読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

5年生のノブオは、右田先生にしかられ、山おくへかけだしました。道にまよって、林の中の一けん家をたずねると、洋服を着たフクロウが……。いつのまにか、クレヨン王国へまよいこんでいたのです。ノブオは、王国のパトロール隊長として、冒険の旅に出ます。楽しい読み物に子どもの主張をおりまぜた「クレヨン王国」シリーズ2作め。(裏表紙より)
先生と折り合いがよくなく、いじめられているような状態のノブオ。先生は一般的にはいい先生だと言われているのに、ノブオにだけ辛く当たる。その冒頭が辛いなあと思いました。贔屓する先生は確かにいるし、当たりのきつい先生も存在すると、知っているから。
でも先生は何故ノブオを嫌うのかなあとも思う。瞬間的に嫌な態度を取ってしまうのかな。
作中で泣きそうだったのはワレモコウの話。ワレモコウへのいじめはひどい。
クレヨン王国で起こる出来事の数々が現実を暗示させていて、思わず唸るほどうまく描かれているように思えました。うまいとか言いたくないんですが、でも、すごかった。そうなんだ、そうだったんだ、とすんなり納得出来たのです。
明らかな解決は描かれていなくとも、ノブオ自身がクレヨン王国での冒険で成長して、変わったようなのが最後なので、うまくいくといいと祈っています。
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少年ミルンにとって、生まれついての自分の白い肌は、うとましい以外のなにものでもなかった。〈白い子供〉——過酷な砂漠で生きる民たちの間で時折生まれる彼らは、体力的に劣る鬼っ子であり、悪しき伝承によって語られた忌むべき存在でしかなかったのだ。しかし、村が謎の侵略者に襲撃された時、なぜか生き残ったのは、ミルンと、やはり白い肌をもつ少女アジャーナだけだった。突然の破壊と惨殺。敵は何者だったのか、その目的は…。ふたりは真実を知るために、〈柊の僧兵〉を探す旅に出ることを決めた。(裏表紙より)
SFと少年成長物語。面白かった。〈柊の僧兵〉かっこよすぎだー! そして、ひ弱で泣き虫の少年が、己の力を知った時、力強く歩み出す様が眩い物語でした。「みんなとは違う」ことを、ここまであからさまに、強みに描いていても、見下すようなことがないのは、ミルンやアジャーナが本当に知恵者だからなのかもしれません。
侵略者たるネフトリアの正体については、さすが菅浩江さんといった風の、SFならではなグロテスクで危機感を覚える気味の悪いものたちだなあと思いました。時間は他人に使うのではなく自分が楽しむために費やすべき、という台詞が、とても恐ろしかった。
ラストの美しさは素敵だった。最初の方でこれが出た時、きっとキーになるんだと思っていたから、みんなが空を見上げている感じがとても嬉しかった。




桐原真巳は悩んでいた
都と猛がほっそりとしたシャム猫なら
自分は黒くてごついシェパードだ
これで三つ子だなんて本当か!?
真巳が16年間抱えてきた疑惑の渦は
突如として予想をはるかに越え
怒濤のごとき展開を迎えることに
あらわになった真実とは?
とてつもなくパワフル、超マイペースな
家族コメディが新装登場!(1巻裏表紙より)
再読。一度目はルビー文庫版で読みました。全四巻を一気に書いてみる。
あとがきでも仰っているように、恋愛じゃなくてホームコメディです。桐原家の人々の安定した嘘つきぶりというか、我が道を往くっぷりがかっこいい! キャラ濃ゆいなあ。都の人物の作りが、ちょっとデル戦のリィを彷彿とさせて、デル戦も読みたいなあと思っています。
二巻は父親登場の巻。広い学校での学生生活より断然狭い家庭内の方が面白い。どたばたの勢いを超えて、暴れ回っている感じ。
気になったのが、デザインの話。茅田さんはデザインにお詳しいんだろうか。なんだか好きそうな感触が伝わってきた。
三巻、零と麻亜子落ち着くの巻。この巻の話が一番好き。むかつく人たちをぎゃふんと言わせるのが、気持ちよくてたまらない。一方で、破天荒なはずなのに、泣きたくなるくらいみんなが優しい。結婚式が決まってからのどたばた感はいいなあ。いい方向に転がっていくのが分かるからかも。
四巻は桐原家過去編。零が引き取られ、三つ子の時代までに至る物語。すごいテンポで物事が過ぎ去っていくので、ちょっと物足りなくも、しんみりとシリアスでした。
零の考え方が好きです。付き合うってとか、記念日がどうとか。桐原家の人々も、まさに「たくましい」という表現がぴったりくる。気持ちよく、考え方が突き抜けていて、読んでいて気持ちよくありました。

トム・ロングは、はしかにかかったピーターから隔離されることになり、おじさんおばさんの住むアパートにやって来た。退屈な夏休みにうんざりしていたトムだったが、アパートにある大時計が真夜中に十三時を打ったことで、不思議な出来事に遭遇する。
時間をテーマにした作品。私が読んだのはハードカバーなのですが、手に入りやすいこちらを貼ってみる。
ごみごみした街の中、あるはずもない美しい庭園を見ることになるトム。そこで出会ったのは、ひとりの女の子。どうやらトムの姿は誰にも見えないらしいのに、彼女、ハティにだけは見えるよう。
少年少女の出会いと子どもらしい遊び。子どもを振り回す大人の都合が見え隠れしながら、それでも無邪気に遊ぶ彼らになんだかにっこりしてしまう。庭園が、とても素敵。一人でも楽しく遊べるくらい、すごくいきいきとして描かれています。裏庭ってイギリスではかなり重要な意味を持つのかな(例:梨木香歩『裏庭』)
結末はうるっときてしまう。時間と時間が重なり合う瞬間は、とてもいい。

祓いの楽人(バルド)は天分の才。楽を奏でる者であっても「選ばれる」もの。世界の理を正す者。物言わぬ祓いの楽人オシアンと、彼と共に旅するブランは、この世に留められる、あるいは留まる頑な魂を解放し、理を正す者である。ケルト民話・伝説を下敷きにした異世界ファンタジー。
私が読んだのはハードカバー。文庫でも出ているようです。
とても綺麗なお話でした。一話完結、話の語り方は違えど、祓いの楽人オシアンと相棒ブランが、この世に留まった魂を解放する物語です。妖精、悪霊など、幻想の生き物たちがごくごく自然に人間に関わっている土地でのお話。ヨーロッパの妖精物語系でしょうか。
森の緑や湖の青なんかが活き活きと綺麗だなあと思いました。荒野の様子や、家々の様子なんかも、とても温かみのある、自然のままの世界で、こういう場所なら「万物の始まりは楽の音」と言われても全然不思議じゃない。
ハードカバーの、水彩の絵がとっても綺麗なのですよねー。気になってた本だったのですが、2009年冬号の活字倶楽部だったかで紹介されていたので、読んでみようと。とてもいいファンタジーでした! オシアンの謎も、ブランの物語も、まだ語られていないので、もし続きが出るなら読みたいです。

「私が軍服を着ているのは、戦うためだ」伝説のオルディアス艦長に憧れ海軍を目指すロディアは、男より強く女にもてるクールな麗人。海軍学校も首席で卒業にもかかわらず、転属願いを却下され続けていた。しかし金銀妖眼(オッド・アイ)を持つレーン号の艦長・ランセに強さを見込まれ、憧れの海軍に配属される。実力主義で曲者揃いのレーン号は、マディス王国の切り札で——!?
紺碧の海に気高く赤い薔薇が咲き乱れる、海軍出世物語!!(裏表紙より)
あらすじの名前が間違っている……正しくはオルディアレス。
男装の麗人と海軍もの+ファンタジーです。すごーく面白かった! メインの登場人物である士官たちはくせ者ばっかりで、その中でヒロインとしてどう認められていくのか、が焦点かなと思っていたんですが、……めっちゃめちゃ好みのファンタジー要素が介入してきて、嬉しさのあまりにやにやしてしまいました。
主人公ロディアのたらしっぷりもさることながら、それの更に上を行くランセの口説き文句と見まごうストレートな言動の数々。楽しませていただきました。更に剣での戦いあり、船同士の戦いあり、ファンタジーな戦闘もありで、こちらもとても楽しみました。

エディトリアルデザイナーのインタビュー、およびそのデザイン作品を収録した一冊。
インタビューには、岡本一宣、久住欣也、尾原史和、木継則幸、荒金大典、宇田俊彦、福田正典、寄藤文平、高橋千裕。
雑誌、書籍などのデザインをする人のことを、エディトリアルデザイナーというのかしら、と曖昧なくらいに素人です。しかし、書籍デザインはとても好きで関心のある分野です。
2005年刊。古いです。
主に雑誌のデザインの紹介が多かったような気がします。エディトリアルデザイナーになる人へ、というメッセージが、インタビューを受けたデザイナーさんからそれぞれあります。本当に紹介という感じですが、デザインをするにあたっての、それぞれのデザイナーさんの基本姿勢や信念が読めて面白かったです。

宝石を愛する王様の娘であるアリーテ姫は、本を読み、絵を描き、縫い物をし、乗馬もダンスも大好きな女の子。そんな「かしこい」娘では結婚できないと、王様は結婚相手を探し始めるが、宝石に目がくらみ、悪い魔法使いボックスに姫を売り渡してしまった。
ずいぶん昔から好きで読んでいた児童書を、少し前に自分で手にしたので、懐かしくなって読んでみた。短い物語です。
うまくいきすぎて乱暴だなあという展開は、今読むと目につくとしても、この話がとても好きです。主人公のアリーテ姫が、全然お姫様らしくなくて、かっこいいのです。女性の自立や、男性に対する目が厳しい話で、大きくなってから、この話からジェンダーを感じたりもしました。

士官になったランゾットの乗る艦船が入港を間近に控えたある日、彼に衝撃の課題が課せられた。次の南洋への航海の際、洗礼の儀式を受ける他に、何か芸をしなければならないというのだ。それを聞いた彼に蘇った幼い頃の恐ろしい記憶——兄・ウェインが、腰に派手な布を巻いて、世にも奇妙な踊りの練習をしていた姿。”まさか、あれと同じことを自分がしなければならないというのか!?”(カバー折り返しより)
ランゾットとコーアの物語の二巻目。ランゾットが娼婦であるオーリアの元に通うようになる経緯や理由は、ランゾットらしすぎて笑ってしまいました。本当に、いい人物だよなあ、ランゾットって。
士官となったランゾットの航海は、前回よりも血なまぐさくなく、コメディという感じだったのですが(あれの挿絵がついてるとは思わなかった!)、シリアスな本編に関わってくる人たちのようで、彼の活躍がなんだったのか知りたいなあと思ったのでした。
