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光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)
膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから——「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への志向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか? 不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。(裏表紙より)

多分人生で初めて読んだ「大人の小説」です。何かとお守りにするようにして持ち歩くことがあるんですが、今回久しぶりに手に取って読んで、泣いたー……。自分のルーツはここにあるんだ、と感じた再読でした。
連作短編集で、連作ですが、ちゃんと一つの方向に向かってまとめられたお話なので、最後の言葉がすとんと来るあのラスト数ページに、だーっと泣きました。もうこれは反射としか言いようがない気がする……(毎回泣くから)。恩田さんの初期にあたる作品なので、今ではいくつかの作品の続編や関連作が出ています(『エンド・ゲーム』や『蒲公英草紙』)。最近は、恩田さんの世界はもうちょっと硬派な筆致でミステリと不思議な世界の話の方向にいっている気がするので、違いを感じて面白かったです。
特に「引き出し」を持つ春田一族の話はとても好きだなあ! 最初に読んだお話がこれだというのは、本当によかったと思う。全体的に優しい語り口の不思議なお話なのですが、内容紹介にあるようにどことなく淡い哀しみ、切なさのようなものがあって、時間とか別れとかそういったものにひっそりと触れているところがあって私はこの本がすごく好きなんです。あー、もー、好きだなあ!
オススメされた本でした! ありがとうございました!
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