読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

ライトノベル作家になるためにはどうすればいいのか? 優れたライトノベルを書くためにはどうすればいいのか? ——そんな作家志望者の疑問に、エンタテインメントの最前線で活躍中の冲方丁が一発回答! 『マルドゥック・スクランブル』『カオス レギオン』『蒼穹のファフナー』といった話題作の秘蔵プロットをそのまま公開し、創作の過程を著者自ら解説した、型破りな指南書が登場!!(裏表紙より)
突然読みたくなったので。面白かった! こういう本が本当にもっと増えればいいのにな! 一応マルドゥックもレギオンもファフナーも読了済みなので、話がよく分かって面白かった。特に『カオス レギオン』のプロットはすごいな! ファンタジーの世界、土地、という考え方にすごく共感する部分があったけれど、そこを故郷を追われた者を使ってとことん描こうする冲方先生がすごすぎる。
個人的に本当にファフナーの続きが読みたいですせんせい。

「自分の言葉」を大切にすることは「人の気持ち」を大切にすることです——
過程でも、職場でも学校でも……毎日、なにか「うれしいこと」「楽しいこと」に出会える人は、やっぱり素敵な言葉の持ち主。自分もまわりも幸せにする魔法、それが「言葉のごちそう」なのです。(裏表紙より)
何年も前に買ったまま、読んだかどうかも分からないまま本棚にささっていたので、読んだ。
話し方の指南書ではなく、考え方の改め方を示す感じ。人の体験談を交えてあるのが面白い。うまい返し方、感じのいい店員の対応の言葉、その逆の例。当たり前のことしか書いていないけれど、その当たり前がこうして形にしてあるので興味深く読んだ。やっぱり心構えだよなあ。

遺書さえものこさずに自殺してしまった姉が、いたずらに鉛筆で紙に書き散らしていた“クライン・キャット”という謎めいた文字。この奇妙な言葉だけを頼りに、生前には知りえなかった姉の素顔をさぐろうとした妹を待ちうける、不可解な恐怖の正体とは? 日常生活にぽっかりとひらいた陥穽を描いた表題作「たまご猫」をはじめとして、夢とうつつの狭間に生じる不条理を題材とした、妖しくも美しい、10篇の恐怖のかたち。(裏表紙より)
黒い方向の短編集。妖しげでグロテスク。人の自殺が絡んだり、男女の性愛が絡んだり(不倫とか)、幽霊が出てきたり、浄瑠璃やら密室やら水やら。こうも繰り返し書かれると、なんだこれは!(いい意味で)とぐらぐらしてしまいます。
好きなのは「春の滅び」だ。雛人形と女と男と。
詳細を全部書いてしまわないところがにくい。すき。

大学を卒業し、就職はしたものの、“本を読む時間がない”という理由から三日目退職を繰り返す目黒考二。たわいもない話を延々と続ける不思議なイラスト描き・沢野ひとし。そして、若き編集長で激務の最中でも本を手離さない椎名誠。七〇年代初め、彼らは新宿に定期的に集い、彼らの理想とする幻の新雑誌を肴に、夜を徹して飲み明かしていた。そして七六年四月、彼らの夢であった『本の雑誌』は創刊された。いわば贅沢な遊びだった……。始めたのは良いけれど書籍流通のイロハも知らない彼らが、如何にして今日に至ったのか。多くの仲間とともに奮闘を続けた、本を愛する人間たちの物語。(裏表紙より)
85年3月に出た単行本が平成10年に文庫化されたもの。「本の雑誌」が創刊され、直販で売っていたころの回想録。
ただの回想録じゃなくて、集まっては何かを作り上げて、それを続けようとしていく人たちの姿が見えた気がしました。残る者もいるし、去っていく者もいる。好きだという気持ちを胸に、でも束縛されたくなくて、好きなことを好きなようにしてみたい。なんだかしんみりと、作ること、続けることは大変だなと思いました。
この本が必要だとなったときに本棚を見るとその本がある、という状況は理想だなあ。
本って、読みたいな、と思うとつい自分の本棚に並べたくなるのだ。そして積んでいく……。

風花舞う冬景色の中、鳴は立ちつくした。
「……燃えてしまっている……」
目の前に広がる焼け野原。震えるその細い背を、颯音は無言で抱きすくめた。
時は戦国乱世。異能集団「狐」との最後の戦いを決意した鳴と颯音は、全ての決着をつけるために戸谷ノ庄を旅立とうとするその矢先、故郷・美駒の窮地を知る。敵は、かねてより美駒を狙う隣国・円岡。狙いは、嫡男のみに伝えられる一子相伝の美駒の財。幼い弟・常磐が危ないと覚った鳴は、美駒を救うために発つ。そして目にした、変わり果てたかつての故郷の姿——。
戦により困窮した地、囚われた弟・常磐。焼け跡にこだまする、“業多姫復活”を願う民の叫び。
春まだ遠い、霜月。始まりの地で待つのは、懐かしき人との再会か、新たな戦いの呼び声か——。(カバー折り返しより)
業多姫四巻。異能集団「狐」の首領・青津野との決着を付けるため、旅立った鳴と颯音は、二人が出会った美駒の国に戻ってくる。
甘ったれだった弟の常磐が段々颯音に懐いていくのがかわいいな。年下の面倒を見る颯音も、ちょっとぎこちなかったけれどなんだか見ていて和む。鳴と颯音のなかなか合流できないすれ違いはこの時代設定ならではなんだろうけれど、でもちょっとじりじりしました。
弾く、という力は、鳴の中の問題なのかとちょっと思う。香椎との関係は、思い通りにしようとする母親と、自己を得て反発する娘の関係だと感じて、これまでありふれた場所にいなかった鳴には、大変だけれど彼女が得られた「普通」のようで、ちょっと切なくなる。
お話としてはちょっと間に挟むようなお話だった印象です。「狐」の影が見えるけれど、それぞれ特に狙われるわけでもなく。鳴の中で、置いてきた美駒のすべてとの決着をつける巻だったのだな。

「お前に、俺の何がわかるっていうんだ?」——不良神父にして若手最強の祓魔師ギブ。彼はニネベの街で幼なじみの祓魔師レオンと再会するが、些細なことで喧嘩別れしてしまう。
そんなレオンに、ヨセフと名のる神父が接近。親友と信じていたギブの思わぬ秘密を暴露され、レオンは激しく動揺する——。そしてギブの《聖なる下僕》である魔物の少女ツキシロの身にも、危機が迫り……。宿命のヴァンバイア・ストーリー!!(裏表紙より)
スカーレット・クロスシリーズ第二巻。このぎりぎりのセクハラ加減と変態具合が楽しいなあ! 胸と足か……私ならどっちが好きだろう(どっちも好きだ……)
新キャラであるレオン神父は、お坊ちゃん育ちのどうしようもない人かと思ったら、さすがギブと付き合ってきただけあって、きちんとした考えと真っすぐさを持った人で安心しました。こういう意表をつくところが一巻から受け継がれていていいなあ。二巻はまだ話を探っている感じがあって、この先の物語の方向性がはっきり見えなくてどうなるんだろうとどきどきする。
しかし、一言言うなら……ツインテールはだめだと思う……。
6月になりました。
様々な事情が重なって、今年はよく漫画を読んでいるようです。現在の読了数は活字の二倍くらい。
最近の少女漫画も好きですが、萩尾望都作品にドはまりしています。この頃のSFやファンタジーに、とても心惹かれる。
最近読んだのは萩尾望都さんの『アメリカン・パイ』(秋田文庫・全一巻)

マイアミで暮らす天涯孤独のバンドマン、グラン・パは、ある日浮浪児のリューを拾い、行きがかりで世話をすることに。このリュー、実は少女。英語があまり得意でないらしい彼女が時々口ずさむのは、ドン・マクリーンの「アメリカン・パイ」という曲。あることがきっかけでリューを舞台にあげたグラン・パは、彼女の歌声をきくが……。(表題作)
一緒に収録されている「アロイス」や「ジェニファの恋のお相手は」「雪の子」が萩尾望都作品を論じるにあたって取り上げられそうな印象なので、「アメリカン・パイ」はかなり異色なように思えます。
この作品がとても好きです。ヨーロッパほどきしきし寒い感じがするのでもなく、温かく穏やかな世界にゆるゆると解き放たれていくようなお話なのです。でもしっかり切なくて。顔は悪いが人はいいグラン・パと、「小鬼」リューの出会いと別れが、じわりと染みる。
上記の作品の他にも収録されている作品は様々あるのですが、私のブログに書くなら取り上げなければならぬだろう作品は「ヴィオリータ」。たった16ページに過去—現在—未来の時の流れを見る。
ある老人がまどろみから目覚め、ヴィオリータを探す……その夢を見たヨハン少年は、外から窓に雪をぶつけられて目覚める。外には彼の好きな少女ヴィオリータが……。(「ヴィオリータ」)
繰り返し出会うヨハンとヴィオリータ。どこからが夢で、過去で、現在で、未来なのかを考えると、かなりの質量を持った話なのにたった16ページなのか! という気分になります。
永遠の少女、追いかける少年、という構造は、恩田陸の『ライオンハート』を思い出させるなあ。『ライオンハート』はロバート・ネイサンの『ジェニーの肖像』がオマージュ元ですね。でも、ジェニーはどちらかというと、原作付きで萩尾先生が描いていらっしゃった『マリーン』の方が似ていると思ったり。
そして、実は読んでいます。大高忍さんの『マギ』(既刊8巻)

妹がマギから大高さんにドハマりしてすももを読んでいたのですが、私は何故か読もうとしていませんでした。
分かってくださいませんか、面白いと分かっているものはなかなかすぐに読みにくいって!
8巻の途中で話が一段落するので、待ってよかったと思いました。カシムとの決着は号泣してしまった。ほんの少し、違っただけ。それだけでここまで辛い戦いをせねばならないとは。自分のすべきことを全力でやる、ということは、それに気付くことも、すべきことを知ることも、全力を出すことも、たくさん難しい。というようなことを考えました。




西炯子さんの『STAY』(小学館文庫・全四巻)。私が読んだのはフラワーコミックス版でした。
とある田舎の高校の、演劇部に所属する高校生たちとその周辺の人々のオムニバス。
西さんの描く女性は、かっこいい……。
ちょっと変わった人も多いですが、一番好きなのは刈川さんです。彼女の風貌は冴えませんが(たぶんそれゆえに主人公にはなりませんが)理解者たる位置にいるのがかっこいいです。なので一番好きな話は「双子座の女」です。清雅のかわいさがまたたまらない。でも注意していただきたいのが、男(?)と男のお話であること。話のメインが性同一性の男の子です。しかしかわいいのだ、乙女で。
同じくらい好きなのが、「愛してる」です。お互いにやっていることは痛いのに、ときめく。同じものを目指して、別れて、どこかで出会うという形が好きなんだ。主人公たる写真を撮るカメラ小僧もまた大筋では脇にいましたが、彼も理解者の位置にいた人で、そんな彼がメインに据えられた短編。「愛してる」の一言が幸せそうでたまらない。
様々な事情が重なって、今年はよく漫画を読んでいるようです。現在の読了数は活字の二倍くらい。
最近の少女漫画も好きですが、萩尾望都作品にドはまりしています。この頃のSFやファンタジーに、とても心惹かれる。
最近読んだのは萩尾望都さんの『アメリカン・パイ』(秋田文庫・全一巻)

マイアミで暮らす天涯孤独のバンドマン、グラン・パは、ある日浮浪児のリューを拾い、行きがかりで世話をすることに。このリュー、実は少女。英語があまり得意でないらしい彼女が時々口ずさむのは、ドン・マクリーンの「アメリカン・パイ」という曲。あることがきっかけでリューを舞台にあげたグラン・パは、彼女の歌声をきくが……。(表題作)
一緒に収録されている「アロイス」や「ジェニファの恋のお相手は」「雪の子」が萩尾望都作品を論じるにあたって取り上げられそうな印象なので、「アメリカン・パイ」はかなり異色なように思えます。
この作品がとても好きです。ヨーロッパほどきしきし寒い感じがするのでもなく、温かく穏やかな世界にゆるゆると解き放たれていくようなお話なのです。でもしっかり切なくて。顔は悪いが人はいいグラン・パと、「小鬼」リューの出会いと別れが、じわりと染みる。
上記の作品の他にも収録されている作品は様々あるのですが、私のブログに書くなら取り上げなければならぬだろう作品は「ヴィオリータ」。たった16ページに過去—現在—未来の時の流れを見る。
ある老人がまどろみから目覚め、ヴィオリータを探す……その夢を見たヨハン少年は、外から窓に雪をぶつけられて目覚める。外には彼の好きな少女ヴィオリータが……。(「ヴィオリータ」)
繰り返し出会うヨハンとヴィオリータ。どこからが夢で、過去で、現在で、未来なのかを考えると、かなりの質量を持った話なのにたった16ページなのか! という気分になります。
永遠の少女、追いかける少年、という構造は、恩田陸の『ライオンハート』を思い出させるなあ。『ライオンハート』はロバート・ネイサンの『ジェニーの肖像』がオマージュ元ですね。でも、ジェニーはどちらかというと、原作付きで萩尾先生が描いていらっしゃった『マリーン』の方が似ていると思ったり。
そして、実は読んでいます。大高忍さんの『マギ』(既刊8巻)

妹がマギから大高さんにドハマりしてすももを読んでいたのですが、私は何故か読もうとしていませんでした。
分かってくださいませんか、面白いと分かっているものはなかなかすぐに読みにくいって!
8巻の途中で話が一段落するので、待ってよかったと思いました。カシムとの決着は号泣してしまった。ほんの少し、違っただけ。それだけでここまで辛い戦いをせねばならないとは。自分のすべきことを全力でやる、ということは、それに気付くことも、すべきことを知ることも、全力を出すことも、たくさん難しい。というようなことを考えました。




西炯子さんの『STAY』(小学館文庫・全四巻)。私が読んだのはフラワーコミックス版でした。
とある田舎の高校の、演劇部に所属する高校生たちとその周辺の人々のオムニバス。
西さんの描く女性は、かっこいい……。
ちょっと変わった人も多いですが、一番好きなのは刈川さんです。彼女の風貌は冴えませんが(たぶんそれゆえに主人公にはなりませんが)理解者たる位置にいるのがかっこいいです。なので一番好きな話は「双子座の女」です。清雅のかわいさがまたたまらない。でも注意していただきたいのが、男(?)と男のお話であること。話のメインが性同一性の男の子です。しかしかわいいのだ、乙女で。
同じくらい好きなのが、「愛してる」です。お互いにやっていることは痛いのに、ときめく。同じものを目指して、別れて、どこかで出会うという形が好きなんだ。主人公たる写真を撮るカメラ小僧もまた大筋では脇にいましたが、彼も理解者の位置にいた人で、そんな彼がメインに据えられた短編。「愛してる」の一言が幸せそうでたまらない。

夜、眠るユーリの目を覚ましたのは、夢から掴んできた氷のかけら……ではなく、「うさぎ」が投げ込んだ氷のかけら。深夜訪れたうさぎとともに、夜遅くにドーナツ屋さんに出掛けるユーリ。彼とうさぎの物語。
『夢見る水の王国』が好きだったので読んでみた。
夢の中から自分の部屋へ、そこから夜の街の、ぼんやり光るドーナツ屋さんにいたかと思えば、いつの間にか幻想的なお祭りの中にいて、海の音を聞き、気付けば宇宙にいた……という旅をするような不思議なお話でした。文章が心地よくて好きだなあ。ひたひたと夜と星のにおいがする。物語に登場する星といっても、銀河の星も、太陽の光もあって、うさぎがいなくなった後の光は、さあっと世界に朝がやってきて、視界が白く染まったように思いました。茫漠とした宇宙にいたと思ったのに、いつの間にか大地に、この地球に立っていた、という感じで、はっと目が覚める思いがした。

リヒャルトに熱烈なキスをされて以来、奇行を繰り返すミレーユ。煩悩を振り払いながら敵国シアランで新米隊員として捜査を続けていたが、劇団員に紛れ、女装で神殿への密使として潜入することに!! 任務を遂行しつつも幽閉された神官長と接触を図ろうとするが、団長に正体を疑われ、事態は驚きの方向に!?
かくして『身代わり伯爵』と捨て身の求愛騒動が巻き起こる!!
じれったい2人の恋模様も進展する、注目の急展開!!(裏表紙より)
求婚だー!! という身代わり伯爵7巻。当たり前といっては当たり前ですが、そうか、その段階に昇るか……とちょっと感慨深かった。ミレーユがリヒャルトと一緒にいると読んでいてすごく嬉しくなるのは、二人が好きだからだろうなあと思う。何より、ミレーユの思いが本当に恋する乙女でいいなあ。誰かを救いたい、助けたいという思いで突っ走るミレーユは本当にかわいい。しかし無自覚なのが転がりポイントである。
思いがけない秘密まで明かされ、これはどこに決着するんだろうとどきどきする! 早く既刊最新刊に追い付きたいなあ。