読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
アメリカの植物学者であるマーティンは、学会に出席するため妻とともにベルリンにやってきた。しかし空港で荷物を忘れたことを思い出して取りに戻ったところに事故に遭い、昏睡状態に陥る。四日後目覚めた彼だったが、妻の姿はない。医者をかき口説いて病院を退院し、ホテルに向かったマーティンだったが、妻は彼に「あなたはどなた?」と尋ねる。その彼女の傍らには「マーティン」という名の夫がいた。
意識不明から目覚めて妻に会ったら「あなたは誰?」と言われて、しかも自分と同姓同名、経歴も何もかも同じの別人がいた。お前は誰だ? 俺は誰だ? いったい何が起こってるんだ!? というサスペンスです。
解き明かしてみると呆気ないんですが、いやあ、真相にたどりつくまでに本当にはらはらさせられました。小さな、細い手がかりをなんとか手繰り寄せて真相を掴む展開、とてもスリルに満ちていていいです。
しかしこれ、組織側の人の事情を考えてしまうなあ。欠員補充するくらいだったからだいぶとばたばたしたんだろう……と特殊組織に会社組織の考え方を照らしてはいけないと思うんですが、向こうも向こうで大変だったと思うんだよと、作品とは関係のないところでちょっと哀れに思ってしまいました。
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