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神は銃弾 (文春文庫)
憤怒——それを糧に、ボブは追う。別れた妻を惨殺し、娘を連れ去った残虐なカルト集団を。やつらが生み出した地獄から生還した女を友に、憎悪と銃弾を手に……。鮮烈にして苛烈な文体が描き出す銃撃と復讐の宴。神なき荒野で正義を追い求めるふたつの魂の疾走。発表と同時に作家・評論家の絶賛を受けた、CWA新人賞受賞作。(裏表紙より)

まずは読め。
という感じの分厚さと最初のアレなアレ具合に、かなり時間はかかってしまったものの、最後まで読むと、解放されたような、ほっと息をつくような気持ちよさがある物語でした。そうか、こういうのがノワールというのだな……。暴力とか反社会要素がてんこもり。
主人公ボブは、カルト集団に元妻を惨殺され、娘が誘拐されてしまう。娘を取り戻すため、カルト集団の元組織員でありジャンキーの女であるケイスの助けを得て、二人は黒い世界に入り込んでいく。物語の主なところはとてもシンプルでありながら、ボブやケイス、そしてカルト集団の長サイラスといった人物の口にする言葉が読んでいてぐっとくるというか。うまい表現が出ないけれど、真理を言葉でこねくり回して遊びながらも、本質をついてくる感じ。訳が独特でそれもまた世界観を作っていて面白かったなあ。読み始めはしんどいけれど、中盤からだんだんはまってきました。
しかし文中に出てくる単語がピー音が入ってしまうアレな感じでしかも頻出するので読まれる方は気をつけてください。私はこんなにあれやそれやの単語が飛び交う小説初めて読みましたよ……。でも不思議とそんな粘っこくはなくて、重苦しいながらも抜け出せると読んでいる間に分かってしまう話ではあったなあ。訳者あとがきにもあったけれど、妙な清爽感がありました。
勧めにくいけれど、面白かった。かっこよかった。
社会と政治と宗教、すべての世界を超える神は銃弾。この話でこれほどしっくりくるものはなかった。
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