読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
「カニーニとカニーノ」
サワガニの兄弟カニーニとカニーノは、優しいトトと暮らす三人家族。ある日大嵐が遅い、トトはカニーノを助けて濁流に飲まれてしまう。トトを探して、兄弟は旅に出るが……。
スタジオポノックの短編映画。幼い兄弟が父を助けるべく、大きな冒険をして一回り成長するお話で、15分ほどで短いながらもものすごくきちんとしたストーリーだなあと思いました。立派な成長譚ですね。
台詞の数はそんなに多くはないけれど、その少ない台詞に表現されているものや、登場人物の動きや表情で伝わるものがあって、すごくいい短編アニメだと思いました。
「サムライエッグ」
幼い頃から重度の食物アレルギーを持っているシュンは、特に卵に反応が出てしまう。何度か救急車で搬送されることを繰り返し、小学生になったシュンは、ある日母が不在の間に、それと気付かず卵が使用されているアイスクリームをうっかり食べてしまう……。
短い作品に、重度の食物アレルギーを持つ子どもとその親、周囲の理解度、対応などがしっかり描かれていて、なんかこう、涙が出てしまいました。本人も親も辛いよなあ。治したいって、すごく遠い道のりだと思うけれど頑張ってほしいし、みんなと同じものが食べられるようになるように祈りたい。
「透明人間」
いつも通り朝の支度をする青年、けれど鏡に映っているのは身にまとった衣服だけ。透明人間の彼は誰からも存在を認識されず、存在しないかのように周囲は動く。そんな状況に嫌気がさした彼は、自らをつなぎとめていた錘を捨てようとして……。
トーンが暗めで、少々重たい話。自らの存在を証明するものは何もないことの恐怖や不安が、街の風景に現れていて、最後にぱあっと明るくなった風景がすごくよかったです。
PR
年老いた発明家によって生み出された人造人間エドワードは、発明家が亡くなったことにより、両手が長大な鋏のまま取り残されてしまった。だが化粧品のセールスに訪れたペグが彼を憐れみ、家に連れ帰ったことで、エドワードは外の世界に触れることになり……。
人と異形の交流。幼少期に見たきりだったんですが、改めて、すごくしっかりしたお話だな……と思いました。いま描くと結末など色々と変わるところもあるんだろうけれど、当時の空気感でこういう作品を作ったなら間違いなく傑作だと思います。
加熱し暴走する周囲や、彼を利用する人々。親愛を寄せてくれる人たち。そういう配置がすごく美しい。おとぎ話めいた雰囲気と現代のお話であるという絶妙な混ざり具合が好きすぎる。ここぞというシーンの美しさや描き方がすごくいい。
いいものを見た。
サノスによって宇宙の人口の半分が消滅し、地球からもまた、ヒーローたちを含む大勢の人間が消滅した。月日は流れ、残されたアベンジャーズチームはかろうじて地球を守りながら、大切なものを取り戻そうと足掻いていた。そのかすかな希望にかけて、残されたメンバーは最後の戦いに身を投じる。
めっっっっっっっちゃくちゃ、面白かった……。三時間もあったの? あっという間だな! もう一回観たい! という気持ち。ちょっとかじっただけの私でこうなんだから、マーベル作品を追いかけてきているファンの人たちは感無量だっただろうなあ。
ネタバレはしない方向で行きたいので、詳しくは書きません。
幸せってなんだろう。それを守る人たちの思いって。大切なものを守るってどんなに難しくて素晴らしいことなのか。たくさんの思いが詰まった素晴らしい作品でした。戦闘シーンもめちゃくちゃかっこよかった!
めっっっっっっっちゃくちゃ、面白かった……。三時間もあったの? あっという間だな! もう一回観たい! という気持ち。ちょっとかじっただけの私でこうなんだから、マーベル作品を追いかけてきているファンの人たちは感無量だっただろうなあ。
ネタバレはしない方向で行きたいので、詳しくは書きません。
幸せってなんだろう。それを守る人たちの思いって。大切なものを守るってどんなに難しくて素晴らしいことなのか。たくさんの思いが詰まった素晴らしい作品でした。戦闘シーンもめちゃくちゃかっこよかった!
二十九歳の黒木さやかは寿退社したその日に、婚約者の和也の浮気を知り、婚約破棄。このままでは生活できない! と会社に戻ろうとするが、配属されたのは売れっ子雑誌「riz」だった。個性的すぎるやり手編集長の宇佐美から「三十歳までに結婚できなければクビ」を言い渡された挙句、婚活コラムを連載することを命じられたさやかだったが、仕事を通じてある出会いがあり……。
結婚こそ女性の価値のすべて、みたいな前半に若干違和感があって、ドラマとしては面白いんだけどなんだかなあ……と思っていたんですが、最終的に「私が養ってあげるから」という台詞はかろうじてブレイクスルーにつながった……? と感じられたので、セーフかな……。
あとさやかの決断力のなさと迷いっぷりがどうしようもなくめんどくさかった。いくら元婚約者でも向こうの誘いに乗るのはだめだし、むしろ接触するなよって感じで。うーんでも、さやかの迷いは世の迷える女性と共感するのかな……だめんずを引きずる人たちにとってあるあるなのかも?
終盤は自分の人生を決める内容で、海外に暮らすことや安定性を欠くかもしれないと決断を迷う悩みはよくわかる。最後に自分から踏み出したのもよかった。
居酒屋「のぶ」の正面入口は、なぜか異世界に繋がっている。古都と呼ばれるその街には中世ヨーロッパのような、しかし全く別の文化が息づいていて、そこに住む衛兵たちや貴族、聖職者、ギルドのマスターなどが、今日もこの居酒屋の暖簾をくぐる。彼らは今まで味わったことのなかった“トリアエズナマ”という冷えた酒に驚き、未体験の料理に舌鼓を打つのだ。新感覚の異世界グルメファンタジー。(裏表紙より)
連作短編集。謎の居酒屋「のぶ」を訪れる人々の視点から、謎の「タイショー」と給仕の「シノブ」が出す料理を美味しく味わうグルメもの。
話が進むにつれて「のぶ」が古都に根付くように、しっかり異世界と関わってしまう事件も起こったりして、楽しく読みました。食べるものへの執着はすごいというか、人に愛される店ってすごいなあとか、いろいろ思ったけれど一番は居酒屋料理は本当に美味しいよなあということでした。揚げ物、食べたい!
「ぶたまん」の響きは、聞いたそばから耳がとろけそう——新大阪から乗り込んだ新幹線の中でその人気を見せつけられ、すがすがしい五月の夕刻には浅草でどぜう鍋をつつき、数十年ぶりに実家で食べる金色の栗ごはんに胸が弾む秋。どんな時でも読めば食欲が湧いてくるエッセイ76篇を収録した文庫オリジナル。 解説・伊藤比呂美(裏表紙より)
食べ物に関するエッセイ集。だいたい2〜3ページで一本なので、読みやすくはあるんですが、えっその後はどうなったの!? と気になるところが多く、もっと読みたい! と思いました。
夜中に読むと本当にお腹が空く。お昼に読んでも「今日のお昼ご飯はそば、いや、豚を炒めて……」なんて考えてしまう。
続刊行決定!! の注目シリーズ第二弾。千年王国では、二十歳を過ぎれば嫁き遅れ。規格外ヒロインのクリスティーナ、通称・骨董姫ことクリスと訳あり侍女(♂)のステファニーちゃんが大活躍の連作短編ミステリー! 今宵も華麗なる千年王国、プルーリオン公爵領メリーディエスの街は平和ながらも賑やかなようで……? クリスが欠伸まじりに観劇に向かったのは、本物の「ガラスの靴」が使われているという噂もある、話題の歌劇『シンデレラ』。しかし上演開始直後、劇場は暗転!? 煌めく「ガラスの靴」が姿を消してしまい……? 『ガラスの靴より輝く靴(リアル・ジュエル・スリッパー)』より。/あろうことか骨董姫を狙ったスリの少年を、ネームレス・ジャックと名付け公爵城に迎えることになったクリスだが……? 『我が麗しの若き騎士(マイ・フェア・ボーイ)』より。「かたや睦言」「かたや脅迫」W王子からの求婚ラブコメ『ガラスの靴はいりません! シンデレラの娘と白・黒王子』の少し前のお話――。(Amazonより)
電子オリジナル。『ガラスの靴はいりません!』の前日譚で、クリスとステファニーが領内の事件を解決する連作短編集。謎解き要素があったり、クリスの賢さが際立っていたり、お裁きが清々しかったりと、面白かったです。
クリスが本当に頭のいい女性なんだなあと思いつつも、自堕落っぷりが羨ましくてならない笑 いや、ちゃんと考えてぐうたらしているんですけど、ここまで清々しく「公爵家を途絶えさせるために放蕩します」とやりきる覚悟があるのはすごいと思います。
有能侍女のステファニーちゃんは、クリスに夢中なんだなとわかるところもあり、このまま二人で突き進んでいってほしい。