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小川未明童話集 (新潮文庫)
人間はこの世の中で一番やさしいものだと聞いている——北海の海底に一人寂しく過ごした人魚が、夢と希望を託して人間界に生み捨てた美しい娘の運命を描く『赤いろうそくと人魚』。ある夜中、おばあさんの家を風変わりなお客が訪れる『月夜と眼鏡』。旅人を眠らせてしまう不思議な町をめぐる少年の冒険『眠い町』等全25編を収録。グリム、アンデルセンにも比肩する児童文学の金字塔。(裏表紙より)

「赤いろうそくと人魚」を友人たちが課題に出されていて、読ませてもらったら面白かったので買ってみた。
「赤い〜」がやっぱりいいなあと。人間をこの世で一番優しいと聞いていると信じて娘を陸に生んだ人魚自身の本当の優しさや、娘が絵を描いた蝋燭を売れば儲かると考えた人間たちの欲。しかし蝋燭を灯せば無事に航海できるという純粋な信仰と、純粋さ故に絵を描いている誰かを思い当たらないこと。寂しくて、冷たい、ひとりの寂しさを感じていたのは、娘が大勢の人がいる場所で一人で絵を描き続けたからかもしれない。
幾年もして町が滅んだというのは、神様の存在があるのではと思ったりしました。その神様を航海の神様としてたたえたり、今度は嵐を呼ぶ神だと遠ざけたり。他者を思いやる心がなければ滅んでいくだけだ、と神様の存在を描いたようにも思えます。
色々綺麗で素敵な童話ばかりなのですが、国境を守る老人と青年の交流を描いた「野ばら」も好きです。すごく優しかった。
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