読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
岩塩鉱を生き残った男・ヴァンと、ついに対面したホッサル。人はなぜ病み、なぜ治る者と治らぬ者がいるのか——投げかけられた問いに答えようとする中で、ホッサルは黒狼熱の秘密に気づく。その頃仲間を失った〈火馬の民〉のオーファンは、故郷をとり戻すべく最後の勝負を仕掛けていた。病む者の哀しみを見過ごせなかったヴァンが、愛する者たちが生きる世界のために下した決断とは——!? 上橋菜穂子の傑作長編、堂々完結!(裏表紙より)
そうなる気がしていたけれど! というヴァンの選択による結末を迎えた第四巻。
やはり見せ場はヴァンとホッサルの会話でしょうか。二人の会話がすごく面白くって、夢中で読みました。どんなプロも、素人の何気ない発言に胸を突かれる瞬間があるのは不変ですね。それがミラルの言う、私たちが個性を持っているということの証だと思う。
けれど必死に生きている人々がいる一方で、それぞれの平和や発展や未来のために動いている人たちの思惑が、なんとも言えず悲しい。そういう力を持ったのならそうするんだ、ということなんだろうけれど。
ヴァンが行ってしまったのが悲しいのに、ユナだけじゃない家族のみんなが追いかけていってくれたのがすごく嬉しくて、希望を感じられる結末を迎えられたのが本当によかった。
統治者たちの思惑から逃れるように去ってしまったヴァンたちだけれど、ホッサルはこの後もそうした陰謀の中で巧みに生きていかなくちゃならないんだよな……。けれど彼は決して生きることを諦めないんだという結末が、本当に素晴らしかったです。
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