読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
グーテンベルク革命から五世紀。電子の端末が膨大なコンテンツから美しい「ページ」を開くこの時代、あなたにとって「本」とはいったい何か。それはいかに変貌するのか。書店・古書店・図書館・取次・装丁・編集、そして練達の書き手・読み手の位置から、鋭いアンテナの持ち主たちが応える——本の過去と未来を俯瞰する三七のエッセイ。(カバー折り返しより)
電子書籍という形態が読まれるようになって、紙の本はどうなるか、というのをそれぞれの立場から書いたもの。紙の本は滅びる、という人もいれば、紙の本は消えない、という人もいる。
電子書籍では、今どこを読んでいるのか、話が残りどれだけあるのかが分からない、というのになるほどなあ! と思いました。確かの小説なんかは特に、残りのページ数で話の終息地点を想像するよね……。
あと、学生に、雑誌を作りなさいという課題を与えて、グループで作らせたもののことを書いている長谷川一さんという方のエッセイで登場した作品に、おおっと思いました。確かに、新しい形が生まれる可能性もある。未来の子どもたちに、本の絵を描いてみましょうと言ったらどうなるか、ということを冒頭で書いていらして、確かに、電子書籍が一般的になると、みんな端末を描くかもしれない、とどきっとしました。
三十七名の方のエッセイが収録されているのですが、本というものについて、すごく思い入れのある人は、本の力を信じているし、その人たちほど思い入れのない人は情報化社会という観点で見ているという印象でした。私は信じている派なので、書店さんや、古書店さんといった人たちのものを面白く読みました。一番おもしろかったのは、やっぱり出久根達郎さんのかなあ。本にまつわるエッセイ(誰かの話)という、読み物として面白かった。
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