読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
直径7〜8センチの小石に秘む謎。色は何色にも見え、ぼくが持つと、まるで地球全体を握っているかのように重く冷たい。ところが、友人が持つと実に軽く熱いのだ。しかも、石を手にすると友人は、全ての悩みを忘れて陶酔してしまう。ぼくはひどく興味をそそられていた……。
そんなある日、友人は、その石を握ったまま突然自殺してしまったのだ。僕は石の謎を追求しはじめたが……。
”ぼくらは何のために生きるのか?”若者が抱くこの永遠の命題をテーマに描く、甘くせつない青春の光と影。栗本薫の衝撃の問題SF。他に「黴」「BURN」併録。(折り返しより)
永遠の刹那を望む者が触れると、その意識をその時間軸に閉じ込めてしまう「時の石」を手に入れてしまった少年の、青春の影を浮かび上がらせるような短編「時の石」。
原因不明の黴によるパンデミック、滅んでいく世界の中、たった一人偶然に生き残っていく女性が登場する「黴」。
世界が混沌としたものに変貌し、どうやら一人取り残されてしまったらしい男が生きる「BURN」。
「BURN」はとても、「アイ・アム・レジェンド」を思い出します。ゾンビじゃないし、すごくサバイバルってわけでもないのですが、生き残った男と、偶然出会った狼(野生のもの)、サバイバーである女性とコミュニティ、というモチーフが揃っている。けれど、ここで主人公が出す答えは、なんというか、あんまり外国で見るような終わり方じゃない気がして、面白いと思いました。すごく現実的で、地に足がついているような。
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