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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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紅に輝く河 (カドカワ銀のさじシリーズ)
ファスール王国は、神官の託宣が何よりも力を持つ国。ところが、国母の第一王女・アスタナに、「この国に仇なす」「この国を救う」という、全く異なる二つの託宣が下る。結果、なんとアスタナは、同時期に生まれた異母姉妹と、密かに入れ替えて育てられることに——。
十七年後。第二夫人の娘として、男勝りに育ったアスタナは、シーハンからの美しき留学生・サルーと、運命的な恋に落ちる。波乱の王女の青春をえがく、ドラマチック・ファンタジー!(カバー折り返しより)

『碧空の果てに』『白い月の丘で』に続く大平原の国々を描くファンタジーの三冊目。前作『白い月の丘で』から数年の後、前作でもちらりと語られた神託の国ファスールでの物語。
このヒロイン、アスタナが男勝りな上、ちょっと風変わりなところがあって面白かった! 彼女が男っぽくどこか超然としている理由がだんだんと分かってくると、なんだかすごくいとおしく思えてきてしまった。かと思うとやはり支えを必要としている女の子でもあって、サルーがんばれ! と応援をしてしまいます。これから彼女たちの物語がどこかに根を下し、新しい物語と繋がるのかと思うと楽しみ……なんですが、最近銀のさじシリーズ出てないみたいだからなあ……。他の話も読みたいよー。
このシリーズの何が好きかって、前作の人たちがちゃんと自分の成すべきことを成して、よりよい世界を次代へ繋げるためにちゃんと生きていると分かるところなのです。それから今回も赤石の魔除け石が出てきてにやーっとした。
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白い月の丘で (カドカワ銀のさじシリーズ)
ハジュンは、強国アインスに滅ぼされたトール国の王子。ひそかにシーハン公国へと脱出し、過去を捨てて成長したが、十年ぶりに、故国に帰ってくる。アインスに虐げられ、音楽まで禁じられたトールの現状に穏やかではいられないハジュンだが、美しく成長した幼なじみで笛の名手のマーリィと、心通わせていく。しかし、マーリィの元に足しげく通ってくる謎の青年カリオルが、実は、仇であるアインスの王子だと知って——!?(カバー折り返しより)

亡国の王子が故国へ帰還した。王子はシーハン公国へ亡命し、学院長や学院の優秀な先輩、更に強く賢い師に学んで、健やかな青年に成長していた。故国へ戻ってきたのは師に言われて見聞を広めるため。王になどなるつもりはなかったけれど……。『碧空の果てに』の次の話にあたります。……こう書けば上記の私の微妙な説明で誰が出てくるか分かるはずだ!笑 面白かった。
てっきり三角関係でどろどろしていたり、敵国の王子が憎い、という話になるのかと思いきや、やはりシーハンで学んだだけあってハジュンは賢い人でしたし、アインスの王子であるカリオルも気持ちのいい若者で、マーリィを挟んだちょっと切ない三人の関係がいとおしいなと思えました。この話に出てくる若者たちは、つい応援したくなってしまう清々しさがあると思います。
草原の国の、様々な国の変化を書くシリーズっぽいので、主人公たちは新しい時代を担うけれど、一方で変わることのできない大人たちの存在があったり、その国独自の文化や考え方があったりと、変わることの難しさをしみじみ感じる本でもありました。
ドラフィル!―竜ヶ坂商店街オーケストラの英雄 (メディアワークス文庫)
寂れた町に、音楽の『竜』が舞い降りる
 音大を出たけれど音楽で食べる当てのないヴァイオリニストの青年・響介。叔父の伝手で行き着いた先は竜が破壊の限りを尽くした——と思える程に何もない町、竜ヶ坂の商店街の有志で構成されたアマチュアオーケストラだった。激烈個性的な面子で構成されたそのアマオケを仕切るボスは、車椅子に乗った男勝りの若い女性、七緒。彼女はオケが抱えている無理難題を、半ば強引に響介へ押し付けてきて——!? 竜ヶ坂商店街フィルハーモニー、通称『ドラフィル』を舞台に贈る、音楽とそれを愛する人々の物語。(裏表紙より)

おっもしろかったあああああ!! 特大ホームランでした。これはいい音楽もの! ライトノベルなキャラクターに硬派な文体とエンタメな物語で、更に感動があるというすごい話でした。面白かったー……。
一流の音楽教育を受けることができる環境に生まれ育ちながら、天才と凡才で分けるなら確実に凡才の方、という主人公・響介が、町おこし的なアマチュアオーケストラのコンサートマスターに迎え入れられて……というお話。メンバーが商店街の有志なので、商店街の人々のちょっとした問題を解決してみたりとちょっといい話があり、最後にこの物語の始まりとなった響介自身の真実が明かされていく、その最後に至るまでに繰り返される七緒の言葉、「その音楽に、永遠はあるか?」「音楽家なら音で語れ」がもう強烈に響いてきて、本当に本当に面白かった。
職人というか音でも何でも芸術家と呼ばれる人たちの始まりは、きっとこんな風で、そしてこの物語のように大切なものを精一杯抱えて、ひたすらに表現していこうとする人たちなのだ、という実感が染み渡りました。面白かったです。
プリンセスハーツ―恋とお忍びは王族のたしなみの巻 (ルルル文庫)
十年に一度の賭博祭に沸くアジェンセンの公都パールエルム。人々は互いの身分を隠すため仮装し仮面を被り賭博を楽しむ。そして精霊たちも集まるという不思議な祭りに心惹かれたジルとルシード。互いに内緒で王城を抜け出し、夜の祭りに紛れると……。その頃、北の強国オズマニアから若き王子オースが城にやってきた。ジルさえもオースの申し出に翻弄されることに‥‥!? 恋とお忍びの王宮ロマン!!(裏表紙より)

第四巻。オルプリーヌ問題がとりあえず落ち着いたものの、また新しい問題が、という巻。ジルとルシードにちょっとずつ変化が出てきているようで楽しい。特にルシードは、なんだかだんだんかっこうよくなってきているような! ジルが助かるよう祈ったからという理由で、神に勝利を捧げるためにトーナメントに、というところが非常にかっこよかった。
ところでこのシリーズ、変人ばっかか! とのけぞるくらい変な人がいっぱい出ていることに改めて気付いたんですが、よく考えなくてもまともな人が皆無だった。
とりあえず、新しい問題については次巻へ続く。オース王子がまだ微妙に掴めない人物なので、どんなトラウマを抱えているかどきどきします。
途中現れた不思議な子どもは、『銃姫』関係なのだろうか……と思いながら、次巻読む。
乙女の日本史 文学編 (コンペイトウ書房)
上代文学、平安文学、中世文学、近世文学、近現代文学の章に分けて、文学から当時の歴史を見ていく『乙女の日本史』シリーズの第二弾。ちなみに第一弾はまだ読んでいません……。
面白かったなあ! 私は歴史がすごく苦手なのですが、作品を通してみるとぐっと分かりやすく身近に感じられる。平安文学の章が一番好き。きゅんきゅんするわー。
でもこの平安の章を読んでいたら、杉田圭さんの『うた恋い。』ががーっと通り過ぎていった。そういえば二巻三巻買えてないなあ……。アニメ化なんでしたっけ。
小鳥は砂漠に舞い降りた (ショコラノベルス・ハイパー)
事故で両親を失った18歳の菱谷瀬那の前に現れたのは、亡き母の知人だという、中東の王国シハーブの王子カイサル。両親の借金を清算する代わりにシハーブに来いというカイサルに、瀬那はお金のことよりも寂しさから頷いてしまう。だが端整で精悍な容貌、財力とそれに見合う手腕を備えたカイサルは、猛々しく傲慢な悪魔のような男だった。無垢な瀬那は、カイサルが与える過剰な贅沢と、どんなに抗っても許されない夜毎の甘い凌辱が何を意味するのかわからず怯えるばかりで——。愛を知らない砂漠の王子の凶暴な純愛。(裏表紙より)

強引俺様で残酷な攻めが、「小鳥のような受け」(あとがきより)を束縛して酷いことを繰り返す、という、攻めの人が、相手のことをまったくと言っていいほど分かっていない上に、押せ押せ押せ押せの攻勢だったので、今まで読んできたものと感触が違ってなんだか面白かったです。瀬那のことが好きで、贅沢させて、何不自由ない暮らしを与えて、愛していると示しているのに! とカイサルの冷酷さと溺愛、純愛(?)が新鮮でした。そうか、俺様溺愛ってこんな感じなのか。勉強になった。
銀の言いまつがい (新潮文庫)
「がんがらじめ」「リンプインシャンスー」「ヤカンにお湯かけといて」——細かいことは気にしない。「まつがい」だからこそバシッと伝わる、焦りや緊張や思惑や本音がある。正しい日本語を超えた楽しい日本語。※本書は、爆笑、赤面、共感、おもわず拍手、などの含有成分は『金の言いまつがい』と同一ですが、読む方の体質により、より面白くなってしまう場合があります。ご注意下さい。(裏表紙より)

読んで思わず噴き出してしまう言い間違い=『言いまつがい』を集めた一冊。これは絶対に公共の場では読めない。
上記の紹介文にある「がんがらじめ」……私も昔は言えなかったし書けなかったです。パソコンで変換しようとして「あれ? 変換できない……」と間違いに気付いた次第。
収録されているのは、オカン、オトン、会社の同僚の話が多い気がしました。特にオカンの言いまつがいは絶品ですね! 笑った笑った。
時の旅人クレア〈1〉―アウトランダー〈1〉 (ヴィレッジブックス)
第二次大戦終結直後、従軍看護婦だったクレアは夫とともにスコットランドのハイランド地方で休暇を過ごしていた。ある日、地元の人間に教えられてストーン・サークルを訪れた彼女は、突如異様な感覚に襲われ、意識が混濁する。気がつくと、古めかしい衣裳の戦士たちが眼前で戦いを繰り広げていた。逃げかけた彼女を捕らえた男の顔を見ると、夫にうりふたつ。こともあろうに、その男は夫の先祖だった。クレアは18世紀にタイムスリップしていたのだ!
世界中で人気沸騰のロマンティック・アドベンチャー巨編、いよいよ開幕!(裏表紙より)

1945年頃の従軍看護婦だったヒロインが、18世紀にタイムスリップしてしまうというトリップ・ロマンスの第1巻。18世紀の西洋の文化にあんまり詳しくないのですが、細かいところがすごい書き込まれているように感じられてすごく面白かった。クレアは20世紀の看護婦なのでもちろん医療知識があるわけですが、18世紀の民間療法との違いはもちろん、その地方の服装をはじめとした習慣や食事事情、城という場所の風景など、現代とは違うという書き方に本格的なタイムスリップものを実感しました。
1巻はじわじわと進んで、最後に特大の爆弾(ロマンスの)が落とされるわけですが、ここからクレアがいったいどうなるのか全然見当もつかなくて! クレアはとてもたくましくて賢い女性なので、ここからどうなるんだろうとわくわくしています。
オススメされた作品でした。ありがとうございました!
侍ニーティ (ルルル文庫)
父の仕事の都合で田舎のボロ屋敷に引っ越してきたミツコ。だがそこには、何に未練を持って幽霊になったのかも忘れてしまったダメ幽霊が住み着いていた! 「拙者は社会の塵でござる。働きもせず、地縛霊などに甘んじて朝から晩までテレビテレビ…」ニートな侍幽霊に何と恋をしてしまったミツコは…!? 声優との夢のコラボ小説賞「81ルルルドラマチック小説賞」から、審査会で満場一致の大賞受賞作が登場!(裏表紙より)

引っ越し先の家には、どう考えてもニートでしかない幽霊が住み着いていた。幽霊を幽霊社会復帰させるためにミツコは飴と鞭を使い分けて指導していく。
ニートなのでほぼ家から出ません。出ても家の周りだけです。ミツコは今時の子っぽいけれど普通で、けれど周りのキャラが濃すぎる。テンション上げないと消える幽霊ってどんな幽霊だ! スピリチュアルポエムってー!!笑 正体もオチも最初から読めましたが、それでも最後までテンション高めの楽しい物語でした。
この闇と光 (角川書店新本格ミステリ-書き下ろし)
盲目の王女レイアは、父とともに離宮に幽閉されていた。召使いのダフネに密かに虐待され、父を愛し、物語と音楽で世界を育んだ。しかし、ある日その世界はあっという間に崩れ去ってしまう。

前半部分と後半部分でまったく話が変わってしまって、思わずひっと息を呑みました。前半部分では完璧だった世界が、最後の部分でもろくも崩れ去っていく感覚が、ぞっと感じられて。どういうことなの! と思って読んだ後半は、レイアの言うような闇の濃い世界になっていて、明暗がすごくて面白かったです。種明かしはぎょっとした。衝撃的だった。
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Author:月子
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