読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
遺跡の発掘に情熱を燃やす、トレモア公爵アントニー。修復師として働くダフネは、雇い主である彼に密かに恋している。彼のために休みなく働き、認められるのが唯一の幸せだ。だが、あるときアントニーがダフネのことを「竹節虫」で「背景のようだ」と評するのを聞いた瞬間から、ふたりの立場が逆転した。仕事を辞めるというダフネを引き止めたアントニーは、やがて優秀な修復師としてしか捉えていなかった彼女の魅力に気がつく。そして運命の雨の日、アントニーが見たのは味気ない眼鏡と作業エプロンを取り、雨の中で立ちつくすダフネの菫色の瞳の美しさだった……。去ろうとするダフネと引き止める公爵。ふたりの間に甘い火花が飛び散——。リタ賞&ロマンティックタイムズ・ブッククラブ特別賞受賞の実力作家、日本初登場!(裏表紙より)
駆け引きがとても楽しくてセクシーなロマンス小説でした。冴えない眼鏡とひっつめ髪で必要なこと以外は口にしない(口ごもってしまう)ダフネ。公爵という立場から人を従わせることに慣れている傲慢なアントニー。主人と雇い主であった二人が、恋の駆け引きをしてやがて婚約するに至るまでの道のりが、まあ本当にたいへんで!
ダフネが頑なになる理由がわかるけれど、アントニーがんばれ! っていう気持ちもあって大変でした。しかし女性に対して冴えないということを陰口叩くのはいくら公爵でもいけないよなあ。しかし雨にあたる彼女を見て、世界が変わったように彼女が浮かび上がるっていうシーンはたいへんエロティックでロマンティックでした。さぞかし綺麗だったんだろうなあ。
社交界の出来事が雑誌や新聞で激しく書き立てられる時代のお話だったけれど、ダフネなら公爵夫人になっても乗り切れるだろうな!
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