読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
豪邸に暮らし、毎夜パーティを繰り広げる、謎の富豪ギャツビー。彼の友人だったニックは回想する。彼の過去。何のために巨万の富を築き、誰のためにパーティを開くのか。それは「すべてをやり直すため」だった。
絢爛豪華、派手ではちゃめちゃな話かと思いきや、風刺や哀愁に富んだ切ない恋物語だった。ギャツビーの視点ではなく、親友からの視点で彼のことを語っているというのがめちゃくちゃいい。当事者でないからこそ見える、ひたむきさ、悲しさ、尊さってあるよね……。富と栄光、そればかりを守って大事なものを見失った人たちの中で、確かにギャツビーはその生き様やまっすぐで不器用な心が「グレート」だったなあ……。人生とか成功を面白おかしく書きたてて騒ぎ立てる人たちの中で、大事な人にだけ本当のことを伝えて、そういう人たちを軽蔑して距離をとっていたギャツビー。悲しいし、愛おしいし、切ない。でも本当はギャツビーも含めたみんな、形のないものばかりを見ていたのかもしれないと思うとな……。
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