっくりする。恩田さんは女性たちが喋りあっている、というのが好きだとどこかで読んだ気がするので、男で女な恵弥が主人公でもとんとん進む会話に性差の違和感はない感じ。
そういえば「冷凍みかん」の話を聞いたことがあるんだよなあと思っていたら、この本で読んだのか! 「冷凍みかん」は「朝日のようにさわやかに」に収録。今見たら記事にしていなかったみたいだったので上げておいた。
乙女なげやり (新潮文庫 み 34-7)
ひとはいつまで乙女を自称しても許されるものなのか。そんな疑問を胸に抱きつつも、「なげやり」にふさわしいのは、やっぱり乙女。熱愛する漫画の世界に耽溺し、ツボをはずさぬ映画を観ては、気の合う友と妄想世界を語り合う。気の合わない母との確執も弟とのバトルも、日常の愉楽。どんな悩みも爽快に忘れられる「人生相談」も収録して、威勢よく脱力できる、痛快ヘタレ日常エッセイ。(裏表紙より)

エッセイものをこれまで読んでこなかったけれど、三浦さんのエッセイを読んでから色々手を出してみるようになった。で、これは2004年7月のものを文庫化したもの。
登場人物が本当に面白い。こんな面白い人々が本当にいるのだろうかと思ってしまうくらい。人の日常の面白さを三浦しをんエッセイで知りました。

「俺の胃、粗悪品」のお父さんが面白い。
「ドアガ アイテイ マス」
「ちょっと待てと言ってるだろう! 融通のきかない女は俺は嫌いだ!」

なんかうちの父と微妙にかぶる。ネットでちょっと検索がうまく出ないと「だから世界って優しくないのよね」と芝居がかった口調で言った、我が父に。
天国はまだ遠く (新潮文庫)
仕事も人間関係もうまくいかず、毎日辛くて息が詰りそう。23歳の千鶴は、会社を辞めて死ぬつもりだった。辿り着いた山奥の民宿で、睡眠薬を飲むのだが、死に切れなかった。自殺を諦めた彼女は、民宿の田村さんの大雑把な優しさに癒されていく。大らかな村人や大自然に囲まれた充足した日々。だが、千鶴は気づいてしまう、自分の居場所がここにないことに。心にしみる清爽な旅立ちの物語。(裏表紙より)

日常から別の場所で日々を越えて、心を癒して旅立っていく、というのは「西の魔女が死んだ」と同じシチュエーションだと。「天国はまだ遠く」は大人になって疲れた女の子に向けられた小説、なのかな。
田村さんの方言が更に癒しを呼び起こす感じがした。「ラブアンドピース以外のことが聴きたかったら、吉幾三を聴けばええ。それ以外のことは幾三がみんな歌ってくれとるから」が、いいわ……と思った。若い人を「姉ちゃん」とか「兄ちゃん」とか、田舎のおっちゃんおばちゃんはそんな感じだよなあ。(四十代五十代の我が両親も、うちの近所の人にかかれば兄ちゃん姉ちゃんになる)(私はなんだろう、お嬢ちゃん?)
自殺をはかるところでえぐかったら絶対面白くなかったと思った。そんなこと全然なくて、ゆっくり流れる時間がなんだかいいなあと思えて、結論の出し方も納得できるもので、良い物語だった。
これ読んで気づいたけれど、瀬尾さんって教員だったんだ。「図書館の神様」で抱いた印象がぐっと強くなった気がする。
覆面作家は二人いる (角川文庫)
姓は〈覆面〉、名は〈作家〉——本名・新妻千秋。天国的な美貌を持つ若干19歳の新人がミステリ界にデビューした。
しかも、その正体は大富豪の御令嬢……ところが千秋さんには誰もが驚く、もう一つの顔があったのだ!?
『推理世界』の若手編集者、岡部良介を混乱させながら、日常世界に潜む謎を鮮やかに解き明かすファン待望のシリーズ第一弾。お嬢様名探偵、誕生!(裏表紙より)

おかしな原稿が『推理世界』に送られてきた。とても面白いのだが、テレホンカードをよく分かっていなかったり、突然世にも難しい言葉が出てきたり、取ってつけたような手順のベッドシーンがあったり。編集者岡部良介は本人に会いに行くことになるが、そこはびっくりする大豪邸、出てきたのは執事、そして美しいお嬢様。
北村さんのミステリは大好きだ。テレホンカードというのがすでに過ぎ去った感じだ……。単行本発行が平成三年。妹が生まれてちょっとくらいだ。
設定だけ書くとライトノベルに出来そうだけれど、中身は飄々とした小説という印象がある。北村さんのコンビもののミステリに出てくる二人は、本当にテンポが良くて面白くてかっこよくてかわいい、素敵なコンビだ。
良介に双子の兄がいながら、お嬢様に内と外があるという対比が面白いなあ! もしどっちも双子だったら少女漫画だ。それもちょっと見たいとか思ってしまう。
面白かった! 続き探そう。
とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い) (ガガガ文庫 い 2-4)
「美姫を守って単機敵中翔破、1万2千キロ。やれるかね?」レヴァーム皇国の傭兵飛空士シャルルは、そのあまりに荒唐無稽な指令に我が耳を疑う。次期皇妃ファナは「光芒五里に及ぶ」美しさの少女。そのファナと自分のごとき流れ者が、ふたりきりで海上翔破の旅に出る!? ——圧倒的攻撃力の敵国戦闘機群がシャルルとファナのちいさな複座式水上偵察機サンタ・クルスに襲いかかる! 蒼天に積乱雲がたちのぼる夏の洋上にきらめいた、恋と空戦の物語。(裏表紙より)

表紙が好きで買っていた。表紙のファナは本当に凛々しく麗しい。
夏の恋、ファンタジー編という感じ。結構分厚いけれど、あまり厚いものを読んだ気はしない。さらさらっと読めて、うん面白かったという感じ。一冊読み切りとしてはとても素敵だと。
男の子と女の子のパートは狙ってる感が若干あった気もするけれど、空戦パートが面白かった。プロペラ戦闘機というとなんだか真っ赤のイメージがあって、それに付随して空戦の派手さも某アニメ映画の感じで再生されるから、ビーグルとの決着はかっこいいなあと思って読んでいた。
ラストはとても綺麗だった。思わず表紙を見た。ラストらしいラストというのが本当にとても好きなので、青空と金色の夏が綺麗で嬉しかった。
幸福な食卓
父と母と兄に囲まれ、佐和子は普通の家庭にいたはずだった。だが母は家族と離れて一人暮らし、将来を有望されていた兄は農業に精を出し、父は父さんを止めると宣言した。それでも、佐和子は幸福な日々で大人になっていく。中学生から高校生の時間。

数年前に、映画のCMで、冬の夕方の道を女子高生がマフラーに顔を埋めながらただ歩いていくという画が、ずーっと頭の中にあって、先日映画が放送されたけれど見られなかったので、原作を借りてみた。
内容は、幸福。ぱあっと明るい幸福じゃなくて、しんしんと降り積もる幸福という感じ。「幸福な朝食」「バイブル」「救世主」は当たり前の日々で、突然襲ってくる「プレゼントの効用」にどきっとした。でもやっぱりこれも日々も積み重ねのひとつなんだなあと思ったりもする。
「大丈夫だよ」
「そう?」
「大丈夫。僕、大きくなるから」
「そっか。そうだね」
『プレゼントの効用』

大浦君の止まった時間と、弟君の進む時間。佐和子がそれを認めた瞬間にほろりとした。
あやつられ文楽鑑賞
文楽観劇のド素人三浦しをんが、いかにして文楽という芸能にのめり込んでいったかの記録

文楽見てみたいわぁと思う一冊だった(見事に釣られている)
しをんさんの、人形さんや三味線さんや太夫さんの観察がまた面白くて。UFOキャッチャーをする三味線さん、大リーグボール三号@巨人の星に例える三味線さんとか、それに対するしをんさんのツッコミがまた面白い(例:魂こめてキャッチしたい)
演目について書かれているのも、初めて文楽を見ようと思った時の参考になりそうです。「仮名手本忠臣蔵」や「女殺油地獄」がいいなあと思った。
「仮名手本〜」はそのまま忠臣蔵がモチーフになった話で、「女殺〜」は近松門左衛門の作。油屋の人妻が、別の油屋の放蕩息子に金を奪われて殺されるという話なのだけれど、この本で書かれる筋がとっても面白い! 放蕩息子は人妻に甘えている節があって、それが何故金を奪って殺すことになったのか、と考えさせられる話。放蕩息子の心理描写が意図的に省かれているらしくて、しをんさんの解説を読んでもとても面白い。
三浦しをんさんは「仏果を得ず」という文楽の世界を書いた小説も書いているので、また読みたいところ。
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Author:月子
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