読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
優しい同級生として有名だったナベちゃんが結婚するが、その嫁がヤバイらしいという噂が流れてくる「ナベちゃんと嫁」。国民的アイドルグループの一人となった教え子が母校を訪ねてくるという。かつて彼の弟の担任だった佐藤は……「パッとしない子」。成人式の写真に写っている彼女の着物にまつわる不思議と、完璧な子育てと母と子どもの話「ママ・はは」。時の人となったかつての同級生に取材を申し込んだ早穂だが……「早穂とゆかり」。四つの短編集。
あわよくば誰かと恋人関係になりたかったかつての同級生の男子、その彼が結婚するという。その嫁は少々普通ではない。連絡手段を限定しようとしたり女友達を排除しようとしたりする嫁だというのだ。
国民的アイドルになった教え子のことを「パッとしない子だった」と周囲に話していた教師。
いじめではないと言いながら相手のことを面白おかしくいじっていたライターの早穂。
彼女たちは当事者にはどのように思われていたのか。胸がきりきりするような「噛み合わない」人たちの四つのお話。もう痛くて痛くて……。
「自分の側からは見えない」という噛み合わなさを描いた作品群ばかりで、視点人物のほとんどが「私は正しい」と主張してくる痛々しさもそうだし、子どもの頃のあやまちをあやまちとも思っていない現在と、時が経ても癒えない当事者の傷のこととか、読んでいて辛かった。
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