読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

美しい庭園オーブランの管理人姉妹が相次いで死んだ。姉は謎の老婆に殺され、妹は首を吊ってその後を追った。妹の遺した日記に綴られていたのは、オーブランが秘める恐るべき過去だった——楽園崩壊にまつわる驚愕の真相を描いた第七回ミステリーズ!新人賞佳作入選作ほか、異なる時代、異なる場所を舞台に生きる少女をめぐる五つの謎を収めた、全読書人を驚嘆させるデビュー短編集。(裏表紙より)
本屋さんで紹介文を読んで、「これは絶対に面白い」とアンテナがぴんと立ったので読みました。私のアンテナ、ちゃんと働いてる! めっちゃくちゃ面白かった。
とある庭園の管理人姉妹の謎の死の真相を解く、表題作「オーブランの少女」。イギリスの古い時代に医者が殺人に手を染める「仮面」。大雨の日にやってきた客はいったい何者なのかという「大雨とトマト」。女子校でのとある少女の謎と事件を描く「片想い」。極寒の地に流れ着いた首のない死体から始まる、架空帝国の物語を描く「氷の皇国」。どれも素晴らしかったですが、少女小説っぽさですごく素敵だった「片想い」と、厳しく過酷な帝国での、野心を秘めた残酷な姫君の振る舞いを主軸にした「氷の皇国」だけで、この本は素晴らしかった……と思いました。もちろん、表題作もすごく面白かった。
歴史がちゃんと下敷きになっていて、かつファンタジーもミステリーも好き! という人は楽しめるのではないかなー! いい本に出会った!
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山野内荒野は十三歳。父と、家政婦の奈々子さんと、鎌倉の家に三人で暮らしている。恋愛小説家の父は、常に女性の気配をまとい、まるでかげろうのよう。中学生になった日、電車の中で助けてもらった少年に恋をする。
第一部、第二部は、少女が背伸びしつつ成長する物語だったのですが、書き下ろしの第三部が、かなり「女」の物語の気配を帯びていて、書くものが変わった感じがするなあ、と思いながら読みました。この作品は、甘酸っぱくて苦しい青春小説の部分が好きだったので、最後に感じが変わったのは、ちょっと残念だったかもしれない。けれど、それが荒野の成長を描いたものとして意図的に書いたものなら、うまい、なあ。視線の運び方、立ち居振る舞い、台詞、全部がちゃんと自立した大人になってるんだもの。
面白かった。

出生に謎を持つ美少女・アンナは、深い森の古城で何の不自由もなく健やかに育てられた。育ての親で城の主、ジュリアン・ザビエル侯爵は「奇病に冒されている」ため、滅多に外出もせず、食事はワイン1杯のみ。ジュリアンの正体に疑念を抱くアンナだったが、成長するにつれ彼の深い愛情にどうしようもなく惹かれていき——!? 一方、軍部の謀反により混迷するスワンドールでは、王族の唯一の生き残りがいるという噂が流れて——!? 時をも越えるラブストーリー、剛しいら待望の新作いよいよ登場!!(裏表紙より)
吸血鬼と、彼に拾われ赤ん坊の頃から育てられた少女のラブストーリー。ヒロイン、アンナは、実は王族。謀反による王家の人々が殺され、両親もまた逃亡の最中に亡くなってしまったところ、心優しい吸血鬼ジュリアンに拾われる。
登場する人物が結構多くて、この話、かなり深くて広い設定があるんだなと感じられるところがありました。イパネラ女王とか、ブルムの過去とか、いろいろ。
サブキャラクターとして登場する、アンナの家庭教師イボンヌの立ち位置がすっごくいい! ラストでそう登場するとは思わなかった。

日々の生きるつれづれ、創作の裏側、大好きな本や映画のこと、「児玉清さんのこと」をはじめとした敬愛する人びとのこと、ふるさと高知のこと、etc.
デビュー書籍刊行前の2003年〜現在までの、想いがこもった全94本+小説2編。
『塩の街』『空の中』『海の底』が刊行されていた当時の、創作の裏側やインタビューなどについてもあり、東日本大震災が起こったときのこともあり、かなりの数のエッセイが収録。
短編も収録。「彼の本棚」は面白いなー! 続き読みたい。同じ本を読んでる人に会うってロマンだよなー。
震災について、ふむふむと読んでいたら、4月15日、熊本地震が起こる。
ただあのときとは違って、みんなツイッターの使い方に気をつけているし、デマにも敏感だし、広めなければならない情報を取捨選択するのに慣れた感じがする。自粛が何も生まないということをみんな知って、いつも通り暮らそうという人たちもいる。ドラマや番宣は、特番の影響で変更になってしまったけれど、でも、あの頃よりは、『いつも通り』が許される環境になったような気がする。

退屈な日常から抜け出したいと思いながら毎日を過ごすシニカル男子・野々村。
ある日、彼は美人で成績優秀、ゴシップが絶えない謎多きクラスのアイドル・月森葉子のノートを拾う。そんなアイドルのノートからはみ出した紙切れには彼女のイメージとは程遠い言葉——「殺しのレシピ」という見出しが書かれていた。思わず持ち帰ってしまった彼は翌日、月森に探し物がないかと尋ねるが、彼女からは「いいえ」という返事。そして数日後、彼女の父親が事故死する……。
第16回電撃小説大賞《最終選考作》、ついに登場!(カバー折り返しより)
『完璧』な美少女、月森葉子と、彼女に疑いを持った主人公、野々村。野々村の問いかけをきっかけに、葉子がつきまとい始め、野々村は葉子が家族を殺したか否かを考え始める。
「殺しのレシピ」というか、殺人計画を発見して、というのは確か緑川ゆきさんの短編にも同じような話があったな、と思い出しましたが、この『月光』は少年向けラノベテイストで、主人公の思考とシンクロするようにして読むのが楽しいですね。登場人物も振り切れてるところがあって、現代物ってそういえばあんまり読まないなあと思いました。
謎解きの部分は、んー? と思うところはありましたが、ダークな終わり方で面白い余韻だったなあ。

新米新聞記者の英田紺のもとに届いた一通の手紙。それは旧家の蔵で見つかった呪いの箱を始末してほしい、という依頼だった。呪いの解明のため紺が訪れた、神楽坂にある箱屋敷と呼ばれる館で、うららという名の美しくも不思議な少女は、そっと囁いた――。「うちに開けぬ箱もありませんし、閉じれぬ箱も、ありませぬ」謎と秘密と、語れぬ大切な思いが詰まった箱は、今、開かれる。(裏表紙より)
国が開かれ新しい世がやってくる、時代の物語。
女性たちの物語でした。年齢も立場も、全部違う、さまざまな女が登場し、それぞれの立場を語る。一貫しているのは、「女として生きること」について問うということ。ちょっとした謎解きと、怪談めいたものと。こういう、文学っぽいようなテーマを用いたエンタメを書くのが、紅玉さんは上手いなあ!
紅玉さんらしい文章のリズムを残しつつ、ラノベっぽくないというか、ずいぶん読みやすい文章になっているように思いました。

城から隔離された塔で、閉じ込められているかのように暮らしている忌み姫・オルウェンと、その執事・クラウス——彼らには、他人に知られてはいけない秘密の役目があった。オルウェンは異界へとつながる<扉>を胸元に宿し、クラウスは扉を開く<鍵>を左目に宿す。契約によって結ばれた主と僕として、異形の存在を扉の向こうに封じるため戦い続けてきたふたり。しかしその関係が次第に揺らぎはじめて……!?(裏表紙より)
二人きりの閉じられた世界に暮らす、繋がれた二人の物語、という印象でした。
〈扉〉を宿す姫・オルウェン。〈鍵守〉のクラウス。二人は、この世の異形ダリウスと戦い、彼らを扉の向こうに封じる役目を持つ。その結果、幼い頃から二人で暮らし、二人で過ごし、二人で戦ってきた。その暗さと歪な関係性、閉じられた世界。
そこから出て行こうとするオルウェンと、本当は彼女を自分のものにしたいクラウスの、精神的な攻防がはらはらどきどきでした。その結果、再びつないだ絆はまた新しい形をしていて……しんみりと、よかったなあと思える話でした。世界が開くって、いいな。

シャロンはラウールとともに、ローランスに戻っていた。それは、ラウールの社交界復帰の噂を生み、権力の行方を囁くことになる。だが、噂を知らないシャロンは、自分に護衛がつくことを不満に思っていた。そんなとき、ラウールがかつて愛した女性の妹・コレットが、恋を叶えるためシャロンに協力を求める。真剣なその想いにシャロンは協力するが、彼女のかわりにコレットがさらわれてしまい!?(カバー折り返しより)
シリーズ3巻目。結婚式のためにローランスに戻ってきたシャロンとラウール。国王陛下に謁見し、先だっての反乱の燻りが二人を襲い……という巻です。
二人の仲がだいぶとまろやかになった感じがしました。シャロンはこうなんだ、ラウールはこうなんだ、というようにお互いがちゃんと認識した感じがします。そして高まる糖度! シャロンの賢さは読んでていて気持ちがいいです。
とっても面白かった! 前シリーズ(ブローデル国物語)は1巻目しか読めていないんですが、ちゃんと読もうっと。

絵本作家さんのインタビューや、有名人が選ぶ絵本、その他名作絵本をざっとまとめたブックガイドです。120ページ程度の本なんですが、どういう絵本が長く読み継がれているのか、名作と呼ばれているのか、代表的なものなのか、をさくっと知るにはいい本かなと思います。さほど内容に触れていないので、本当にざっくり。
絵本のおやつを作ってみようというページがあって、『ちびくろ・さんぼ』のホットケーキタワー、『ぐりとぐら』のフライパンカステラ、『はらぺこあおむし』のカップケーキ、『バーバパパのジュースづくり』のフルーツジュース、『ぐるんぱのようちえん』の大きなビスケット、『ヘンゼルとグレーテル』のお菓子の家のレシピあり。フライパンカステラ作りたい!