読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

亡命していた門閥貴族派の残党が、帝都オーディンに舞い戻ってきている——ラインハルトの元にもたらされたその報告の裏には、「黒狐」とも呼ばれるフェザーン自治領主ルビンスキーのある策謀が隠されていた。フェザーンと手を組むことに同意したラインハルトは、潜入した貴族たちによる、幼帝の誘拐と同盟領への亡命を黙視。一方の同盟最高評議会は、これになんら疑問を抱かず、政治的なプロパガンダとして利用することに終始する。そして、ラインハルトによる苛烈な宣戦布告が自由惑星同盟にとどいた……。(裏表紙より)
帝国パートがメイン。今度こそ自由惑星同盟攻略を目指すラインハルトは、ついに皇帝を追い出す(と書くと身もふたもないが)ことに成功し、自由惑星同盟はまんまとその策謀に乗ってしまう。一方、ヤンはその思惑を察知しつつも、ユリアンを手放す事態に陥って。
ラインハルト陣営は、舞台か! ってくらいきらきらーっと華やかなんですが、私が好きなのはヤン陣営です。あの生活能力がない人が、いやだいやだって言いながら活躍するのが好き。
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失業中サラリーマンの恵太が引っ越した先は、家賃3万3千円の超お得な格安アパート。しかし一日目の夜玄関脇の押入れから「出て」きたのは、自称明治39年生れの14歳、推定身長130cm後半の、かわいらしい女の子だった(表題作「押入れのちよ」)。ままならない世の中で、必死に生きざるをえない人間(と幽霊)の可笑しみや哀しみを見事に描いた、全9夜からなる傑作短編集。(裏表紙より)
最初にくる「お母さまのロシアのスープ」がものすんごい衝撃的だったので、息を吐く。これで終わるのかと思ったら、もう一回転した。すごい。
この人の書く女の人は、ちょっと気色悪い人が多いなーというのと、男の人の悲哀を感じさせつつもちょっと滑稽な立場がうまいな、というのを感じました。
「お母さまのロシアのスープ」と「しんちゃんの自転車」が好きです。
幽霊にまつわるちょっといい話あり、妖怪じみた恐ろしい話あり、と、ぞっとしたりじわっとしたり、いい短編集でした。

幼いころ、記憶をなくして森でさまよっていたところを、王子サミュエルに拾われた少女リル。サミュエルは、そんな彼女を猫として飼い始め、溺愛するようになる。森の奥深く、訪れる者のほとんどいない離宮で、いつしかふたりは互いの身体に溺れるようになるのだが……。リルの過去を知る者の出現で、優しかった王子の様子が豹変し——!?(裏表紙より)
ソーニャ文庫って執着系TLレーベルでしたっけ。それにふさわしい、ダークでエロで、可愛くって可哀想な話でした。こういうエロは好きだ。
女の子を猫として飼う王子様。猫のふりをする女の子。二人だけの閉じられた世界に、国が戦争で負けるであろうという終わりと、女の子の過去を知る者が来訪する。最後まで夢見がちに狂っている、可愛くって可哀想な二人。執着系の名に違わぬ物語で、単純に愛され系じゃなかったのが面白かったです。

アラフォー、負け犬、女子力皆無。趣味は読書で仕事も読書。増え続ける体脂肪と減り続ける貯金に怯え、ひきこもりに拍車がかかる。そんな“だらしな書評家”が、日常の悩みや疑問を、クスリになる本の紹介と共にスッキリ解決! 共感&驚愕たっぷり、迷える女子人生の小さなバイブルになる、痛快エッセイ。〈文庫オリジナル〉(裏表紙より)
「FRaU」2002年3月12日号から2004年7月13日号に連載されていたものを加筆修正したもの。読んでびっくりしました。全然、古くない……。時事ネタはありますが、本の紹介も話題も、読みやすいしするっと入ってきてびっくりしました。
一回に、テーマに沿った三冊の本を紹介するエッセイ。日常の謎小説、青春小説、デブのためのデブ小説など、持ってくるテーマが身近かつ面白い! 紹介される本も、今も手に取りやすい話題の作家さんで(今、そういう書き手さんになっている方ばかりだというのが、すごい)、ああ、これ読んでみたい! と強く思いました。

査問会に出頭を命じられたヤン。その隙をつくようにして、イゼルローン要塞の目前に、巨大な人工球体が出現した。それはラインハルトが跳躍によって送り込んできた帝国軍要塞ガイエスブルクだった。要塞対要塞——壮絶な戦闘は、互いの主砲による攻撃の応酬からはじまった。司令官ヤンの不在を隠し、防御に徹する同盟軍に、ケンプ率いる帝国軍は容赦なく襲いかかる。そして皮肉なことに、帝国軍侵攻の知らせは、査問会の中止をもたらした。解放されたヤンは、帝国軍を撃退すべく、急ぎ戦地へと向かうが……。(裏表紙より)
同盟国パート。この巻ではラインハルトはほぼお休み。ここで話はいったん終わった風で、次なる大きな事件に繋がっていく様子。
ユリアンの才能が後世になんらかの功績を残すらしいことと、結局君たちどうなのという、ヤンとフレデリカが実は周りにもそう思われているらしいことが、癒しでした。結局結婚するのかなーどっちがプロポーズするのかなーということを期待しつつ、続きを読む。

グーテンベルク革命から五世紀。電子の端末が膨大なコンテンツから美しい「ページ」を開くこの時代、あなたにとって「本」とはいったい何か。それはいかに変貌するのか。書店・古書店・図書館・取次・装丁・編集、そして練達の書き手・読み手の位置から、鋭いアンテナの持ち主たちが応える——本の過去と未来を俯瞰する三七のエッセイ。(カバー折り返しより)
電子書籍という形態が読まれるようになって、紙の本はどうなるか、というのをそれぞれの立場から書いたもの。紙の本は滅びる、という人もいれば、紙の本は消えない、という人もいる。
電子書籍では、今どこを読んでいるのか、話が残りどれだけあるのかが分からない、というのになるほどなあ! と思いました。確かの小説なんかは特に、残りのページ数で話の終息地点を想像するよね……。
あと、学生に、雑誌を作りなさいという課題を与えて、グループで作らせたもののことを書いている長谷川一さんという方のエッセイで登場した作品に、おおっと思いました。確かに、新しい形が生まれる可能性もある。未来の子どもたちに、本の絵を描いてみましょうと言ったらどうなるか、ということを冒頭で書いていらして、確かに、電子書籍が一般的になると、みんな端末を描くかもしれない、とどきっとしました。
三十七名の方のエッセイが収録されているのですが、本というものについて、すごく思い入れのある人は、本の力を信じているし、その人たちほど思い入れのない人は情報化社会という観点で見ているという印象でした。私は信じている派なので、書店さんや、古書店さんといった人たちのものを面白く読みました。一番おもしろかったのは、やっぱり出久根達郎さんのかなあ。本にまつわるエッセイ(誰かの話)という、読み物として面白かった。

物語を読むことに無上の喜びを感じる人達は、日本の各地に次々と生まれ、育って来ます。となれば、後から来る方々に、こんな花が咲いている、こんな実が実っていると示すのは、先に歩いた者の務めでしょう——読み巧者・北村薫が選んだ50冊。出会えて良かったと思える本が、必ずあります。有栖川有栖との熱血対談、大野隆司の彩色版画を収録。(裏表紙より)
読売新聞に連載された、ミステリ小説紹介をまとめたものと、その裏側について語ったものと、二本の対談が収録されています。最近ミステリ小説関係を読んでいるのは別に何を書こうと思ったわけではなく、文学評論、児童文学案内以外だと、私が手に取れる範囲なのはあとはミステリくらいである、というだけです……。
やっぱり私は全然読んでないな! と思いました。ポーやクリスティーが挙っているかと思いきや、綾辻行人とか山田風太郎も挙っていて、おお……となる。ますます読みたくなったぞ。折しも、三谷幸喜監督が『オリエント急行殺人事件』をやるようなので、読みどきかなーと思いつつ。

2012年。アフガン帰りの軍医ジョー・ワトソンは、困窮の挙げ句、ルームシェアの相手に変わった女性を紹介される。美しく、乗馬服に身を包み、人口心臓を抱えた薬付けの身体に、家はコンピューターの家政婦が管理している。彼女の名はシャーリー・ホームズ。世界唯一の顧問探偵だった。
感想書いたと思ったのに書いてなかった……というわけで、八月の読書だったと思いますが、九月に突っ込みます。高殿さんが同人誌で百合ホームズを書くと聞いて、すっごく読みたかったのに同人誌を手に入れる機会を逸したので、単行本化はすごく嬉しい! そして、高殿さんらしい、女子のどろっとした感じもありつつの、ライトミステリーで楽しかったー!!
出てくる女性陣の影の、みにくいところよ。そしてそれを感じてなお、ジョーとシャーリーの友情のきらめきが! ちらっと出てくるそれぞれの裏事情の、ただものではない感も楽しく、続きが読みたい! と思いました。
でもこれ、事件の結末がちょっとデリケートなところに触れているので、だめな人はだめかもしれない。私は高殿さんらしくてすごく好きです! 百合やるんだったら、ここも触れないとだめだと思う。
あと装丁がすごく好きです! 綺麗な赤で、手触りもよくて、金が綺麗で、帯も可愛い。女子のためのホームズ・パスティーシュという感じでした。
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日本が戦争へと突き進んでいる時代。演劇は規制され、事前に台本の検閲を受けなければならない中、検閲官・向坂は、劇団笑の大学の座付き作家・椿の台本を検閲する。向坂のチェックに、椿は台本を書き直して持ってきた。それが何度も続く中で、二人の関係に変化が……。
三谷幸喜原作・脚本。舞台向きな、検閲室の二人のやり取りが続く作品でした。くすくすと笑うし、最後はじわじわくるし、本当に三谷幸喜さんの話はいい……。
一度も笑ったことがない男である向坂が、椿とのやり取りによって、段々と変わっていくのがいい! ちょっと坊ちゃん風味でとぼけた感じの椿は、純粋で無邪気というのかで、もう子犬のようでした。この固い男と坊ちゃん系男子のやり取りが、本当にブロマンス! などと思って本当に申し訳ありませんでした。
喜劇の笑いどころを解説するという、笑いをやる人には拷問のようなやり取りが続くのですが笑 これが面白いし、次に繋がるのが楽しい! こんなに少ない登場人物なのに、やっぱりうまいなあ……。切なくていい話になるのが、いい。感動した。
そして最後におじさんと青年の仲良しにときめく映画でもあるな、と思いました。面白かった。
