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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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化物語(上) (講談社BOX)化物語(下) (講談社BOX)
 高校三年生の少年阿良ヶ木暦は怪異に遭遇した。学年でもトップクラスの成績を持つ美少女戦場ヶ原ひたぎには体重がなかったのだ。それまでに二度の怪異に行き会っていた暦はその「お人好し」さを発揮して解決に手を貸す事に。上巻は「ひたぎクラブ」「まよいマイマイ」「するがモンキー」の三編。下巻は「なでこスネイク」「つばさキャット」の二編。

面白い、でも会話がいちいち長くなって少々疲れた。馬鹿みたいに笑えるつっこみとぼけを繰り返すわけで、あとがきを読むにそれが書きたかったらしい。これは若い人が好きだとかちょっと年寄りじみたことを思ったり。女の子キャラばっかりで性格もキャラクターという感じで正直狙ってるなあとびしびし感じた。
短文にして呼吸を置くのが特徴っぽい。
一番好きなのはやっぱり戦場ヶ原なんだけど、神原も羽川さんも好きだなあ。ロリキャラは頂けないので若者たちに好みが偏ってしまう。羽川さんはすごく可愛いんだけどなあ。この子はでもやっぱり主人公と対になるヒロインではないんだなあ。戦場ヶ原はヒロインだと思った、そのデレ具合。
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ページをめくれば (奇想コレクション)
五〇年代アメリカを代表する女性SF作家の短編十一作。子どもと日常的な非日常などを書いた作品を多く収録してある。《ピープル》シリーズ第十三作「忘れられないこと」は、ある女教師が一人の転入生で出会った事で不思議な体験をする。

原文は英語で、訳者がいるはずなのに、テーマや雰囲気など読んだ後のどこか薄ら寒い感じ、影のようなものを見た気がする。喋り方に特に現れていたように思います。
「先生、知ってる?」はすごく好きな作品。「先生、知ってる?」の一言は何かきらきらしたものが隠されているようで可愛いのに、その裏では現実がある、という差が読んでいてすごくいいと思った。
表題作「ページをめくれば」は感動的だった。ページをめくれば誰もが幸福になる。幸福になれると教えは、じいんと響いた。

「もう一度、希望と可能性と純粋の喜びにあふれた輝かしい魔法の朝を、胸をときめかせて迎えることができるとしたら、なにをさしだす? エボー先生はその方法を教えてくれた。わたしたちに約束と希望を与えてくれた。だれだって最後には幸福に暮らせると教えてくれた。だってそう書いてあるから。わたしたちはゆっくりとページをめくりつづければいいの。どうしてそうしないの?」
 「ページをめくれば」より


人生を物語に例えることはあるけれど、こうしてページをめくるという形で表現したこの一編、すごく感動した。
すごーく好きな作品だった。読めば読むほど染みる感じがする作品がたくさんある。
対岸の彼女

人と交わる事を怖れる小夜子は働きに行こうと思うと夫に告げた。小夜子を雇った社長の葵には過去があった。どこに行けるのか、どこに行こうとしているのか。迷えるそれぞれの過去と現在と未来。

じんわりするなあ。小夜子の主婦としての悩みはいつも抱えている人としての悩みのように思えるし、特に葵の過去は藻掻いている様子が痛々しくてでも同調して切なかった。
これだけ痛み苦しみに同調するのは久しぶりかも。葵とナナコの話は切なかった。どこかに行きたくて、どこに行こうとしているのか分からなくて、でもきっとその意識には別の何かになりたいという思いがあるんじゃないかなとか。葵の母親が「何が気に入らないのよっ!」と叫ぶシーンは、私にも同じ事が起こりうるのかもしれないと思うと胸がざわざわぐるぐるする。
小夜子の立場にはまだまだなれないのですが、いつか来るかもしれないという感じがある。
時の竜と水の指環〈前編〉 (コバルト文庫)時の竜と水の指環〈後編〉 (コバルト文庫)
ノーマ・カーに住む薬師ローグの称号を負うために男と偽り暮らす少女アイリは、ある夜モースの若き領主ク・オルティスに従者キサルの傷の手当てのために無理矢理連れてこられた。滞在は延びに延び、武芸大会に同行させられることに。実直で不器用に優しいク・オルティスと過ごす内に、アイリは次第に『自分』に戻りたいと願うようになって……。

大好き! な小説。再読で5回目くらい。
イメージとしては北欧なんだろうか。森が針葉樹林? 鬱蒼とした深緑の森をイメージする。
少女が男と偽っているというのもすごくて、元気な女の子が多い樹川作品の中でこんなに内気な子はときめきポイントに大きく貢献していると思う。青年がまた脳みそ筋肉の唐変木で、これまたときめきポイント。伝説、神話に物語が絡むのも大好きだ。好みが満載なんだ! 一番好きなのは、騎士仲間がアイリとク・オルティスを見て驚くシーン。男同士の仲良しとか、女同士の仲良しとか、この人の書くそれらは無茶苦茶かわいくて面白くてだいすきなんだ。
自分がその場で体験しているような文章が、読むのにテンポを感じられるのかな。
ちょっと盛り込み過ぎな感じもするけれど、綺麗に終わってくれてよし。でも初読の時はもうちょっと見たいー! と思った。でも今はこれでいい……と思うのです。
バッカーノ!―The Rolling Bootlegs (電撃文庫)
始まりは恐らく、不老不死になる方法が、召喚された悪魔から錬金術師にもたらされたこと。
泥棒カップル、イタリアのマフィア・カモッラの人々、警官、不良ども、ホムンクルス、錬金術師、大勢の人々の出来事が積み重なり、「不死の酒」に繋がる1930年代禁酒法時代のアメリカ、ニューヨークでの馬鹿騒ぎ!

妹のお友達からもたらされて妹がジャンル者になったので妹から借りました。
馬鹿騒ぎの名にふさわしく登場人物があちこちに現れて、偶然に出会って重なっていく様がとても面白くて楽しい!
フィーロが好きだなあ。エニスと結婚するのにそんなかかるなんて。初々しい! みんなキャラクターらしくて楽しいな! 愛すべき人たちっていうのはやっぱり良い。
最初に読んだ時はラストのどんでん返しにびっくりしてすごいと思った。今回は再読なので、どれがどう重なるかを確認。金鉱掘るってすでにアイザックとミリアが言っていた。
アニメも見たけれど、アニメはやっぱり完成度が高いと思う。声優と映像の力ってすごい。
そういえば一巻から誤字があって笑った。セラード・クェーツがセラード・クァーツになってたのを発見。更にエニスとミリアもごっちゃになっているところがある。さすが「バッカーノ!」(笑)

アンケートからのオススメでした。ありがとうございました!
朝日のようにさわやかに
五年ぶりの短編集。「水晶の夜、翡翠の朝」「ご案内」「あなたと夜と音楽と」「冷凍みかん」「赤い毬」「深夜の食卓」「いいわけ」「一千一秒殺人事件」「おはなしのつづき」「邂逅について」「淋しいお城」「楽園を追われて」「卒業」「朝日のようにさわやかに」

「水晶の夜、翡翠の朝」はアンソロジーの方に載っていた麦海のヨハンの話。どれも面白い一話完結。「赤い毬」や「卒業」はちょっと分からなかったけれど。
好きなのは「冷凍みかん」。これは短編にふさわしくテーマが笑えるものだし、恩田さんの特徴として底にある恐怖がある。ミステリーとしては「あなたと夜と音楽と」が良い。ラジオ形式っていいな。「おはなしのつづき」はじんわりする。結局どうなったのかというのがちょっと分かりにくかったかな。一番好きなのは「楽園を追われて」だ! 友人の死に遺稿を託された四人は一堂に会してその作品を読む。この大人の疲れた感じが漂っているのに、最後にはみんなこっそり原稿を持ち帰って何かやろうとする希望が良い。
黄昏の百合の骨 (講談社文庫 お 83-5)
大量の百合が花開く白百合荘は祖母の家。だがその祖母が転落死、遺言は理瀬に半年以上この館に住むこと。しかしその家は「魔女の家」と呼ばれており、叔母が二人住んでいた。不吉な事件が起こる中、館の秘密と彼女の闇が浮彫になっていく。

麦海に続く二作目。
これはなんと略すのだろう。植物に関連するタイトルを付けているみたいなのでこの前百合と書いたけれど。
これもまたずっと暗闇の気配を感じる作品で、これは黒のイメージがある。黄昏は少し雲が覆いどんよりとした感じの色。
ミステリーじみた非日常という感じで、底の方にずっと恐いものが潜んでいる感じがある。だからやっぱりじんわり怖いんだな。
理瀬が頭の回る子で怖くなってくる。でも雅雪との会話は普通の女の子らしくて良いなという感じ。あの時思い浮かべたのはやっぱり黎二だろうか。
これ再読してびっくりした。理瀬とヨハンって、えー!? みたいな。それから次回に向けての伏線、それも極太の伏線がどーんと。
三部は現在連載中。一年後ぐらいには単行本になるかな。

アンケートからオススメでした! 恩田陸だいすきなんですよ、私!
麦の海に沈む果実 (講談社文庫)
三月から始まる不思議な学園に水野理瀬は転校してきた。革のトランクとその身一つで、閉じられた全寮制の学園へ。そこには家族から望まれない『墓場』組と望まれる『ゆりかご』組に密かに分けられる生徒たちで溢れていた。学園の駅へ降り立つその時、理瀬は革のトランクを盗まれてしまう。彼女がそれを取り戻す時、新しい物語が始まる。

確か三部作であるというのを見たことがある。これだけで完成されているのでこの本が今のところ一番好きだ。
私の麦海は上品なグレイ。作中に夏や青い丘という表現があるにもかかわらず、灰色の雲や風を見えるのはすごい。ずっと灰色の空気が漂っているような気がする。暗闇と灰色と白の印象がとても綺麗だ。
黎二が、ちょっとやさぐれてても上品な少年というのが良い。憂理もヨハンも聖も好きだけれど、でもやっぱり理瀬が一番好きだ。物語中のちょっと弱気なところ。気弱だけれど芯が強い頭の良い美人な子というのが良い。最後の豹変ぶりが格好いい。
ラストは余韻が残って綺麗だ。始まり方も素晴らしいと思う。

 ――そして、時の花びらを散らす。



という一文で、湿原の道を車が向こうへ過ぎ去っていき、水色の花びらがこちらに向かって飛んできて終わるイメージが浮かぶ。本当にこれはラストが素敵で、これと始まりを読む為に本を開くぐらい。

アンケートからのオススメでしたが、私もこの本だいすきですよ!
鋼殻のレギオス (富士見ファンタジア文庫)
汚染された大地を移動する〈自立型移動都市〉レギオスで生活する人類。そのひとつ学園都市ツェルニにやって来たレイフォンは一般科を希望するが、武芸科に引き抜きされる。しかしレイフォンにはどうしても戦いを選べないのだが。

面白い! ライトノベルで学園ものってやっぱり苦手な印象があるのだけれど、良い!
女の子ばっかりだなーという印象で、男の子の仲良しが欲しいなあと思ったりする。同性の信頼関係が好きなんけどな!
レイフォンのうじうじが何だか良かった。真っ直ぐさは共感するものがあって、見守りたいという母性本能がむずむずする。
戦闘が結構濃い感じがして好きです。発生していることは単純なのに独特の世界があって素敵だ。
この物語、一巻で収めたらどうなってただろうなあとか考えた。そんなことより続き買いますよ!

アンケートからのオススメでした。ありがとうございました!
バカとテストと召喚獣 (ファミ通文庫)
文月学園。そこは進級テストでAからFクラスまでクラス分けされる学校。そして更にその学園を特別にしているのは試験召喚獣を開発し導入していること。Fクラスの明久は教室に嫌気が差し、友人の雄二とクラスメートたちと共に"試召戦争"を始めることに。

これは良いギャグ。ライトノベル! という感じの学園物で苦手かなと思ったけれど、面白い。
試験の点数を召喚獣に換算するというのが意表を突く設定だなと。文字にすると分かりやすくていいな。
Bクラス戦でムッツリーニが来たのに笑った。すごい勢いで興奮ゲージが上がった。そのままAクラスとの対決で何の疑問も持たず読んでいたら、オチがついて爆笑した。そうだよな、おかしいよな! そうだよな!
人間関係のあれは結構べただと思うけれど、ぐいぐい来る勢いがあって面白かった!

アンケートからのオススメでした。ありがとうございました!
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Author:月子
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