読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

五年ぶりの短編集。「水晶の夜、翡翠の朝」「ご案内」「あなたと夜と音楽と」「冷凍みかん」「赤い毬」「深夜の食卓」「いいわけ」「一千一秒殺人事件」「おはなしのつづき」「邂逅について」「淋しいお城」「楽園を追われて」「卒業」「朝日のようにさわやかに」
「水晶の夜、翡翠の朝」はアンソロジーの方に載っていた麦海のヨハンの話。どれも面白い一話完結。「赤い毬」や「卒業」はちょっと分からなかったけれど。
好きなのは「冷凍みかん」。これは短編にふさわしくテーマが笑えるものだし、恩田さんの特徴として底にある恐怖がある。ミステリーとしては「あなたと夜と音楽と」が良い。ラジオ形式っていいな。「おはなしのつづき」はじんわりする。結局どうなったのかというのがちょっと分かりにくかったかな。一番好きなのは「楽園を追われて」だ! 友人の死に遺稿を託された四人は一堂に会してその作品を読む。この大人の疲れた感じが漂っているのに、最後にはみんなこっそり原稿を持ち帰って何かやろうとする希望が良い。
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