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押入れのちよ (新潮文庫)
失業中サラリーマンの恵太が引っ越した先は、家賃3万3千円の超お得な格安アパート。しかし一日目の夜玄関脇の押入れから「出て」きたのは、自称明治39年生れの14歳、推定身長130cm後半の、かわいらしい女の子だった(表題作「押入れのちよ」)。ままならない世の中で、必死に生きざるをえない人間(と幽霊)の可笑しみや哀しみを見事に描いた、全9夜からなる傑作短編集。(裏表紙より)

最初にくる「お母さまのロシアのスープ」がものすんごい衝撃的だったので、息を吐く。これで終わるのかと思ったら、もう一回転した。すごい。
この人の書く女の人は、ちょっと気色悪い人が多いなーというのと、男の人の悲哀を感じさせつつもちょっと滑稽な立場がうまいな、というのを感じました。
「お母さまのロシアのスープ」と「しんちゃんの自転車」が好きです。
幽霊にまつわるちょっといい話あり、妖怪じみた恐ろしい話あり、と、ぞっとしたりじわっとしたり、いい短編集でした。
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