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妖精が舞い下りる夜 (角川文庫)
人が生まれながらに持つ純粋な哀しみ、生きることそのものの哀しみを心の奥から引き出すことが小説の役割りではないだろうか。
書きたいと強く願った少女が成長しやがて母になり、芥川賞を受賞した日々を卒直にひたむきに綴り、作家の原点を明らかにしていく、珠玉の一冊。
繊細な強さと静かなる情熱を合わせ持つ著者の、人と作品の全貌がみえてくる唯一のエッセイ集。(裏表紙より)

小川洋子さんのエッセイがすごく好きなので……。
小説を書いている日々のことや、受賞までの流れとか、そういうものをずっと読んでみたいと思っていたので、どういう状況で受賞の連絡をもらったという話が面白かった。それから、作家さんが初めて書いたお話の話も面白い。
小川さんの見つめる世界と、小川さんがくみ上げる感情がとても心地いいなあ。紹介文にもあるけれど、哀しみ。哀しみは、けれどほんのすこしあたたかい気がする。感情というそのものが持つ熱みたいなもの。純粋な温度と感触。
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