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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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鏡のなかの鏡―迷宮 (岩波現代文庫)

連作短編集。一つの話は短いもので2ページ、長いもので20ページくらいか。
『はてしない物語』『モモ』『ジムボタンの機関車大旅行』を読んだ身としては、こういうグロテスクで不可思議な話ばかりが続いていると驚いてしまう。ここには子どもが望むような明るい夢ではなくて、永遠に続く悪夢を描いているかのよう。
この物語の中は、生と死というより、永遠の夢、生死の中間地点であるように思う。「湿地のように暗いのは母の顔だ」が恐ろしかった。永遠に続く、というのが表されている気がして。
「手に手をとって、ふたりが道を」では、子どもが授業という形で、楽園を見てきたという男に出会う。子どもが出て来ると、物語が華やぐような印象を持った。
「黒い空のした、ひとの住めない国が」で魔術師がエンデと名乗り、少年が「ミヒャエル」と名付けられ、二人が暮らせるような世界を探しに行こうと言い出すのは、物語を書き進めている作者の姿が浮かんでくる。子どもの心と大人の心を持った自分、そうして自分が望む世界を探しているように思えて、わくわくしつつも少し寂しい気分になった。
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樹川さとみ「千の翼の都 翡翠の怪盗ミオン」「366番目の夜」「雪月の花嫁」「時の竜と水の指環」上・下
壁井ユカコ「エンドロールまであと、」
恩田陸「いのちのパレード」「麦の海に沈む果実」「黄昏の百合の骨」「中庭の出来事」「木漏れ日に泳ぐ魚」「朝日のようにさわやかに」「チョコレートコスモス」
井上堅二「バカとテストと召喚獣」
雨木シュウスケ「鋼殻のレギオス」
成田良悟「バッカーノ!」
サン・テグジュペリ「星の王子さま」
倉本由布「天界の翼」「天界の翼 ましろの鎮魂」「天界の翼 はるかの王」
野梨原花南「マルタ・サギーは探偵ですか?」
川端康成「伊豆の踊子」
辻村深月「ぼくのメジャースプーン」

面白かった本
・中庭の出来事
設定が面白い。どこからどこまでが箱(世界)なのか考えた。
・チョコレートコスモス
演劇のテーマが良かった。好きなんだなあ。続きがあるなら彼女たちが演じるホンの話を!
・ぼくのメジャースプーン
やっぱり辻村深月はすごい。私は秋先生タイプらしい。普通に「自分で愛するものを壊す」という罰を考えてしまったー。

樹川さとみ祭りと恩田陸祭りでした。再読も出来て良かった。
戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)

重いSF。読んだ感想は「深い」だった。戦争物らしい戦闘はあるものの、焦点が「人間とは」に当てられているからか、存在関係(人間関係ではない)を深く書いた作品のように思った。
零が冷たいように思われながらも、とても人間らしいと感じた。言語がFAF語という形で変化するほどの戦場で、彼という人間、FAFに所属する、地球では屑という烙印を押され他者を顧みなくなる人々は、「戦場の中の人類」という新しい人類だと思う。そもそも、「人間は必要か」という自分の存在意義を問いかける生き物は人類くらいしかいないように思う。
戦闘は、零が見続けるだけという任務にある為か、素っ気ない。ただ彼自身が戦いの中に飛び込むと、あっというほどの力強さで文章が進んだと思う。ただ戦闘機の構造が分からないので、セントラル・エアデータ・コンピュータなんて言われても分からないのです……。
「フェアリィ・冬」が一番恐ろしく面白かった。コンピューターに向かってブッカー少佐が問いかけるシーンがぞくぞくした。人間と機械のどうしても何があっても相容れないような対立と攻防というのがこわ面白い。
卍

昭和二十六年十二月十日初版発行。同性愛がテーマ。
解説には「女性崇拝」という言葉が出て来たけれど、うーん、その表現は微妙かも。こういう視点の女性の書き方は確かに男性の書き方という感じがするけど。
文学的ではなく、娯楽的な印象。私が持っている純文学のイメージには、どこか宗教じみた感じ、孤高の視線を感じる時を持っているというのがあるのだけれど、これは習慣的な視線からどこかこんがらがった縺れを書いていると思う。
その三十からの加速がすごい。夫までも光子の虜になって、夫が園子に情熱が分かったと告げる辺りから。情念とか、そういうどろどろしたものを書くのがブンガクのような気もする。
いのちのパレード
早川書房の異色作家短編集に影響を与えられた著者による「奇想短編シリーズ」14編に一編の書き下ろしを加えた15編。
場所は秘密、参加者も抽選、逸話があるW村の観光旅行に参加した「私」たちは、地面から生えてくる石の手を見る。「観光旅行」
彼女の人生とロボットとスペインの苔に関する「スペインの苔」など。

すごく良かった! 翻訳小説っぽい雰囲気、暗くてユーモアに満ちていて、この表紙がしっくり来るまさに「奇想短編」。あちこちで見る評価がすごく良かったというのと合わなかったというので極端に別れていたので、気になっていたのに私にはすごく合った。シリーズ物好きの母は、「上手い。実力のある作家の作品はやっぱり面白い。けれどもっと膨らましてくれーと思う」とのこと。
「あなたの善良なる教え子より」はテーマが重たくて、でも文学的な感じ(いつもの偏見)がして好きだった。ラストの展開もぞくっとする。
一番好きな「夜想曲」。芸術の神々から祝福を受けたのはロボットの青年という設定、その淡々とした雰囲気が余計興奮させる。
誰かが、恩田陸は振り返った瞬間のぞくぞくっとしたものを書くのが上手いと書いていた(という風に覚えている。全く違う表現だったはず)、その言葉がよく分かる作品集でした。
化物語(上) (講談社BOX)化物語(下) (講談社BOX)
 高校三年生の少年阿良ヶ木暦は怪異に遭遇した。学年でもトップクラスの成績を持つ美少女戦場ヶ原ひたぎには体重がなかったのだ。それまでに二度の怪異に行き会っていた暦はその「お人好し」さを発揮して解決に手を貸す事に。上巻は「ひたぎクラブ」「まよいマイマイ」「するがモンキー」の三編。下巻は「なでこスネイク」「つばさキャット」の二編。

面白い、でも会話がいちいち長くなって少々疲れた。馬鹿みたいに笑えるつっこみとぼけを繰り返すわけで、あとがきを読むにそれが書きたかったらしい。これは若い人が好きだとかちょっと年寄りじみたことを思ったり。女の子キャラばっかりで性格もキャラクターという感じで正直狙ってるなあとびしびし感じた。
短文にして呼吸を置くのが特徴っぽい。
一番好きなのはやっぱり戦場ヶ原なんだけど、神原も羽川さんも好きだなあ。ロリキャラは頂けないので若者たちに好みが偏ってしまう。羽川さんはすごく可愛いんだけどなあ。この子はでもやっぱり主人公と対になるヒロインではないんだなあ。戦場ヶ原はヒロインだと思った、そのデレ具合。
ページをめくれば (奇想コレクション)
五〇年代アメリカを代表する女性SF作家の短編十一作。子どもと日常的な非日常などを書いた作品を多く収録してある。《ピープル》シリーズ第十三作「忘れられないこと」は、ある女教師が一人の転入生で出会った事で不思議な体験をする。

原文は英語で、訳者がいるはずなのに、テーマや雰囲気など読んだ後のどこか薄ら寒い感じ、影のようなものを見た気がする。喋り方に特に現れていたように思います。
「先生、知ってる?」はすごく好きな作品。「先生、知ってる?」の一言は何かきらきらしたものが隠されているようで可愛いのに、その裏では現実がある、という差が読んでいてすごくいいと思った。
表題作「ページをめくれば」は感動的だった。ページをめくれば誰もが幸福になる。幸福になれると教えは、じいんと響いた。

「もう一度、希望と可能性と純粋の喜びにあふれた輝かしい魔法の朝を、胸をときめかせて迎えることができるとしたら、なにをさしだす? エボー先生はその方法を教えてくれた。わたしたちに約束と希望を与えてくれた。だれだって最後には幸福に暮らせると教えてくれた。だってそう書いてあるから。わたしたちはゆっくりとページをめくりつづければいいの。どうしてそうしないの?」
 「ページをめくれば」より


人生を物語に例えることはあるけれど、こうしてページをめくるという形で表現したこの一編、すごく感動した。
すごーく好きな作品だった。読めば読むほど染みる感じがする作品がたくさんある。
対岸の彼女

人と交わる事を怖れる小夜子は働きに行こうと思うと夫に告げた。小夜子を雇った社長の葵には過去があった。どこに行けるのか、どこに行こうとしているのか。迷えるそれぞれの過去と現在と未来。

じんわりするなあ。小夜子の主婦としての悩みはいつも抱えている人としての悩みのように思えるし、特に葵の過去は藻掻いている様子が痛々しくてでも同調して切なかった。
これだけ痛み苦しみに同調するのは久しぶりかも。葵とナナコの話は切なかった。どこかに行きたくて、どこに行こうとしているのか分からなくて、でもきっとその意識には別の何かになりたいという思いがあるんじゃないかなとか。葵の母親が「何が気に入らないのよっ!」と叫ぶシーンは、私にも同じ事が起こりうるのかもしれないと思うと胸がざわざわぐるぐるする。
小夜子の立場にはまだまだなれないのですが、いつか来るかもしれないという感じがある。
時の竜と水の指環〈前編〉 (コバルト文庫)時の竜と水の指環〈後編〉 (コバルト文庫)
ノーマ・カーに住む薬師ローグの称号を負うために男と偽り暮らす少女アイリは、ある夜モースの若き領主ク・オルティスに従者キサルの傷の手当てのために無理矢理連れてこられた。滞在は延びに延び、武芸大会に同行させられることに。実直で不器用に優しいク・オルティスと過ごす内に、アイリは次第に『自分』に戻りたいと願うようになって……。

大好き! な小説。再読で5回目くらい。
イメージとしては北欧なんだろうか。森が針葉樹林? 鬱蒼とした深緑の森をイメージする。
少女が男と偽っているというのもすごくて、元気な女の子が多い樹川作品の中でこんなに内気な子はときめきポイントに大きく貢献していると思う。青年がまた脳みそ筋肉の唐変木で、これまたときめきポイント。伝説、神話に物語が絡むのも大好きだ。好みが満載なんだ! 一番好きなのは、騎士仲間がアイリとク・オルティスを見て驚くシーン。男同士の仲良しとか、女同士の仲良しとか、この人の書くそれらは無茶苦茶かわいくて面白くてだいすきなんだ。
自分がその場で体験しているような文章が、読むのにテンポを感じられるのかな。
ちょっと盛り込み過ぎな感じもするけれど、綺麗に終わってくれてよし。でも初読の時はもうちょっと見たいー! と思った。でも今はこれでいい……と思うのです。
バッカーノ!―The Rolling Bootlegs (電撃文庫)
始まりは恐らく、不老不死になる方法が、召喚された悪魔から錬金術師にもたらされたこと。
泥棒カップル、イタリアのマフィア・カモッラの人々、警官、不良ども、ホムンクルス、錬金術師、大勢の人々の出来事が積み重なり、「不死の酒」に繋がる1930年代禁酒法時代のアメリカ、ニューヨークでの馬鹿騒ぎ!

妹のお友達からもたらされて妹がジャンル者になったので妹から借りました。
馬鹿騒ぎの名にふさわしく登場人物があちこちに現れて、偶然に出会って重なっていく様がとても面白くて楽しい!
フィーロが好きだなあ。エニスと結婚するのにそんなかかるなんて。初々しい! みんなキャラクターらしくて楽しいな! 愛すべき人たちっていうのはやっぱり良い。
最初に読んだ時はラストのどんでん返しにびっくりしてすごいと思った。今回は再読なので、どれがどう重なるかを確認。金鉱掘るってすでにアイザックとミリアが言っていた。
アニメも見たけれど、アニメはやっぱり完成度が高いと思う。声優と映像の力ってすごい。
そういえば一巻から誤字があって笑った。セラード・クェーツがセラード・クァーツになってたのを発見。更にエニスとミリアもごっちゃになっているところがある。さすが「バッカーノ!」(笑)

アンケートからのオススメでした。ありがとうございました!
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Author:月子
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