読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
![テッド [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51H-0yWDo1L._SL160_.jpg)
友達がいなかったジョンは、あるクリスマスに贈られた人形と話が出来るようにと祈った。星がその願いを聞き届け、テディは喋るぬいぐるみとしてジョンの親友となり、テレビ出演などをして一世を風靡する。やがて、三十五歳になったジョンはテディとともに暮らしながら、恋人のロリーと交際四周年を迎える。しかし二人の自堕落な生活に、ロリーが怒りを爆発させて。
作品はR15です。麻薬、性、差別など汚い言葉のオンパレードで、下ネタと悪口が飛び交いますが、なんだか許せてしまう「こいつらww馬鹿wwwww」感。下品なのでサイテーと笑い飛ばせる力が必要ですが、喋るおっさんぬいぐるみと独身男の親友+美女の恋人のハートフルさが楽しい。男同士の親友関係に、恋人が入り込めるか。男は親友と恋人のどちらを選ぶのか、というのはとても大きな問いだよなあと思いました。友人と馬鹿をやっていることには責任は感じないけれど、結婚を目前にするとそうもいかないですよね。
テディベアは子どもにはそんなに大きな存在なのかとか、アメリカ文化に詳しくないと分からないネタが多数あるので、文化を知っているとより楽しいのだろうなと自分の勉強不足が惜しかった。それでも、馬鹿なやりとりやちょっとぐっとくるシーンなど、非常に楽しい映画でした。頭空っぽにして笑った。
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プリキュアたちがフュージョンを倒し、街には平和が訪れる。だが、そのフュージョンの欠片が、街のあちこちに散っていた。転校生の坂上あゆみは、学校に馴染めない、友達も出来ないまま、暗い日々を送っていた。そこへ、謎の生き物と出会う。フーちゃんと名付けたそれは、フュージョンの一部だった。
何故プリキュアか。起きたらやってたからだ。時間が時間なのでちゃんと見ていなかったり、偏った知識だったり(主に大人のおねえさん的な)するのですが、真剣に見て感動したので感想を書きます。
メインのプリキュアはスマプリ。先輩プリキュアとしてよく出るのはスイプリです。スイプリの面子が非常に大人っぽく、先輩! と呼ばれるシーンに悶えました。女の子可愛い。無印、SS、5の面子は顔出し程度。私が分かるのはこの三代ぶんくらいだったので、時は流れた……と思いながら。
話に入り込みやすいよう、主人公(視点の人物)として据えられている、あゆみの設定からしてなかなかキャッチー。転校してきたばかり、友達が出来ない、居場所がない、お母さんは口うるさいなど。周りはみんなプリキュアの話をしているけれど、自分はなかなか会話に参加できない。
それが、プリキュアたちと出会い、フーちゃんは敵じゃないなどと一度は歯向かったりなどする。なかなか勇気のあるお嬢さんで、対して「あれが何なのか知っているの?」と優しく、厳しく諌めるキュアリズムが、凛として可愛いなと思ったりもしました。
変身、必殺技シーンの綺麗さはまさに変身ヒロインもの! という感じで、特にハートキャッチは可愛いです。プリキュアみんなが顔なじみってところも、クロスオーバーもの好きとしてはきゅんきゅんです。
そして、何の力もない、と言っていたあゆみの変身シーンは感動でした。テレビなど見ていると、小さい女の子が「将来はプリキュアになる!」と言っていることと思うと、みんなプリキュアになれる可能性がある、とても素敵な希望あるシーンだったので……。そういう風に夢を与えるってことを目指して作ることはすごい、と心底思いました。途中「劇場で配ってたんか……」と、子供心を刺激するロッドをみんなで振ろう! なシーンもあり、子ども心に向けて一生懸命作ってあるところがすごくいいなと思います。
というわけで朝から非常にいい映画を見たなと思いました。プリキュアは全部通して見たいなと思うんですが……カプ萌え的に5くらいは……最後に大人として非常に残念な言葉を発しましたが、面白かったです!

江戸の街に、伏と呼ばれる人と犬の間の子が暗躍し、人を殺して回っていた。山育ちの猟師の少女・浜路は、祖父の死をきっかけに兄・道節の住む江戸に来た。そこで、幕府から懸賞金をかけられた伏・信乃と出会う。
原作は未読。しかし、原作すげー読みたいなあああ! となる物語でした。というか、これキャラデザも美術も色彩もすごくうまい。脚本も、八犬伝が分かる程度ならなんとなく分かる気がする感じになっていたし、馬琴の作品と桜庭さんという二つの原作があるからこそ、超訳できる話だったのでは……と推測する。
男に間違えられる、言動も見た目もまるきり少女らしくない浜路。そして、美しい優男の信乃。名前からして結びつくであろうことが予測できるわけですが、信乃が、信乃が、男前過ぎて……(苦悩)。優しくてちょっと弱くて悲しい男最高じゃないですか! 黒白さんの美しさだけでもんどりうつ。その上、浜路のヒロイン体質やばい。原作桜庭さんなのにちゃんとファンタジーのヒロインだよとか思ってすみません。お着替えはロマンだと思います!(握り拳)
信乃のちょっとした表情の変化、立ち居振る舞い、言葉遣いがかっこよくて、見惚れました。この切ない男のことを考えると胸が掻き乱される……。
あんまり描かないのかなあと思った周りの登場人物も、いいところでいい感じに活躍してくれました。冥土ちゃんはいいなあ。なんだか、投影してしまう。
クライマックスはいいよね。お城、いいよね……。ラスト、すごくよかった。わたしをあげる、というのは心臓に来るから止めてくれ! 信乃と浜路のいちゃらぶください……。拝む。
その分、原作をきっちり読んだら魂が震えるだろうなという予感がするので、原作を読みたいと思います。
![エグザム [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51e4wQVBdRL._SL160_.jpg)
とある大企業の採用試験の最終に八人の男女が残った。窓が一切ない部屋で、試験監督や警備員に話しかけてはならない、試験用紙を損なってはならない、部屋を出て行った者は理由によらず失格、といった制限の中、試験が開始される。だが、その解答用紙に問題は記されていなかった。問題は存在するのか、解答は何だ。八十分の制限時間で、導き出された答えとは。
父がおすすめだと言うので見てみることに。物語が完全に一つの部屋でしか動かない話で、舞台映えしそうだなあという心理ものでした。面白かった。
なんとかして試験問題を探し出そうとするどきどき感から、人物それぞれの性格が分かってくるはらはら感、後は人物への腹立ち感笑 ホワイト、むかつくわー。人種的な問題の隠喩が隠されてるような気がしてなんだか笑いながらむかむかしました。そしてアジア人はそこでアウトかー。
狭い箱の世界にも関わらず波乱に満ちていて、仕掛けもすごくうまくて、はらはらしましたが、ラストが、ラストが惜しい……。それまで絶妙な心理戦だったのにオチが失速した気がする。面白かったけど! なんかもやもや! 後味は悪くないんだけれど、ちょっと複雑な気分になる、そんな面白い映画でした。
![つぐない [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/516b7Whz4nL._SL160_.jpg)
1935年。姉セシーリアと使用人の息子ロビーの愛し合う様を目撃した、十三歳の少女ブライオニー。ロビーから姉へ宛てた手紙や、大人の男女のやり取りに、激しいショックを受ける。彼へ仄かな思いを寄せていたブライオニーは、とある事件が起こった際、様々な状況からロビーを犯人だと証言した。そして四年後。戦争が起こり……。
原作はイアン・マキューアンの『贖罪』。原作は未読です。ベネさんが出ていると聞いて見ることにしましたが、そうか「プライドと偏見」のスタッフやキャストだったのか。おかげで、陰鬱な話なのに映像がとても綺麗で、すごくいい映画だったと思います。
物語を書く、多感で、大人びて、しかし本当のことは何も知らない十三歳の少女が、男女のやり取りにショックを受けたことから始まっていく物語。少女の真摯で傷つきやすい、けれど残酷な言葉が、ある人の運命を狂わせた。誰が間違っているのか、誰が犯人なのか、というのはすぐに見て取れたので、ここからどう「つぐない」をするのだろうと見守りました。第二次世界大戦に突入していく状況で、セシーリアとロビーのやり取りの後、ロビーの行軍、戦場の様子などショッキングなシーンが続くものの、残酷で、雑然として、秩序など何もないのに、不思議と美しい映像が続くので呻きました。これは、美しいだけに酷い。
そして、ブライオニーが思い出す真実の衝撃。詰る言葉は正しく、果たして彼女はつぐなえるのか……と思ったところで、そのラストですよ! それは! うあああああああ!!
その時、BGMの理由に気付いてさらに頭を抱えましたよ! あああああ最初からそうだったのかあああああああああ。
静謐で、薄暗くて、映像が美しくて、そして物語も辛いけれど美しい、すごい映画でした。これは、これは誰かに見てほしいぞ……!

もう忘れた、と思っていたけど
お葬式のご用命は、真心と信頼の旅立ち・セレモニー黒真珠まで——小さな町の葬儀屋「セレモニー黒真珠」を舞台に、シッカリしすぎなアラサー女子・笹島、喪服が異常に似合う悩めるメガネ男子・木崎、どこかワケあり気な新人ハケン女子・妹尾の3人が織り成す、ドラマティック+ハートウォーミングストーリー。連作短編全6作品を収録。解説は、作家の南綾子(裏表紙より)
お葬式をテーマにした連作。最初に読んだのがアンソロジーに収録されている「はじめてのお葬式」だったのでそういうちょっとほろっとくるいい話を集めているのかと思ったら、なかなか明るくシリアスでした。結婚と仕事を絡めてあるのもずしんと来たし、家族のどうしようもない問題にも関わってくるので、なかなか辛い。ぐっと涙を堪えて頭を下げる、セレモニー黒真珠の人々が重なる。
そうかと思うと「あたしのおにいちゃん」「はじめてのお葬式」が入っていてほっとしました。特に「はじめてのお葬式」は女子学生が主人公なだけあって、吹奏楽と野球部とか、東京の学校に行くとか、それは恋です、とかで! これが一番好きだ。大人のぐっと胸を張っているお話も好きなんだけど、戻らないものを戻らないと知ってしまった少年少女たちの話が好きなんだ!
そんな二つの気持ちを満たしてくれる、いい本だった。

レティシアは至って気楽に声を掛けた。
「よう、ニコラ。久しぶりじゃん」
はじかれたようにニコラが飛び上がった。悲鳴を上げなかったのが不思議なくらいの過剰反応だった。
ニコラがこれほど恐怖を覚え、緊張しているのには理由がある。レティシアは小柄で陽気で気さくな性格で、まさにどこにでもいる典型的な少年の一人だが、その正体は殺人鬼である。
「その……誰か紹介してもらえないかな。こういうことに慣れていて、秘密厳守でうまく処理してくれる人」
「ひょっとして俺を犯罪組織の構成員かなんかと勘違いしてねえ?」
ニコラの眼が丸くなる。「…違うの?」
連続猟奇殺人事件の犯人(!)だったニコラが、被害者(!?)だったレティにまことに大胆な頼み事を??」
クラッシュ・ブレイズ、これにて終幕。(裏表紙より)
二巻目の『スペシャリストの誇り』の関係者だったニコラ少年が、父親を助けてほしいとレティシアを尋ねてくる「レティシアの場合」。特に殺す理由がないから、暇つぶしに、と手を貸してくれるレティシアは本当に気まぐれだけど、いいやつだ。好青年を演技しているところがすごく好きなので、楽しく読みました。
もう一本は「ヴァンツァーの場合」。ヴァンツァーは、第二の人生を歩むようになってからどんどんやりたいこともやっているし、友達も出来て我がことのように嬉しいです。年上で尊敬できる女性が好きなヴァンツァーは、その娘であるビアンカと継母であるブリジットと親しくなる。二人とも、ヴァンツァーの美しさに大きな反応をせず、あるがままに受け入れてくれる。ビアンカはある特殊な事情からだけれど、最後のシーンを見るかぎり、いい友達になってくれるようだ。
さて、ゆっくり読んできたクラッシュ・ブレイズシリーズもこれでおしまい! 続刊は課外活動やトゥルークの海賊などがあるようですが、私は一旦ここまで。楽しかった!

ケリーはのんびりと言い出した。「ダイアンも休暇を取るそうだ。ものすごい勢いですっ飛んでったぜ」
宇宙船においてきぼりにされる操縦者も珍しいが、こうしたことは初めてではないので、ジャスミンも落ち着き払ったものだった。
「では、ダイアナが戻ってくるまで島流しだな」
「気合いを入れて遊ぶとしようぜ」
惑星バラムンディのパールビーチ——白い砂浜と青い海、珊瑚礁が魅力の保養地での出来事である。
どこにでもいるただの人だ(と、本人たちは固く信じている)が目立つことこの上ない二人に、にぎやかで一方的な危ないお誘いが続々とかかる。
どうやら、この惑星のカジノ王の一人娘オディールが関係しているらしいのだが……(裏表紙より)
『逆転のクレヴァス』にて、ダイアナが置き去りにしていった「バカンス中の二人」パート。夫婦! 夫婦! 前半夫婦ばっかりですっごい楽しかった! 最強の人たらし夫婦が当然という顔をして過ごしているのが本当に好きだ。この二人、若返ってから更に生き生きとしている。後半から、クレヴァス後のリィとシェラも参加。宇宙最強の船乗りかっこいいいいいい。親子で飛べてよかったね!! というところもあり、楽しかったです。

「出撃なんて、実力試験みたいなもんじゃない?」敵弾が体を貫いた瞬間、キリヤ・ケイジは出撃前日に戻っていた。トーキョーのはるか南方、コトイウシと呼ばれる島の激戦区。寄せ集め部隊は敗北必至の激戦を繰り返す。出撃。戦死。出撃。戦死——死すら日常になる毎日。ループが百五十八回を数えたとき、煙たなびく戦場でケイジはひとりの女性と再会する……。期待の新鋭が放つ、切なく不思議なSFアクション。はたして、絶望的な戦況を覆し、まだ見ぬ明日へ脱出することはできるのか!?(裏表紙より)
ミリタリとSF。ループもの。という前情報で読むことに。
人類の敵ギタイによる襲撃を受けているその世界。やつらは「溺死した蛙」の姿を持っている。最貧国や技術を持たない国々は制圧、後に砂漠化。日本は偶然、辛うじて助かっているに過ぎない。日本が落とされれば軍の技術が低下するため、防衛は必至。そして、主人公のキリヤ・ケイジは死ぬ。
一人称視点で進み、一人称が「ぼく」なので、ループを繰り返すごとに段々とすれてきて疲弊していく感じがとてもいい。ループの原因がそれだというのはまあまあ納得がいった瞬間、オチが見えてしまい嫌な予感を抱きつつ、ラスト。やっぱりそれか! もっと救いが欲しかった! と思いながらも、キリヤは本当のループに巻き込まれたのかもしれないと思いました。戦い続ける、終わらない、孤独な戦いの日々。

たったひとつの願いを、少女は胸に抱いている——。
騎士ダニエル・フォーネッカーと旅を続けて一年半、訪れたウェイミス王国でミオーニはダニエルの盟友ラドリと出会った。そして、その青年によってミオーニが示唆されたのは、二人でいることがダニエルの騎士としての名誉を汚す可能性だった。ひとり思い悩むミオーニ。そしてダニエルと心がすれ違ったまま、王国の政治闘争にお互いが思わぬ形で巻き込まれた時……。
「瑠璃色の夜、金の朝」のほか、書き下ろし「薄荷色の貴婦人」を収録。ガールズ・ファンタジック・ロマン完結篇!!(裏表紙より)
よく噛んで食べるんだぞ、と浮浪児だったミオーニに優しい言葉をかけてくれた、美しくて強い金色の騎士ダニエルとの旅。ミオーニは少年に間違えられるほどの幼い容姿、ダニエルも彼女を子ども扱いして、時々女の子であることを忘れている風だ……という拾われ少女と騎士の物語、完結巻。
ミオーニはダニエルと一緒にいたいという気持ちが強くて、恋人同士という雰囲気ではなさそうな気がしていたんですが、一年半の間に「女の子扱いされたい」という気持ちが強まったようです。あんまりじたばたする様子はないのですが、一緒にいたい、離れたくないという気持ちは強くなっている。そして、ダニエルはついに、手放したくない、と思う。きゃー! と叫んでしまいました。でもやっぱりどうも保護者な感じが。いつか他の人を選んだら仕方がない、と思っている様子でしたが、もうちょっとその辺りの葛藤を詳しく! お願いします! と思ったけれどこれでおしまいなのだった。うー続き読みたい。ロマンスで!