読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
本をこよなく愛する少女リィナは、エルグリッド大陸図書館で働く新米司書。館内では「モグラ」と蔑まれる地階位に入れられてもめげず、先輩司書ジーンにしごかれていた。だが、友人が呪われた「魔本」に捕らわれ、リィナの日常は一変する。図書館には「魔本」と戦う司書——《読解の異能者(リーディング)》が潜むことを知ってしまった上、自分にも特別な力があると告げられ…!?
第9回ビーンズ小説大賞読者賞受賞、異色のダークファンタジー!!(裏表紙より)
受賞作だけあって、すごく優等生な話だったなあ、と思うあたり、なんだか色々自分が毒されている感じがしないでもないのですが苦笑 図書館と呪われた本、という設定が好きな人は好きなんだろうなあというポイントを的確に突いていて、うまいなあと思いました。
面倒見がいいけれど無愛想なジーンと、真面目で一生懸命でかつ友達思いのリィナの、先輩後輩コンビが、今後もっとラブな展開にいくのかというのが気になります。いや、挿絵のリィナ、めっちゃかわいいんですよ! ドレスアップのシーンもあるんですけど、普通に美人だよね!? それでもって、司書(この世界観においての)としての成績も優秀、かつリーディング能力も特別って、すごく……ヒロインです……。
一方で、ジーンがちょっとヒーローっぽくないというか、ヒロインに救われるヒーローポジションなので、もうちょっと男前なシーンをください! と思いました。
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「美貌の双子」として社交界でも名高い、姉のマリエッタと弟のミシェルは、多額の借金を抱えた貧乏子爵家の子弟。体の弱い弟の代わりに、彼になりすまして近衛隊に入隊したマリエッタは、犬猿の仲だった伯爵アレンの部下になる。
そんなある日、突然アレンがマリエッタに求婚を! 「君をいじめたい」がプロポーズの言葉!?
昼は部下、夜は婚約者としての過酷な日々が始まった——!(裏表紙より)
双子の姉と弟が入れ替わる話で、コメディで楽しかった! でももうちょっと入れ替わりでどきどきしたかったよー! もう少しハラハラさせてもらいたかった。せっかく双子で入れ替わりなのに!
勇ましいのにちゃんと女の子らしいマリエッタがとても可愛いです。アレンに膨れた感じでつっかかる印象なんですけど、そういう可愛げがあるのに、乗馬と剣術が好きで腕前もなかなかのものだという。
TLものとしては、ライトなノリでコメディなんですけど、媚薬のくだりはちょっと王道すぎて笑ってしまいました。安直すぎだよー! その後の朝を迎えたところは素敵だったけど!
しかし面白かったです。やっぱりヒロインが可愛いのが良い。
不世出の軍人と誉れ高かった関小玉が、何の因果かかつての相棒で今の皇帝・文林によって皇后にさせられてから1年。
高貴妃の事件からようやく落ち着きを取り戻した帝国に、新たな火種が飛び込んできた。
——「先帝の遺児」の出現。
静観する文林をよそに、宮中には動揺と策謀が広がっていく。そんな中、文林失脚に備え、逞しくも軍人らしく、彼と鴻を抱えての逃走計画を進める小玉だったが、件の「遺児」の秘密を知り……。
小玉の“想い”と文林の“執着”、絡まった糸が導く物語の結末は!?(裏表紙より)
二巻目。相変わらず、思考をどストレートに読む感じの文章が軽快で楽しい。ツッコミ系の文章って、状況が状況だとお腹抱えて笑っちゃうこともあるし、シリアスなシーンでもこう、別の旨みがある感じがする。
もうちょっと夜逃げっぽい話になるのかと思いきや、小玉はやっぱり小玉で、たくましく現実的にことに当たっておりました。軍を率いて駆けつけるシーン、かっこいい……! と両手を組み合わせてきらきらな気持ちで読んでいたら、そのあとの落差な! 乳はみ出させたまま縄打たれてる皇后さまと、それを目の当たりにした皇帝の驚きのシーンに爆笑しました。文林は思わず素に戻ったのか「小玉」って呼んでるし。
今回も非常に楽しい巻でした。続き出て欲しいんですが、この話の落とし所がちょっと遠そうなのが気になるかも。こういう一巻完結の話にするのか、もっと長編にするのか……。個人的には、長編が読みたいかもしれません。
正子が魔作子を殺害した。異常心理による犯行として精神鑑定へ。吹原医師の分析が進むうちに明らかとなる魔作子の奸計。一転、加害者が被害者に。オムニバス形式で描いた深層心理の妙。(帯より)
内容紹介を読むと、ああまたもう一人の自分が存在するやつかと思いきや、同じ読みの違う名前にしてあるのは、ある種の鏡像であるという意味であって、精神鑑定のカルテの内容を話しに仕立てたものだった。これ、今までと趣向が違う上に、人のさりげない悪意を拾っていて、面白いぞ……。
館シリーズの吹原が医師として登場。すでにお医者さんになっているので、今まで読んだ中では一番未来の話かな。つかみどころのない感じが探偵役だなあと思いました。
人気作家である母が書いた原稿を奪われてしまったセシリア。母の担当編集者であるラルフから、代わりに二週間で完璧な原稿を書けと命じられる。小説が大好きで、こっそり書き続けていたセシリアだったが、母のような濃厚なロマンス小説を書くなんて絶対無理! だって恋をしたことすらないんだもの…。だが高級ホテルに閉じ込められ、情熱的なラブシーンを書くための、ラルフの指導がはじまって…!?(裏表紙より)
あとがきで書かれていますが、ヴィクトリアンものでした。ロマンス小説が低俗とか、足首を見せちゃダメとか、髪は結わなくちゃとか。細々したところがいい感じで、ホテルに缶詰にされて作家としての心得を解かれたり、原稿に指導が入ったり、エロスなやりとりがあったりと、面白かった。
強引で俺様なヒーローが、結局ちょっと可愛かったりもして、奔放なロマンス小説家のお母さんとのちょっとしたやりとりや、最後の真相なども面白くて、少女小説とTLのバランスがとても好みでした。
教室内ヒエラルキー上位の「リア充」(=現実の生活が充実している)女子グループに属する小林アン。中学二年生の四月、突然友人たちから無視されるが、同級生の「昆虫系」(=イケてないキャラモノ男子)、徳川勝利の言葉をきっかけに仲直りする。しかし、家や教室に絶望感を抱くアンは、自分と共通する美意識を感じる徳川に「私を殺して」と衝動的に依頼する。ふたりが作る事件の結末とは——!(裏表紙より)
割と死にたい気持ちでいるところにこれを読んで、腹の奥にぐうっとねじ込まれるような重みを感じて、ちょっと生きてる時間を得た、そんな読書でありました。
バスケ部所属リア充女子と、キモ系男子の、誰にも知られることのない秘密のやりとり。それは恋愛ではなく「私を殺して」というオーダーメイド。中学二年生という微妙な年頃の、ダークなものに惹かれるとか、死や殺人やグロテスクなものに興味を抱くとか、そういう言葉でくくりたくないんだけど、自分に秘密の場所を持つ感じ。それを荒らされることの瞬間的な怒りや絶望。すごく、実感する。
私の精神状態があれだったせいで、結末にはちょっと不満も抱いたりしたんですけど、でもきっと後からこれでよかったと思うんだろう。ほんの一時の、でも確かな絶望で死にたいと思ったことを、忘れないでいられることは幸せなことだ。その傷を話せるようになることは、大事なことだ。
「君への罰は俺との結婚だ」稀代の少女騎士・シェリーは、舞踏会で急に口づけてきた王子・ユリウスの頬を叩いてしまう。でも下された処分は意外なもので!?有無を言わせず王宮に召し上げられ、夜毎の褥で甘く激しい愉悦を教え込まれるシェリー。——私、こんなに淫らな身体だったの? 自分の変化に戸惑いつつ、意地悪で優しいユリウスに身も心も蕩かされ惹かれる気持ちを抑えられない。だけどある人物が、彼がシェリーと結婚するのは、愛情からではないと囁いて…?(裏表紙より)
あらすじだけで大体話が分かりますね! 頭を恋愛脳に切り替えるために、久しぶりにTL小説を読みました。男装の少女騎士が、王子様に見初められる話です。
もっとがっちがちに男っぽいのかと思ったら、生真面目な普通の女の子で、そういうシーンでも非常に可愛かったのがびっくりしました。エロいなあ……笑 しかし、ちゃんと戦う人っぽいシーンもあったので、もうちょっとバランスが違っていたらすごく好みだったのに……いかんせんラブシーンが多すぎた。おなかいっぱいです。だがヒロインが可愛かったので良し!
なめ子、住まい美人に変身!
口癖は「掃除は、明日……」。片付けられないから、劣悪な環境で無気力になり、ますます部屋が汚くなる、という負のスパイラルにはまったまま厄年まで生きてきた辛酸なめ子。ある日、輝くばかりのマンションモデルルームに目を奪われ、購入を決意!はたして彼女は「片付けられる女」に変身できるのか?片付けベタを自認するすべての女性に贈る、引っ越しデトックス体験記!(裏表紙より)
もともとブログで書いていたものを単行本化して、文庫化したものなのかな? 部屋の掃除ができないと言いながら、片付けをし、でもできず、引っ越し先を物色し、引っ越しを決め、引っ越すまでの顛末記。やたらとスピリチュアルな方面のことを気にしているのがたいへん気になります。方角が悪いと体調が悪くなるものなんでしょうか。あと、こういう人はなぜ大金を用いて後悔しそうなものを揃えるのでしょうか……。
おばの館へ向かう途中、嵐にあった涼子と哲文は、不思議な館にたどり着く。涼子は、その館の持ち主である波路が、自分のよく知る千波とよく似ていると感じる。そして、導かれるようにして、一人の男が現れた。彼は、波路と結ばれるはずだった運命の恋人で。
館三部作の番外編? だいぶと昔に読んだので、館シリーズのことがよく思い出せないんですが、この前『影の姉妹』を読んだところだったので、こんなに輪廻転生について書いている人だったのか……とびっくりする。構造的には、すごく『影の姉妹』と似ているなあと思いましたし、やっぱり『雪の断章』を書いた人だな、という感じでした。
未来のことを知る女性が、時を超えて三つの家に遺産を受け継がせていく話なんですが、結局その後どうなったのかすごく気になる!
「君たち、世界を変えてみたくはないか?」
オチコボレ男子高に通い、死んだような毎日を送っていた「僕たち」は生物教師ドクター・モローの言葉で突如生き返り、世界を変えるために行動を開始する。その方法は——難攻不落のお嬢様女子高の学園祭に潜入してナンパをすること! 果たして「僕たち」の潜入作戦は成功するのだろうか!? 革命的おバカストーリーが炸裂する、ザ・ゾンビーズ・シリーズ第1弾!(裏表紙より)
生まれや立場が、社会的に弱かったり、恵まれなかったりする男子高校生たちが、周りからは落ちこぼれと見られながらも、仲間とともにそれぞれに革命を起こす話。
無理だと言われることを実現してやろう、と馬鹿をやりながら狡猾に、賢く、事件を解決する。こういう立場の人たちがたくさん出てくる話って、ともすると感想がすごく偉そうになってしまう気がするので難しいのですが、なんだろう、社会的には弱いから、精神的にも身体的にも強くたくましくなるのは当然なんだけど、読んでてすごく不思議な心地よさがあるんですよね。強さがうらやましくもあり、かけがえのない仲間を得ている彼らがまぶしかったり。
からっと書かれているけれど、死に向き合っているところもあって、面白かった。