読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
明治時代後期。信州の被差別部落の出身で現在は小学校教師をしている瀬川丑松は、同じく穢多と呼ばれる出身の解放運動家の猪子に傾倒している。下宿先の士族の娘に恋をする丑松だが、思いを通わせるには生まれを明かさねばならない。絶対に出自を明かしてはならないという父の戒めで口を閉ざす丑松だが……。
島崎藤村「破戒」の実写映画化。
文学作品の実写って、台詞だったり人の雰囲気だったりがリアルっぽくない「文学」の描写になりがちで違和感を覚えることが多いのですが、この作品はだいぶ馴染んでいて見やすかった。部落差別問題は、若い世代にとってすでに遠い昔の出来事のように思えるのですが、こういうことがあったんだと知らせることができる作品だったように感じます。世界が少し変わろうとしている終わり方だったので、何故そういう差別があったのかを知るきっかけになったらいいと思います。
土屋銀之助がいい役回りでねえ。本当に普通の、何も知らずにいる言動と、それに身近な人が傷付いていると知ったときと、その後の行動の理由を想像したくなる、ごくごく普通のいい人だったんですよね。
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