読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

あらゆる物事を深刻に考えすぎないようにすること、あらゆる物事と自分の間にしかるべき距離を置くこと——。あたらしい僕の大学生活はこうして始まった。自殺した親友キズキ、その恋人の直子、同級生の緑。等身大の人物を登場させ、心の震えや感動、そして哀しみを淡々とせつないまでに描いた作品。(裏表紙より)
最後まで影を感じる作品だったなあ。うまく読めた自信がないんですが、途方もない、茫漠とした世界に取り残されているような気持ちになって、どうしよう、と思ってしまった。
何が自分を自分たらしめるのかとか、うまく自分の思いを口にするにはどうしたらいいのかとかを、うまく誤魔化しながら生きている感じに気付いてしまった瞬間、直子のようになってしまうのかもしれないなあ……。うまく社会に適応するかそうでないか、という話のように思えました。傷付くものなのだと肯定してくれてはいるんだけれど、うまくはいかない。もやもやしたものを抱えながら読了。
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暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルグ空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの「ノルウェイの森」が流れ出した。僕は一九六九年、もうすぐ二十歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱していた。――限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。(裏表紙より)
村上春樹を読むのは久しぶりだ、というわけで『ノルウェイの森』を。
当時大学生になった僕ことワタナベトオルは、親しかった友人キズキをなくし、彼と幼なじみだった直子と交流を持っていたが、関係を持ってすぐに彼女は姿を消し、山奥の療養所へ行ってしまう。
センチメンタルというのか、埃っぽくて白い光が見えるようで、鬱屈した雰囲気がなんとも。これどこに落ちるのかなあと思いながら上巻を読み終えました。

これは「浪費」ではなく「愛」なのです。
あんスタ、同人誌、若手俳優、声優、宝塚、お笑い、乃木坂46、ディズニー、V系バンド、ホスト、コスメ……オタク女性の真実がここに!
◯◯クラスタと呼ばれている人たちが、どれだけその沼に浸かっているか……を、どれだけお金を溶かしたかという話を交えて記す、エッセイ集です。元は同人誌で削除された部分があるらしく、その削除された部分がとても面白そうなので同人誌版もめっちゃ読みたい。
ともかく、廃課金勢や、実際に会いに行ける推しにお金を注ぎ込む人など様々な人たちが登場。本を作った動機が「あの人、あんなに推しにつぎ込んでどうやって生活してるんだろう……?」というところだったというので、うんうんと頷きました。みんなどんだけ貯金と手取りがあるんだ? って思うよね!
桐生戦兎 / 仮面ライダービルドは、スマッシュの目撃情報を受けて現場へ向かうが、そこにこの世界には存在しないはずのバグスターウイルスの変異体・ネビュラバグスターが現れる。ビルドと共にネビュラバグスターに立ち向かった万丈龍我 / 仮面ライダークローズは謎の戦士・カイザーが操る装置・エニグマによって平行世界へ転送される。
龍我が転送された先はスカイウォールが存在せず、宝生永夢 / 仮面ライダーエグゼイドたちが存在する世界だった。しかし、龍我がいる地球が次元の穴を通って戦兎がいる世界の宇宙に送り込まれてしまう。そして24時間後に2つの地球が衝突するという事態に陥る。(Wikipediaより)
龍我が転送された先はスカイウォールが存在せず、宝生永夢 / 仮面ライダーエグゼイドたちが存在する世界だった。しかし、龍我がいる地球が次元の穴を通って戦兎がいる世界の宇宙に送り込まれてしまう。そして24時間後に2つの地球が衝突するという事態に陥る。(Wikipediaより)
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ヘルヘイムに侵食されているはずの沢芽市で戦っていたはずの紘汰は、不思議な少年に会った直後、何故かサッカーに沸く沢芽市にいることに気がついた。そこではアーマードライダーの力を使ってサッカーの試合をしているらしい……。死んだはずの裕也の姿もあり、混乱する紘汰だったが、そこへあのときの不思議な少年、ラピスが現れ……。
コラボ映画ではなく鎧武単独の作品。
鎧武本編は全話履修済みです。
何故サッカーなのか、と思った覚えがあるんですが、異世界と重なる街だから、まあ……。
冒頭のサッカーシーンの「えーっ」って感じは、中盤になるにつれてかなりシリアスな話運びになったのはさすがだなあという気がしました。お馬さんに乗って本物のライダー(騎手的な意味で)になったのはかっこよかったです。それから全員集合は熱い! 壮観! さすが映画! って感じでした。

アクロバット飛行中の二人乗り航空機。高空に浮ぶその完全密室で起こった殺人。エンジェル・マヌーヴァと呼ばれる宝剣をめぐって、会場を訪れた保呂草と無料招待券につられた阿漕荘の面々は不可思議な事件に巻き込まれてしまう。悲劇の宝剣と最高難度の密室トリックの謎を瀬在丸紅子が鮮やかに触き明かす!(裏表紙より)
飛行機ショーで起こった殺人事件。パイロットの一人、西崎杏奈と知人である練無はもらったチケットを阿漕荘の面々に譲って観覧していた。一方、保呂草はエンジェル・マヌーヴァの行方を捜索する依頼を受けて、各務亜樹良と接触。ふたつの事件が緩やかに交わる状況に。
さくっと謎解きが行われて、こんな軽い読み口だったかなあなんて思いましたが、わかりやすくて面白かったなあ(ちょっと謎が残されている感じがあるけれども)
「そうよ。好きな人が教えてくれることって、もの凄くしっかり頭に入ってしまうものなの。一度聞いただけで絶対に忘れないわ。だから、もししっかりと覚えたいことがあったら、人でも本でも、その相手を好きになることね」(p.133)

山田正紀と恩田陸。多ジャンルで活躍する二人の人気作家が、名作エンターテインメント小説を読みまくり、語りまくる。題材は、半村良、アシモフ、小松左京、S・キングなど。自分だったらこのテーマをどう描くか、という実作者ならではの議論も白熱。後半ではついに、それぞれの自作、『神狩り』、《常野物語》シリーズも俎上に…。読書家必読の、プロ作家によるブックガイド対談集。(裏表紙より)
読書記録を付け始めるよりも前に読んだ、ような気がするんですが(単行本は2007年1月刊)記憶が定かでない。
有名なSFをほとんど読んでいないんだなあとわかる読書でした。前半は取り上げるものの関係でSFについての語りが多い印象なんですが、作品がわからないので注釈がついていてもなかなか読み進めるのに苦労しました。
スティーブン・キングや萩尾望都について話しているところを楽しく読みました。キングもちょっとしか読んでないからこれを機会に読もうかなあ。
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逃げるようにしてエゾノーにやってきた八軒勇吾。しかし飼育した豚の豚丼との別れをきっかけに少しずつ思いを変え、仲間とともに学校生活を送る。馬術部の副部長になった後はすぐ文化祭。生来の人のよさであちこちの手伝いをする八軒だったが……。
馬術部の副部長になる話から、八軒のお母さんがエゾノーにやってくるまで。
しみじみ、面白いなーと思いながら全部見てしまった。みんなそれぞれ夢があって、現実との難しさに直面しながら頑張ってるんだよな。この作品で面白いと思うのは、生き物を相手にした経験のある人たちばかりが揃っているからか、大人たちが「見守る」ということを自然としているところなんですよね。やってみなさいと言って、見守る。無理ならサポートする。八軒のいいところは、失敗したときに自分を立て直すために思考すること。父親との確執の部分はまだまだ全然柔らかくなりきっていないけれど、多分大丈夫だろう。親と必ず理解しあえるわけじゃないんだから、いい付き合い方を覚えればいいと思う。
楽しかった。
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高校受験に失敗した八軒勇吾は、逃げるように大蝦夷農業高等学校、通称エゾノーに進学する。ほとんどが農業や畜産をやっている家に生まれた子どもたちが通う高校で、カルチャーショックを受けながら学校生活を送る八軒。しかし実習や周囲との交流を通じて、食べることや生き物について考え始める。
原作はある程度まで読んでいます。第1期は豚丼とベーコンの話まで。安定して面白いって素晴らしいことだよなあ……と思いながら安心して見ていました。
高校生活はすごく大変そうなんですけれども、得るものもたくさんあって人生観が変わるだろうなあと想像する。農業や畜産業がすごく難しい仕事で、経営がたいへんで、でも人の生活のために必要なものであるということが、少しずつ重みを増して感じられてくるよなあ。
原作も楽しくてアニメもすごく面白いので、アニメを見ていると原作も読みたくなってくる。
あと食べ物がめちゃくちゃ美味しそうなので、ピザの回はお腹が減って仕方がなかったです。

トスカーナの伯爵家に生まれ、何不自由なく暮らしていたマティルダ。しかし父の死を契機に運命は変わり始める。度重なる身内の不幸、襲いかかる苛酷な現実。絶望にうちひしがれそうになるとき、彼女を救ってくれたのは、いつも修道士イルデブランドだった。
幼き日の初恋は、やがて揺るがぬ想いに深化する。「カノッサの屈辱」という歴史的大事件に秘められた真実の愛を描く、ヒストリカルロマンの新たな傑作。(裏表紙より)
ヒストリカルロマンを読むなら榛名しおりさんだよなあ、と思いながら読む。「カノッサの屈辱」に関係する、ひとりの女伯マティルダの幼少期からその日の出来事までを、少女の過酷な運命と恋に絡めて描いた一冊です。
必ずしも恵まれた人生であったわけではないけれども、マティルダは自分にとって誰がいちばん大切かを揺らぐことなく持ち続けられたことで戦えるのだなあと感じました。否応無しに領主になり、しかも本人はその重責を当然のことと受け止めている印象なのが、寂しくもあり眩くもあり。