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地獄変 (集英社文庫)
時は平安時代。高名だが傲慢な絵師の良秀は、貴族の大殿様に頼まれた地獄の絵が描けずに苦しんでいた。清冽な劫火に灼かれ、悶え苦しむ美しい女——。それを自分の眼で実際に見たいと良秀は望む。そこで大殿様は、残酷な方法を思いつき……。芸術のために全てを犠牲にするエゴイズムを凄絶に描いた表題作のほか、「羅生門」、「蜘蛛の糸」、「鼻」、「藪の中」など著者の代表作を収録。(裏表紙より)

芥川をこの年になって初めてしっかり読んだけれど、とても、すごーく良かった……。
人間の微妙な心理を精密に描きつつ、物語がどこか神々しい光や闇で満ちている感じ。私のツボは「地獄変」「奉教人の死」「舞踏会」「藪の中」。
「舞踏会」は鹿鳴館で社交界デビューする少女の話。「奉教人の死」は切支丹もの。
「地獄変」は裏表紙にあるあらすじの通りだけれど、圧巻。語り手は一体何者なんだろうというところから、「大殿様との関係はなかった」と繰り返される語り手の台詞が裏があるんじゃないかと怖かったり、畜生である猿と人間の良秀の対比と逆転した魂の清さとか、色々すごかった。
「藪の中」がまだいまいち呑み込めなくて、後で読み込むつもり。全員が己の信じたいもののために嘘を吐いているようにしか思えないんだ……。多襄丸は己が名のある盗賊で女に求められたから。女は誇り高いと思っている自分のために。男は死ななければならなかったことの正当化。うーん、どうだろう。根拠がないので本当に印象だけ書いてみたけど。
でも、すごくよかった。読みやすかったし、馴染んだ感じでするする読めた。
しかし、表紙……表紙がどうにかならんのだろうか……。私が持っているのは小畑氏の絵なんですが、普通の、学生が持っててもおかしくない表紙でも出そうよ……!
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