読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
極秘裏に暗殺者を養成しては各国に派遣する組織、そこに所属する凄腕の殺し屋・エージェント47は、その日もターゲットを仕留めた。任務終了と思いきや、ターゲットは生きており、しかも反抗の現場を娼婦ニカに目撃されてしまう。ニカを始末しようとするも、47は彼女に何かを感じ取り、情報を得るために生かすことにするが……。
ゲームはちょっとだけ知っている、という状態で見ましたが、47役の俳優さん、めちゃくちゃいいですね。はまってますね。
成功したはずのミッションが完了にならず、というところから始まる殺し屋もの、王道を突っ走っていて安心して見ていられました。あとやっぱり登場人物がかっこいいなあ。現実に寄せたキャラクター造形ってリアルにすればするほど陳腐なときがあると思うんですが、これはぴったりな感じがしてよかった。
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龍の力を借り。龍を守護する「龍の歯医者」を置く龍の国。龍の歯医者である野ノ子は、ある日龍の歯から敵国の少年兵ベルを救い出す。敵国の人間、しかも凶兆で生き返った人間であるベルは、見習い歯医者として野ノ子の弟子となった。しかし様々な思惑が絡み、野ノ子とベルは龍や国が脅かされる事件に巻き込まれていくことに……。
龍の守護をするのが「歯医者」で、龍を脅かすのが「虫歯菌」という独独特な世界観で、和風の国と洋風の国の異なりや人々を描く作品。映像の美しさや描き方はスタジオカラーの作品だなあという感じで、とても味があっておしゃれ。ストーリーも含みがあって、説明しきらないところがこのアニメと合っているなあ、などと思って見てました。
「龍の歯医者」たるには龍の存在が必要不可欠で、みたいな、すべてのものが相手を支えて、またそれを誰かが支えて、みたいな循環が面白いよなあ。
ヨーロッパ最高峰と謳われたグランド・ブダペスト・ホテル。名高きコンシェルジュ・グスダヴを目当てに大勢の富豪が集まっていた1932年。とある資産家・マダムDが死去し、グスタヴとベルボーイのゼロはマダムの屋敷に向かう。そこでグスタヴはマダムからの遺産を譲り受けるが、これがきっかけでマダム殺害の容疑で逮捕されることになってしまった。
ユーモアと風刺の効いたコメディ作品。色彩や構図が華やかで、こういう美的な作品でコメディなのは見ていて心踊ります。荒唐無稽な展開につい笑ってしまった。皮肉ったような色々がまた味があって好きだ。また建物や室内に土地柄が表れていてとてもいい。戦争の気配を感じつつも、豊かになった人たちが楽しそうに生きて、それにまつわる事件に巻き込まれるなんて、時代の良さを描いている気がしてちょっとほっこりする。
そうして、シンデレラは王子様と幸せになり、意地悪な義姉は罰を受けて死んでしまいました。めでたし、めでたし――。
ある日、魔法使いの青年フィンと出会った伯爵家の次女デイジーが知ったのは、物語の悪役のような一年後の未来だった。彼女の死はフィンの魔法のせいで、彼は悲惨な未来を回避しようと、同じ一年を繰り返しているというのだけれど……。原因が妹に無関心だったせいって、意味不明すぎる!? でも、妹と仲良くすることで未来が変わるなら、まずは妹の生態調査に行ってきます!
運命を覆すために奮闘する姉と魔法使いのラブファンタジー!(裏表紙より)
シンデレラに無関心だったがために、魔法の影響で死んでしまった二番目の姉デイジー。だがその魔法を使った魔法使いフィンの「逆行」の魔法により、フィンはデイジーが死なない未来のために同じ一年を繰り返していた。そして六回目、デイジーはわずかながら前回の記憶を持ち、フィンと協力して魔法から抜け出す術を模索する。
童話モチーフにループもの。ぎっしり詰まった活字にうっとりしながらも読みました。読み応えがあって面白かったです。デイジーのしっかりさと可愛らしさが突き抜けていました。その分エラと王子は若干だめな人たちでしたが……。
黒湖さんの作品、これが初読みなんですが私の感覚的な問題だろうけれど「」書きの後に()で心の声が続くの、ずっとなので読みづらかった……。
商店街の脇道に佇む古ぼけた一軒屋は、年齢も職業も異なる人々が集い、手作りの料理を共に食べる“共同台所”だった。イジメに悩む女子高生、婚活に励むOL、人生を見失ったタイ人、妻への秘密を抱えたアラ還。ワケありの人々が巻き起こすドラマを通して明らかになる“すみっこごはん”の秘密とは!? 美味しい家庭料理と人々の温かな交流が心をときほぐす連作小説!(裏表紙より)
とある一軒家で、レシピノートに記載されたものをくじ引きで選ばれた人が作る共同台所めいた場所「すみっこごはん」。いじめられている女子高生がその場所を見つけるところから始まり、みんなが彼女を見つける話で終わる、温かな連作短編集。
なんですが、これ、楓の問題が解決しきっていないのがめちゃくちゃ気になるなあ。拠り所を見つけた彼女は強くなったかもしれないけれど、問題が残ったままなのはちょっと。続きで読めるのかなあ?
大学生の栗坂まもりと、お隣に住む亜潟葉二は恋人から婚約者に!葉二からのプロポーズを受け入れ、卒業後はまもりも神戸で暮らすと決めたのだ。
次は結婚挨拶にお互いの実家へ。さっそく栗坂家を訪ねて、年末には亜潟家へ向かう……って、行動が早いですね葉二さん!
同時に、まもりは二人の暮らしと目指す仕事の両方を叶えるため、関西で再び就職活動に挑むことに。
神戸のおいしい食材と料理で、気合いは充分——と思いきや、亜潟家での結婚挨拶にも、就活戦線にも異状が発生!?(裏表紙より)
両実家にご挨拶と、神戸での事務所立ち上げに就活。
就活ものは読んでいてきついものがあるのですが、これはどちらかというと楽に読めました。まもりとの付き合いも長いからかなー。大丈夫、君なら頑張れる! っていう信頼感が楽しく読ませてくれたのかもしれない。
両実家へのご挨拶というシチュエーションはめちゃくちゃ楽しい。亜潟家の人々が楽しくて、他人の家庭を覗き見ているみたいで面白かった。
二人の距離も近くて、恋愛的にもほのぼのしました。早く結婚しろーと思われているのに笑ってしまった。本当に早く結婚しろー。
名ばかりと噂の第15代王・韓眞を新たに迎えた太陽宮に仕える宮廷女官の李明花。没落した一族に頼らず、持ち前の明るさで女官最高位への大出世を目指すが、上司に目の敵にされていた。そんな時、宮中で美麗な武官に出逢い、奇妙な取引きに応じてしまう。すると翌朝“承恩尚宮”―王の側室候補になるよう命じられ、王の秘密に迫ることに!?嫉妬と陰謀が渦巻く宮廷で少女の決意が国の歴史を変える―運命の韓流ファンタジー!(Amazonより)
おおーおもしろー!! 韓流な世界観の少女小説、めちゃくちゃ相性がいいなあ!
没落した元貴族階級の少女は、針の腕で出世を目論み、上役の冷たい仕打ちに耐えながらも日々を過ごしていたある日、お飾りの王と出会い、側室候補に任じられる。実権を握る大王大妃からこの国を取り戻すためには彼女の力が必要で。
細々としたディティールが世界観を表現していてすごく面白かった。ミョンファがすごくいい子で、貴賎や自らの振る舞いについて考え込むところなんかも葛藤が描かれていてすごく感情移入しやすかった。あと政争に敗れた人間は悲惨に処罰を受けるのは、勧善懲悪ですごくわかりやすい。
ミョンファがどうやって正妃になるのか知りたかったけれど、続きはないんだな……。
とても面白かったです。
田舎町に引っ越してきたクリード一家。新しい家の隣には事故にあったペットを埋葬する墓地、ペット・セメタリーがある。飼い猫のチャーチが亡くなり、まだ死を理解できない幼い子どもたちに内緒で、遺骸を墓地に埋めるルイスだったが、翌日チャーチは、異臭を放つ姿で蘇ってきて。
屍を埋めると死んだ者が蘇る墓地。だが戻ってきたそれはまったく別の何か。
禁忌の術に触れてしまったがゆえにそれに取り憑かれる恐怖と悪霊の存在・うーんとても80年代90年代。この時代のホラーは面白い。信仰が深いがゆえに描かれるものがあって、様々な情報を手に入れることができる現代にはない空気感が漂っている。
あとやっぱりキングは偉大。絶対起こってほしくないことが起こるんだもんなー。動物と子どもがひどい目にあうのはきつい。そしてエンディングの明るさが、無情で滑稽。センスある……。
東京都心から少しはずれた街の一角に、時代に忘れ去られたかのような洋館がある。そこに間借りして探偵事務所を開く男の名は、猪目空我。彫りの深い顔立ちの美丈夫だ。開業して数ヶ月、なんの実績もなく依頼者は限りなく少ないが、猪目は『名探偵』という自らの運命的な職業にも、雰囲気ある屋敷に格安で住めている現在の生活にも、すこぶる満足していた。ただし彼の大家である幼いお嬢様が実は『死者』で、彼女に寄り添う美形執事の正体が『死神』だったりはするのだが……。
ハリボテ探偵と自称エリート死神の“やりなおし”ファンタジー、カーテンコール!(裏表紙より)
最後の最後がすごくロマンだった。うわーそういう感じでファンタジーぶっこむのかおもしろー!! とぞくぞくしました。
前回と比べて今回は、死者とカーテンコールが主軸となった謎解きめいた話が多かった気がする。不気味さはあんまりなくて、おどろおどろしさがコメディに昇華されたような。どちらにしても時限爆弾を求める少年にお葬式を見せたり、この世に起こった出来事を知りながら、最後の人類と関わる、というぞくっとする怖さはあって、やっぱりすごく面白かったです。