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業多姫〈6之帖〉夢見月 (富士見ミステリー文庫)
(助けて。助けて、颯音——!)
 遠雷の咆哮を響かせ、牙を剥いた獣が鳴に襲いかかる。鳴の意識は、闇へと落ちていく。
 ——二人でともに生きる
 颯音と交わした約束を何度も繰り返しながら。
 激しく地が震えた。
 春惜月の出来事から一月。城下町で「狐」の情報を集める鳴と颯音。しかし、青津野の巧妙な罠により鳴は敵の手に落ちてしまう。鳴を救い出すため、そして自らの過去に決着をつけるため、颯音は青津野に反旗を翻した領民らと共に町へ突入する。そして、遂に宿敵・青津野刑部がその本性を現す——!
 大いなる戦の前触れに揺れる、時は五百年の昔。異能の力故に“業多姫”と呼ばれ恐れられた少女と、心を持たない間者として育てられた少年。孤独な二つの魂が出会い、全ての運命は動き出した——。
 第二回富士見ヤングミステリー大賞準入選作「業多姫」シリーズ、遂に完結! これは、戦乱の世を駆け抜けた、少年と少女の物語——。(カバー折り返しより)

業多姫シリーズ完結巻。ほぼ一年くらいかけて本編と外伝七冊を読んだ。長かった。
青津野との決着、颯音の過去、そしてすべての秘密が明かされる六乃帖。ページをめくるたびに謎は解けず深まるばかりで、鳴と颯音は離ればなれになってしまうし、本当にこれは完結するのだろうかと別の意味でもどきどきしました。
一年の長くも短い二人の旅路は、困難の方が多く、それでもささやかな幸せやお互いの結びつきを見いだしていく鳴と颯音が切なくも愛おしく、最後のページはとても幸せな気持ちで読みました。
ありがとうございました。
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