読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

伝説の病・黒狼熱大流行の危機が去った東乎瑠帝国では、次の皇帝の座を巡る争いが勃発。そんな中、オタワルの天才医術師ホッサルは、祭司医の真那に誘われて恋人のミラルと清心教医術発祥の地・安房那領を訪れていた。そこで清心教医術の驚くべき歴史を知るが、同じころ安房那領で皇帝候補のひとりの暗殺未遂事件が起こる。様々な思惑にからめとられ、ホッサルは次期皇帝争いに巻き込まれていく。『鹿の王』、その先の物語!(裏表紙より)
ヴァンとユナのその後も見てみたかったのですが、ホッサルとミラルのことも知りたかったので、ああよかった、と思いながら読み終えた外伝。
黒狼熱がヴァンとともに去った後、ホッサルは皇位継承と次期祭司医長の座を巡る争いと対峙する。何故ならそれはオタワル医術の未来を決定づけるものだったからだった。
若主人としてのらくらやりつつ、医術の道を突き進み、しかし祖父のように老獪になることはできず、そんな自分とミラルの将来を思い悩み……という、外伝は天才肌の顔より仕事と恋人と背負うべき同胞の未来に憂える王子様の顔をしているホッサル。どうあってもホッサルの心はミラルにあるけれど、思い切った行動に出そうで出ないところが何だか愛おしい。ホッサルもミラルも大人だもんね、義務から逃げたりしないよね……。
だから本編で清心教医術に関心を持っていたミラルが、外伝ではこういう選択と結末を迎えたのが素晴らしい。さらにしっかりホッサルの隣にいられる資格を得ていったのが最高にかっこよかった。きっとホッサルがぐずぐず会いに来ないのをそういう人だからと笑って待っているんだろうなあ。
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中学生ながらMITレベルの論文を理解できてしまう高嶺清麿は、高い学力が原因でクラスに馴染めずに不登校になっていた。それでいいと思っていた清麿のもとへある日父親が遣わしたという謎の少年ガッシュ・ベルが現れる。記憶を失っている彼は不可思議な言語で書かれた赤い本と、清麿に「友達を作る」目標を携えていた。それは魔界の王を決める、魔物たちの戦いのはじめりとなった。
リアルタイムで見たり見なかったりを繰り返していたものをちゃんと見てみようの巻。このアニメ、もしかして完結までやってないんですね? ブラゴとシェリーと決着をつけずに終わったぞ。
清麿とガッシュがパートナーとして絆を強める初期の楽しい話から、それぞれの魔物とパートナーの話、世界の危機に結びつく魔物とそれを利用しようとする敵対勢力との決戦と、話が進むにつれて深みが増していって、とても面白かった。ガッシュの心の強さに周りが感化されていく展開が熱く、王の座を巡って戦いながら本当に大事なものを守って協力し合う魔物たちがとてもいい。
一番泣いたのはナゾナゾ博士とキッドのエピソード。博士の過去が辛すぎるよぉ……。そんな博士がキッドと一緒に色々なところへ行って戦って、人と出会って、協力し合っていたのは最高に楽しかったんだろうなあ。心が空っぽになって、けれど立ち上がって、最後まで協力してくれるっていうのはアポロもそうだけれど本当に、本当に良い出会いだったんだなあと思えて……。

最強の戦士団「独角」のヴァンは戦いに敗れ、岩塩鉱で奴隷として働かされていた。しかし奇妙な山犬の群れに襲われた岩塩鉱の人間は謎の病で全滅し、ヴァンは幼い少女ユナとともに生きるために旅立った。一方、この山犬を遣わしたのは、ツオル帝国の属国と化した国を救わんとする者の仕業だったが……。
原作とは別物。ホッサルとミラルのやりとりが見たかったんですが、ミラルはいないことになっています。
対象年齢を下げつつ話を時間内にまとめるために、込み入った陰謀はざっくりカットされ、誰が悪いかがはっきりしています。なので原作の、たくさんの人の思いが入り乱れる物語が好きだった人には別物すぎてあまりおすすめできない……。
けれど最後、ユナが鹿の王にたどり着くあのシーン。原作のその後、ユナたちはこうやってちゃんと再会できたんじゃないかなと思えたのはすごくよかったな。
「グッド・ナース」
心臓病を抱える看護師のエイミーは、保険の対象となる期間まで不調を隠して必死に働いていた。ある日病院に新人看護師としてチャーリーがやってくる。有能なチャーリーはエイミーの病気に気付き、親身になってくれるが、しばらくして担当の患者たちが次々に容体が急変して死に至るようになり……。
だいぶ不穏な始まり方ですが、実話をもとにした作品なんですよね……。
明らかに怪しい、有能な新人看護師のチャーリー。彼がやってきたことでエイミーの患者たちが次々に不審死を遂げる。以前彼が籍を置いていた他の病院はチャーリーについてなかなか語ろうとしない。すでに彼が怪しいと睨む警察の捜査は始まっているのに。
病院という場所の悪い体質がめちゃくちゃはっきりわかる。一つの病院だけじゃないっていうのがなんとも。
犯行動機も、なんというか、やるせない。そんなことで殺された方はたまったものじゃない。最近、自分の能力を誇示したいために医療事故を起こしまくっている作品を読んだけれど、そっちもそっちで嫌だし、こっちもこっちですごく嫌だ……。
心臓病を抱える看護師のエイミーは、保険の対象となる期間まで不調を隠して必死に働いていた。ある日病院に新人看護師としてチャーリーがやってくる。有能なチャーリーはエイミーの病気に気付き、親身になってくれるが、しばらくして担当の患者たちが次々に容体が急変して死に至るようになり……。
だいぶ不穏な始まり方ですが、実話をもとにした作品なんですよね……。
明らかに怪しい、有能な新人看護師のチャーリー。彼がやってきたことでエイミーの患者たちが次々に不審死を遂げる。以前彼が籍を置いていた他の病院はチャーリーについてなかなか語ろうとしない。すでに彼が怪しいと睨む警察の捜査は始まっているのに。
病院という場所の悪い体質がめちゃくちゃはっきりわかる。一つの病院だけじゃないっていうのがなんとも。
犯行動機も、なんというか、やるせない。そんなことで殺された方はたまったものじゃない。最近、自分の能力を誇示したいために医療事故を起こしまくっている作品を読んだけれど、そっちもそっちで嫌だし、こっちもこっちですごく嫌だ……。

思春期症候群に陥った梓川咲太をかつて救ってくれた牧之原翔子は、二人いる……思春期症候群の影響で重い心臓病を抱える中学生の翔子は、延命して大学生になった翔子としても存在していた。未来を知る大学生の翔子が生きている理由、それは咲太にとって究極の選択を迫ることになる。
アニメシリーズの続きにして、咲太の恩人である翔子をめぐる思春期症候群の話。
いや、きつくない……? 神様は咲太に試練を与えすぎなのでは……? という今回の思春期症候群。自分が死んで大切な人を助けるか、見殺しにして自分が生きるか。けれどその真相を知った、彼を大事に思っている人は行動に出ないはずがなく、という、だいぶ詰み状態だったよなあ。
けれどそこで立ち尽くす咲太ではなく、麻衣を助けるために行動を起こすところはさすが主人公。大切な人を助けるためとはいえ、まさかその覚悟を決めて飛び込むとは……普通できることじゃないよ……心が強すぎる。だから望む未来を手に入れられたし、恩人を失わなずに済んだのかなあ、なんて思うラストでした。

高校二年生の梓川咲太は有名女優であり学校の先輩でもある桜島麻衣がバニーガール姿で街を歩いているところを目撃する。だが周囲はこんな奇妙な姿の麻衣が見えていないようなのだ。これは都市伝説的に語られている思春期症候群の影響だと判断した咲太は、彼女の存在をこの世から消滅させないために行動を始め……。
あるけれどないものとして扱われている、不可思議な現象を起こす思春期症候群を起こす彼ら彼女たち。主人公の咲太はのらくらとしながらも情に厚く、適切な人を頼りながら、大事な人たちを助けようと動く。
助ける対象が女の子たちなのでハーレムっぽくなるのかと思いきや、咲太自身は恋人一筋なのでかなり好感度高い。煙に巻くような言動をしながら、しっかり自分を持って、頼るべきときは頼って人に相談するのは人間力が高いわ……。
ちょっとした不思議な現象を解決する独特なお話ながら、ああなるほどなあと思う解決法に至ったり、未成年の無力さを痛感させられたりもする、まさに青春もの。あまりに面白くて一気見しましたが、花楓の話は辛かったなあ……よくがんばったなあ……みんなが思いやってくれて本当によかった……と思いました。

現代から戦国時代へとタイムスリップした高校生のサブローは、織田信長にそっくりだったことで彼に託される形で入れ替わり、信長として振る舞いながら平和な世を作ろうとしていた。しかし歴史が覆ることはなく、あの本能寺の日がやってきて……。
ドラマ作品の続きで、完結編。
まったく歴史に興味がなく、織田信長やその最後についてまったく知らないサブローが信長であり続ける危うさにはらはらさせられ、何も知らないからこその掛け値なしの本心で周囲を魅了してしまうことが喜ばしく感じられるも、変えられない歴史の重要点へと向かっていくどうしようもなさが、この作品の面白さかなと思います。
しかし、結構あっさり現代に戻っていったな?笑 全体的に軽く見られる作品にしてあるようなのでまあ……はい……完結作品にするなら落とし所が必要だもんね……。

岩塩鉱を生き残った男・ヴァンと、ついに対面したホッサル。人はなぜ病み、なぜ治る者と治らぬ者がいるのか——投げかけられた問いに答えようとする中で、ホッサルは黒狼熱の秘密に気づく。その頃仲間を失った〈火馬の民〉のオーファンは、故郷をとり戻すべく最後の勝負を仕掛けていた。病む者の哀しみを見過ごせなかったヴァンが、愛する者たちが生きる世界のために下した決断とは——!? 上橋菜穂子の傑作長編、堂々完結!(裏表紙より)
そうなる気がしていたけれど! というヴァンの選択による結末を迎えた第四巻。
やはり見せ場はヴァンとホッサルの会話でしょうか。二人の会話がすごく面白くって、夢中で読みました。どんなプロも、素人の何気ない発言に胸を突かれる瞬間があるのは不変ですね。それがミラルの言う、私たちが個性を持っているということの証だと思う。
けれど必死に生きている人々がいる一方で、それぞれの平和や発展や未来のために動いている人たちの思惑が、なんとも言えず悲しい。そういう力を持ったのならそうするんだ、ということなんだろうけれど。
ヴァンが行ってしまったのが悲しいのに、ユナだけじゃない家族のみんなが追いかけていってくれたのがすごく嬉しくて、希望を感じられる結末を迎えられたのが本当によかった。
統治者たちの思惑から逃れるように去ってしまったヴァンたちだけれど、ホッサルはこの後もそうした陰謀の中で巧みに生きていかなくちゃならないんだよな……。けれど彼は決して生きることを諦めないんだという結末が、本当に素晴らしかったです。

何者かに攫われたユナを追い、〈火馬の民〉の集落へ辿り着いたヴァン。彼らは帝国・東乎瑠の侵攻によって故郷を追われ、強い哀しみと怒りを抱えていた。族長のオーファンから岩塩鉱を襲った犬の秘密と、自身の身体に起こった異変の真相を明かされ、戸惑うヴァンだが……!? 一方、黒狼熱の治療法をもとめ、医術師ホッサルは一人の男の行方を追っていた。病に罹る者と罹らない者、その違いは本当に神の意思なのか——。(裏表紙より)
病を放った首謀者たちとついに遭遇するヴァン、囚われの身となったホッサル。ユナを追ってきたヴァンはホッサルたちと出会う、ついに二つの道が交わった第三巻。
しかしヴァンの遭遇した状況はなかなか辛いな。残っていた身内をも巻き込む形でこの陰謀が動いていると知ってしまった。戦って、人を殺して、死にたいと思ったことがあるヴァンだから彼らの気持ちを理解し、受け止め、自分の答えが出せることの尊さを思いました。排除するのではなく、そこにあると知って認める、きっとそれがいまできる最良のことなんだよな……。

謎の病で全滅した岩塩鉱を訪れた若き天才医術師ホッサル。遺体の状況から、二百五十年前に自らの故国を滅ぼした伝説の疫病“黒狼熱”であることに気づく。征服民には致命的なのに、先住民であるアカファの民は罹らぬ、この謎の病は、神が侵略者に下した天罰だという噂が流れ始める。古き疫病は、何故甦ったのか——。治療法が見つからぬ中、ホッサルは黒狼熱に罹りながらも生き残った囚人がいると知り……!?(裏表紙より)
アカファ王と王幡侯の前で起こった事件から、ヴァンたちの穏やかな暮らしの終わり、黒狼病の発生源を探り始めたホッサルたちに支配層の者たちの思惑が立ち塞がる第二巻。
思わせぶりに登場してここでいなくなるの? という状態だったサエがここで登場。でもなんか変だな? という違和感は続く三巻でわかるわけですが、他にも、登場人物たちにとって「何故あなたが?」という人が次々に登場し、どんどん話が複雑化していくぞ、でもめちゃくちゃ面白いぞ!? とページをめくる手が止まらなかったです。
しかし、みんななにがしかの悲しみと一緒に生きているんだなあ……と思わずにはいられない。当たり前のように死が近くにある。それをみんな当たり前のものとして受け入れているのが伝わってきて、しんみりしてしまうのに力強さを感じる。この物語は生きているって感じがする。