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想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)
土用の入りが近づき、澪は暑気払いに出す料理の献立に頭を悩ませていた。そんなある日、戯作者・清右衛門が版元の坂村堂を連れ立って「つる家」を訪れる。澪の料理に感心した食道楽の坂村堂は、自らが雇い入れている上方料理人に是非この味を覚えさせたいと請う。翌日、さっそく現れた坂村堂の料理人はなんと、行方知れずとなっている、天満一兆庵の若旦那・佐兵衛と共に働いていた富三だったのだ。澪と芳は佐兵衛の行方を富三に聞くが、彼の口から語られたのは耳を疑うような話だった——。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第三弾!(裏表紙より)

あっという間に一年が経とうとする頃、天満一兆庵の若旦那に繋がる手がかりが。しかしそれは、若旦那が吉原遊びにのめり込み、その上、遊女を手にかけたという驚くべき話。しかし、澪も芳もあの若旦那が、と思い、けれど否定しきれずにいる。
澪の周りにたくさんの人の輪が出来たなあというのを実感する三巻でした。本当に困った時、いろんな人が集まって助けてくれるのは、澪が身を尽くして料理を作り、喜んでもらいたいと願うからなんだろう。頼りにしてしまう自分を縛めるところもあったりして、澪がしゃんと背筋を伸ばして、成長していくところがうかがえて嬉しいです。
小松原さまの素性もちょっと分かってきたような、な感じなので、二人の仲がどうなるのか、どきどきします。
今回は風邪っぴきの絶食後に読んでいたせいか、美味しそうで仕方がありませんでした。梅土佐豆腐とふわり菊花雪が食べたい!
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