読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

「ルイス・ダウエルが亡くなった」──騎士・サディアスが告げたのは、モニカの師であり王国で最も有名な魔法使いの訃報だった。恩人であり、父親のような存在でもあった師匠の死を受け入れる時間さえないまま、モニカは遺品整理に駆り出される。物であふれたルイスの部屋の片づけをサディアスも手伝ってくれるのだが、落ちていた紙に足を滑らせた彼は小瓶に入った正体不明の魔法薬を頭からかぶってしまう。こんな事態、魔法使いとして最大のミス! しかし彼の濃紺の瞳に見つめられ、不覚にもドキドキしてしまうモニカ。もしかして、そういう系の薬じゃ──そう思ったとき「なんだか無性にあなたを殺してしまいたくなる」──な、なんで……!?(Amazonより)
有名な魔法使いの末の弟子のモニカ。優秀な兄弟子たちと比べられて出来損ないと言われながら、魔法薬の扱いは他の魔法使い以上の腕前。しかしその師が亡くなり、気持ちの整理がつかないまま遺品整理を行うことに。その付き添いとして騎士ルイスと関わるようになるが、彼が謎の魔法薬をかぶってしまう……主人公とヒーローの関係性はタイトルがすべてを言い表していますね。
ヤンデレや激重感情要素は弱めで、擬似家族や擬似兄妹の描写が印象的。遺品整理のあたりのリアルさがね……残された人はとにかく動くしかないという。言葉にはしないけれどみんなモニカのことを大事に思っているし、みんな家族なんだなあと感じるところがとてもよかったです。サディアスは妹大事なおにいちゃんたちにいっぱい突かれればいいと思うよ!
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騎士が隊を組み、互いの兜につけられた命石を砕いて勝敗を競う——〈戦争〉にかわり〈戦闘競技会〉が、国々の命運を決するようになり三百年。優秀な騎士を輩出する村に生まれながら、周りの少女たちのように剣を扱えないニナは、「出来そこない」と揶揄されてきた。だが、ニナが出場した地方競技会を見たというリヒトに弓の才能を見出され、騎士団へ勧誘されて…!?
どうか、わたしの盾になってください。(裏表紙より)
各国の騎士団同士が戦う代理戦争が行われるようになって三百年。大柄な身体と大型の武器による近距離攻撃が主流となっているこの時代、小型で非力ゆえに短弓しか扱えないニナは出来損ないだった。しかし目の良さと弓だけを扱い続けたことによる腕前が、ある騎士の目に留まる。その出会いはニナの世界を大きく変えていって。
異物扱いされ、過去のあやまちに囚われ続けている卑屈な少女が、自分を変えようと必死に戦う物語。最終盤までだいぶきつい、というかなかなか奮い立ってくれないニナがもどかしい! 年齢の割に小柄で、出来損ない扱いのせいで周りから弾かれて、精神的に大人になれるような環境になかったことは理解できるんですが、リヒトはもうちょっと上手く導いてあげてほしいというか!
ロルフとの関係も改善されたようなので、騎士団生活も上手くいくことを期待しつつ、今後の成長が楽しみです。

魔女はすべてを覚えている。
ひとの子がすべてを忘れても。どこか遠い空の彼方へ、魂が去って行こうとも。
そして地上で魔女たちは、懐かしい夢を見る。記憶を抱いて、生きてゆく。
その街は古い港町。
桜の花びらが舞う季節に、若い魔女の娘が帰ってきた。
赤毛の長い髪をなびかせ、かたわらに金色の瞳をした使い魔の黒猫を連れて。
名前は、七竈・マリー・七瀬。
目指すは、ひとの子たちが「魔女の家」と呼ぶ、銀髪の美しい魔女二コラのカフェバー。
懸命に生きて、死んでゆくひとの子と、長い時を生きる魔女たちの出会いと別れの物語。(Amazonより)
不思議な力を操り、成長がゆっくりな魔女たち。ある日、古い港街に若い魔女・七瀬がやってきた。遠い昔の約束を守り、同胞の昔話を聞き、人と出会い、人でないものとも出会い……。死は終わりではなく、覚えてくれる存在がどこかにいるという祈りのようなものを感じる作品。
人でないものの思いにどうしようもなく泣けてしまうのは、傲慢だとは思うんだけれど。人間という存在がそこまで思ってもらえるものであったらと考えずにはいられない。けれどそれすらも肯定してくれる善性に溢れた人たちも登場する一冊でした。

誇り高く戦い、そして死ぬ。
それが我らのさだめ。生への執着など、とうの昔に、はるか彼方に置いてきた。
……そう思っていた。そう信じていた。
だが戦場へ臨み、潰され、壊され、朽ちることを良しとする〈シリン〉達の姿は、「エイティシックス」である彼らの目指す生き方が、只の狂気であると蔑む。
生きる意味とは何か。苦悩するシン。
シンを理解しようと心を砕くレーナ。
だがその想いは不格好にすれ違ったまま――連合王国の命運をかけた「竜牙大山攻略作戦」の火蓋が、無情にも切って落とされる……!
『連合王国編』完結のEp.6!
戦わねば、生き残れない。
だが戦えば生きられるわけでは、ない。(カバーより)
戦いを経て、ようやく新しい世界に一歩踏み出した、そんな第6巻。
ぐっときたのはグレーテがレーナにかける言葉。青少年に戦争をさせているいまの状況がおかしい、という普通の大人らしい言葉。けれど彼らを頼らざるを得ないんだよな……切ない……苦しい……と思って。けれど常識が残っている人って脱落しそうでこわい。生きて。
レーナとシンも自分たちの進む方向を決めたようで何より。「わかりあえない、それでも」と思いながら、一緒に生きていこうと努力するのが人間だと思うんだ。

探しに来なさい――。
シンが聴いた〈レギオン〉開発者・ゼレーネと思しき呼び声。レーナたち『第86機動打撃群』は、その姿……白い斥候型が目撃されたという「ロア=グレキア連合王国」へと向かう。……だが。
それは生への侮辱か、死への冒涜か。
「連合王国」で行われている対〈レギオン〉戦略は、あの〈エイティシックス〉たちですら戦慄を覚えるほどの、常軌を逸したものであった。
極寒の森に潜む敵が。そして隣り合う「死、そのもの」が彼らを翻弄する――。
《連合王国編》突入のシリーズ第5巻!
雪山に潜む怪物たちが、
彼らに、笑みとともに問いかける。(カバーより)
戦場に在ることを選んだシンたちエイティシックスたちと、ともに戦うことを選んだレーナ。近付いたはずなのにうまく思いを伝えられずすれ違う。しかし人でありながら人でないものたち〈シリン〉とそれを駆るヴィーカとの出会いで、人とは何か、を考えるようになる。
なかなか縮められない距離がリアル。再会やその後のじれじれもだもだがよかっただけに、すれ違う二人に胃が痛い。がんばれ……がんばれ……。
またヴィーカとレルヒェもだいぶこじれた関係だなあ……。ヴィーカがヴィーカだからいまもこうして一緒にいられるのかもしれないけれど。

王宮文官となったウェンディの前に現れた上司は、3年前に別れた元恋人デニス! 急逝した兄に代わり子爵家を継いだはずでは……。相変わらず優しく自分を守ってくれるデニスに戸惑う中、ウェンディの大切な宝物が拐かされてしまう。救出に向かったデニスが見つけたのは、自分によく似た女の子で――。3年前、二人に起こったすれ違いの真実が明かされる。「もう二度とキミを離さない」大人のシンデレラ・ウェディングラブ!(裏表紙より)
ハーレクインものでよくみるシークレットベビーもの。角川ビーンズ文庫ですよね? それだけ読者の年齢層がだいぶ上がってきたということだろうか。ものすごくびっくりした。
ただ内容も文体もだいぶ軽く、悪役はおばかさんで、小さな子どもは可愛らしく主人公はたくましく、ヒーローは情けないところがありつつもかっこいいところはしっかりかっこいいと、気軽に読めるお話でした。
ところで職場の方々はウェンディとデニスの様子がおかしいのをどう見ていたんだろうな。じれもだでやきもきする状況(子どもの誘拐は別)だったんだから周りの反応がものすごく気になる。

ついに運命の再会を果たしたシンとレーナ。どことなくいい雰囲気を醸し出す二人に、フレデリカとクレナは戦慄し、そして気を揉むライデンらの苦労は留まることを知らない。
しかしそんな束の間の休息を破り、レーナを作戦司令とする新部隊に初任務が下った。共和国85区内北部、旧地下鉄ターミナル。地下深くに築かれたレギオンの拠点が、その口をあけて彼らを待つ。
そこに見えるのは闇。
レギオンの、共和国の、そして彼の国が虐げた者たちの、闇。
シンとレーナ——二人が出会った後、初めての共闘を描く『Ep.4』!
“地の底からの呼び声が、
彼らに新たな試練を告げる。”(カバーより)
連邦と共和国の共闘が始まる。
指揮官として着任したレーナとその部下となったシンたち、再会後のぎこちなさにもだもだ。作戦のプレッシャーが息苦しく、明らかになったレギオンたちの挙動の一部が重くもあり、この巻の後半がしんどすぎたから次の巻のじれもだ期待!
この世界の歪さ、それをそれとして受け入れて何を変えようとも思わなくなったシンと、そうであってほしくないと思うレーナのすれ違いが苦しいな……。どっちの言うこともわかるけれど、世界はそんなに甘くはないし、けれど世界がそういうものだと思いながら戦ってほしくないし……。

十三歳の誕生日、赤奏国の皇帝に後宮入りを願い出た莉杏。
ところが謁見の間にいたのは、《正規の手段》で帝位を簒奪し、新たな皇帝となった暁月だった!
莉杏は「ちょうどいい」と皇后にされるが、一緒に寝始めても湯たんぽ代わりのまるで子供扱い。
それでも莉杏が眠れるようにと、暁月は毎夜問題を出してくれて!?
夜毎に夫婦の絆が深まる恋物語!(Amazonより)
後宮入りするために育てられた莉杏。現皇帝の妃の一人になるはずが、政変により新皇帝となった暁月の皇后となる。立場も年齢もそこにいたということからも「ちょうどいい」だけの皇后になった莉杏だが、実直ながら上手く世渡りをしてきた祖父と賢明な祖母の教えを受けて非常に素直、聡明さの片鱗を見せる彼女の魅力に、暁月も周囲もやがて気付き、という、少女の花開く未来を期待してしまうシリーズ第1巻。
莉杏も暁月も周りもみんなちょっとずつ普通じゃなくて、それが人間らしいすれ違いを生むという面白さ。帝位簒奪をしたならみんな万能なんじゃないかと思ったらそんなことはないというのがいい。それを莉杏の子どもらしく素直な視線で見る楽しさと切なさがありました。

