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いのちのパレード
早川書房の異色作家短編集に影響を与えられた著者による「奇想短編シリーズ」14編に一編の書き下ろしを加えた15編。
場所は秘密、参加者も抽選、逸話があるW村の観光旅行に参加した「私」たちは、地面から生えてくる石の手を見る。「観光旅行」
彼女の人生とロボットとスペインの苔に関する「スペインの苔」など。

すごく良かった! 翻訳小説っぽい雰囲気、暗くてユーモアに満ちていて、この表紙がしっくり来るまさに「奇想短編」。あちこちで見る評価がすごく良かったというのと合わなかったというので極端に別れていたので、気になっていたのに私にはすごく合った。シリーズ物好きの母は、「上手い。実力のある作家の作品はやっぱり面白い。けれどもっと膨らましてくれーと思う」とのこと。
「あなたの善良なる教え子より」はテーマが重たくて、でも文学的な感じ(いつもの偏見)がして好きだった。ラストの展開もぞくっとする。
一番好きな「夜想曲」。芸術の神々から祝福を受けたのはロボットの青年という設定、その淡々とした雰囲気が余計興奮させる。
誰かが、恩田陸は振り返った瞬間のぞくぞくっとしたものを書くのが上手いと書いていた(という風に覚えている。全く違う表現だったはず)、その言葉がよく分かる作品集でした。
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