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夢違 (角川文庫)
夢の映像を記録した「夢札」、それを解析する「夢判断」を職業とする浩章のもとに、奇妙な依頼が舞い込む。各地の小学校で頻発する、集団白昼夢。浩章はパニックに陥った子供たちの面談に向かうが、一方で亡くなったはずの女の影に悩まされていた。日本で初めて予知夢を見ていると認められた、結衣子。災厄の夢を見た彼女は——。悪夢が現実に起こるのを、止めることはできるのか?戦慄と驚愕の新感覚サスペンス!(裏表紙より)

ドラマの「悪夢ちゃん」の原案だということですが、そうでした、あの時間帯のドラマは、原作小説から結構かけ離れた改変をするんだった(という思い込みが私にはあります……)。
時間と場所は特定できないけれど、予知夢をみることができる結衣子。彼女が見た大事故の夢が、彼女自身の最期だった。結衣子が死んでから十二年。夢判断をする職についていた浩章は、結衣子がまるで生きているかのような幻をみる。けれどそれは本当に幻か? 折しも、とある学校で集団白昼夢事件が起こっており……。
どこかのエッセイで「無意識をめぐる冒険」を書きたいということを書いておられたような気がするのを、読み進めていて「無意識をめぐる」というワードが出てきてはっと思い出しました。
現実と夢と、科学では解明しきれない不可思議の出来事が入り混じった、恩田陸作品ならではのもので、終わり方もオープンエンドで投げるといういつものでした。私は現実と夢が融合しきって別世界を構築したのかなあと思ったのですが、「夢違というタイトルから、夢によって未来が変わって、パラレルワールドに移行したんじゃないか」という意見を読んで、なるほどーと思いました。だとすると結衣子は死なず、浩章と一緒にいる未来に、夢が変わり、結衣子は自分の願いを叶えることができたわけだ。
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