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悪魔の孤独と水銀糖の少女 (電撃文庫)
「あなたを愛するために、ここまで来たんだもの」
 黒い海を越え、呪われた島にやってきた美しい少女、シュガーリア。今は滅びた死霊術師の忘れ形見である彼女が出会ったのは、大罪人の男、ヨクサルだった。彼は無数の罪をその身に刻み、背負う悪魔は、『孤独を力にかえる』という──。
「あんた、何様のつもりだ」
「わたしはシュガーリア。この世界で最後の……死霊術師の孫娘よ」
 愛など知らない男と、愛しか知らない少女が出会った時、末路を迎えたはずの物語が動きはじめる。
 水銀糖の少女の、命をかけた最後の恋は、滅びの運命に抗うことが出来るのか。(裏表紙より)

紅玉いづきさんのファンタジーだなあ、と感じる美しく悲しくて愛おしい作品でした。
死霊術師たちに愛されて育ったシュガーリアは、ある目的のために外界から隔絶されている呪われた島に乗り込む。そこには死した人々と、悪魔背負いの男ヨクサルがいた。シュガーリアは自らの目的のためにヨクサルに協力を請うが……。
すべてを失って孤独である少女と、常に孤独を背負って生き続ける男。この二人のやり取りが、愛しいと思うくらいに優しい。二人の心がゆるゆると解けていくのが見える。最後に悪魔にも一緒に行こうと声をかけるのは、すごくいいなあと思いました。異形のものたちが連れ立って一緒に、果てのない旅に出るというのは、なんだかほっとするし、幸せであってほしいと思う。
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Author:月子
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