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サイモンの災難―クラッシュ・ブレイズ (C・NOVELSファンタジア)
サイモンはどきりとした。
校門から出てきた少年の一人がサイモンを一瞥し、すぐに視線を外した。他の少年たちとまったく同じ仕草に見えたが、決定的に違っていたからだ。
その鋭い視線はサイモンを貫き、サイモンの心の奥底までを一瞬で見透かした。
「きみ!」
一見したところ物憂げにさえ見える、それでいて深い知性を感じさせる、冷たく整った抜群の美貌。
「きみ、映画に出てみないか?」
「警察に通報されたくなければ、ここがどこなのかよく考えてから話したほうがいい」
この警告にサイモンは歓声を上げて喜んだ。
サイモンが無謀にも声をかけたことで事件は起こ——いや、未然に防がれたのかも知れない。その奇妙な事件は…(裏表紙より)

新人映画監督が作品を作ろうとしたことによって、事件が発生。ヴァンツァーが関わってしまったことによって、天使たちに怪獣夫婦まで加わってしまい、大騒ぎになってしまう。映画(演技)といえばこの人でしょう! というわけで、ジンジャー・ブレッドの回でもあります。
こう思うと、スカウィ組もやっぱりチートだよなあ……。ジンジャーと怪獣夫婦の絡みが好きだ。
作中の「彼女の作為」は「薮の中」みたいな話だなーと思った。もっと恐かったのは、サイモンの母親の話でした。うん、こういう人、いるよな。
挿絵も映画を撮っているということで凝っていて、最後の挿絵恐い! ジンジャー恐い! でも飴と鞭がたまらない! 好き!
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