読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
1935年。姉セシーリアと使用人の息子ロビーの愛し合う様を目撃した、十三歳の少女ブライオニー。ロビーから姉へ宛てた手紙や、大人の男女のやり取りに、激しいショックを受ける。彼へ仄かな思いを寄せていたブライオニーは、とある事件が起こった際、様々な状況からロビーを犯人だと証言した。そして四年後。戦争が起こり……。
原作はイアン・マキューアンの『贖罪』。原作は未読です。ベネさんが出ていると聞いて見ることにしましたが、そうか「プライドと偏見」のスタッフやキャストだったのか。おかげで、陰鬱な話なのに映像がとても綺麗で、すごくいい映画だったと思います。
物語を書く、多感で、大人びて、しかし本当のことは何も知らない十三歳の少女が、男女のやり取りにショックを受けたことから始まっていく物語。少女の真摯で傷つきやすい、けれど残酷な言葉が、ある人の運命を狂わせた。誰が間違っているのか、誰が犯人なのか、というのはすぐに見て取れたので、ここからどう「つぐない」をするのだろうと見守りました。第二次世界大戦に突入していく状況で、セシーリアとロビーのやり取りの後、ロビーの行軍、戦場の様子などショッキングなシーンが続くものの、残酷で、雑然として、秩序など何もないのに、不思議と美しい映像が続くので呻きました。これは、美しいだけに酷い。
そして、ブライオニーが思い出す真実の衝撃。詰る言葉は正しく、果たして彼女はつぐなえるのか……と思ったところで、そのラストですよ! それは! うあああああああ!!
その時、BGMの理由に気付いてさらに頭を抱えましたよ! あああああ最初からそうだったのかあああああああああ。
静謐で、薄暗くて、映像が美しくて、そして物語も辛いけれど美しい、すごい映画でした。これは、これは誰かに見てほしいぞ……!
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