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坊っちゃん (新潮文庫)
松山中学在任当時の大家員を背景とした初期の代表作。物理学校を卒業後ただちに四国の中学に数学教師として赴任した直情径行の青年”坊っちゃん”が、周囲の愚劣、無気力などに反撥し、職をなげうって東京に帰る。主人公の反俗精神に貫かれた奔放な行動は、滑稽と人情の巧みな交錯となって、漱石の作品中最も広く愛読されている。近代小説に勧善懲悪の主題を復活させた快作である。

読書が趣味と言いつつも実は近代文学はあまり読んだことのないという……なので読んでみた。
非常に文章が軽快だと感じた。読みやすい。
ただ、非常に文章と行動に齟齬を感じるというか、考えているだけで実行に移さないところがあるように思えたので、無鉄砲というわけではないんじゃないかと考えた。色んなことに苛立ちを覚えて、理不尽だと感じたりして、かといって大声を上げるわけでなし。最後の赤シャツと野だに対する成敗は、二人だからやったわけで、一人じゃやらなかったんじゃないかと思ったり。坊っちゃんは本当は臆病者なんじゃないかと。『坊っちゃんの時代』という文庫を読んだけれど、そこでは漱石の臆病さというか、神経質な面が描かれていたと思うので、そう思って重ねてみると、やっぱり本当は坊っちゃんは臆病じゃないのかと考える。
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