読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
夢と希望。情熱とプライド。愛と敬意――何度でも心震える『ハケンアニメ!』のサイドストーリーを完全収録。(帯より)
本編中の主要以外の登場人物のエピソードであったり、本編後の話であったり。ハケンアニメとは別のところでアニメに対する思いを持って仕事に関わる人たちの話。
彼女たちはあのとき、まだその日がくることを知らない。「九年前のクリスマス」
若かりし頃の王子と『リデルライト』の音響監督の五条の出会いを描く「声と音の冒険」
アニメも漫画も禁止されていた太陽。塾通いで友達ができた彼は、捨て猫の飼い主を探して瞳の部屋にたどり着く。この世界は繊細さがないと言われて、初めて見たアニメは。「夜の底の太陽」
フィギュアやガチャガチャを作るブルト社員の逢里は、仕事で大失敗したその日憧れの原型師に出会う。「執事とかぐや姫」
シーズンごとに新作が発表されるアニメがある一方、子どもたちに愛され続けて何十年と続く長寿作品もある。そんな長く愛される作品を作る人々の物語。「ハケンじゃないアニメ」
本編の後、また次の仕事に挑む彼ら彼女ら。いつかあの人と、いつかあの人を、という思いを胸に。「次の現場へ」
「声と音の冒険」の、尖ってばかりでプロであることが難しかった王子と成長した姿に泣く。みんなで作るってそういうこと。
「ハケンじゃないアニメ」は忍たまっぽいなあ。長く愛され続ける長寿アニメの苦悩と喜びに感動し、長く続けることのすごさに納得。
そして本編後「次の現場へ」は、チヨダ・コーキの『V.T.R』の話が出てそうそうそうだったと思っただけだったので、環が出てきたことに「出るんかい!」って笑っちゃった。まあこれほどチヨダコーキ作品に救われた彼女が彼にまつわる仕事に妥協を許すはずがなく。
物づくりというのは苦しみも悲しみも怒りも含めて本当に良いものだ。最後まで本当に楽しかった。
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