読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
少女は思わず、言葉を発していた。
「あなたが、歩いている姿が、見えます(・・・・)」
一度も会った事のない相手だった。だが、奇妙なことに懐かしさを感じていたまるで過去の自分と再会したような。
すると、車椅子に乗った少年は返す。
「見える(・・・)んだな」
彼は生まれつき、足が不自由だった。それでも、何度も立ち上がろうとしていた。世界を自分の手にするために。
領主継承に揺れる聖地シャイオン。その地で、黒印騎士(シュワルツ・リッター)ジークと旅を続ける聖女——ノヴィアは一人の少年と出会う。それは遠く失われたはずの絆と、新たなる戦いを呼び醒ますのだった……。
書き下ろし長編に連作短編を収録した、衝撃の新章突入!!(カバー折り返しより)
記録から洩れていたので日付変えて突っ込む。
短編が一本と長編が一本。
短編は、ノヴィアが称号をもらうための試験の話。目上の人に対するジークの態度がなんだかかわいい。きっちりした好青年なんだなあ。
対決の話は胸の中にぶわあっと波が押し寄せたみたいに感動した。ノヴィアの覚悟の矢と、その決意。ジークならもしかしたら。そうでなくとも。と考えるのは、ノヴィアがジークを信頼している証なんだな。
長編では、まさか新しく、それも少年が登場するなんて思わなかったのでびっくりした。なんとなく、ジークとノヴィアの道行きには、出会いと別れがあって、こうして深く交流を深めるとは思わなかったから。
レオニスの並々ならない力が濃く描かれていて、愚かに見えることはあんまりなかった。何か大きな流れを作り出す予感があったからかもしれない。ロムルスの「これが命だ」にはぞくぞくした。かっこよかった。
トールとアリスハートの交流は、お約束っぽいけれどなんだか凄惨な印象の話を少しだけ慰めてくれて、和んだ。
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