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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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天使ズ。 (角川ビーンズ文庫)
「俺たちと組まないか?」ある日クロゼットの扉がいきなり開いて二人組の天使が現れた。
いじめられっこの高校生・奈々は、つまらない毎日をやり過ごしていた。今日も誰とも話してないし。あの子みたいにかわいくないし……。でも。——奈々はもうひとつの世界「霧王町」では選ばれた存在だった。翼も、頭に輪もない天使たちが奈々を戦いに連れ出した! 異世界アクション・ファンタジー。(裏表紙より)

アクションファンタジーというか、青春、成長ものでした。野梨原さんの「口の悪い」女の子炸裂で楽しかった。
天使によって、あちらとこちらの世界を行き来するけれども、かといって重たいわけでもなく、ちょっとゲームっぽい感覚で読みました。天使、悪魔の謎は深く追求されませんが、主人公の女の子が生きることを見出していくのは、凛としていてかっこよかった。変に説教臭くもないし、教訓じみてもいなくて、清々しかった。
奈々が実は○○していて、とあるから、それまでの出来事が都合のいい出来事だったのかと一瞬絶望したのも束の間。そういえば、奈々は天使ズと出会って変わったのでした。だから彼女が望むように世界は動き始めて、新しい日々を見出していけるんだ。そう思うと、にやっとしてしまう。
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妄想炸裂 (新書館ウィングス文庫)
話題の爆笑エッセイが、文庫になって帰って来た!!
東に西におもしろいマンガを小説を探し続け、
心からホモ漫(ホモ漫画)を愛する。
ある時は愛するバンドを追っかけ、
またある時は、盆栽と戯れる。
日常の中、炸裂し暴走する妄想は、留まることを知らない!!
さすらうマンガハンター・三浦しをんが、
書を求めて、今日も街をさまよう!!(裏表紙より)

見つけて思わず手に取ったエッセイ集。笑った笑った。
「防人のうた」というタイトルの、バクチクのライブに行くために福岡へ飛んだしをんさんは、公園でコーチと厳しく走らされている教え子たちという光景を見る。
「軟弱者は県民として認められん土地柄なのやろか」
「九州男児でいるのもつらいわねえ」
「この人ら、敵襲に備えとるんかもしれん」
「ああ……防人なのか……」

噴いた。
あと中に駅伝妄想の話があって、まんま『風が強く吹いている』の内容で噴きました。本当に書いちゃったんですね。『風が強く吹いている』は男ばっかりですがほもじゃないはずなので、こちらもおすすめ。
黎明に向かって翔べ (角川ビーンズ文庫)
琅蘭帝国には、ひとつの神話がある。
滅びと戦を司る天狼君。その化身は右手に瑪瑙を握って生まれる。世が禍で満ちたとき、かの者は赤狼を従え民を導くという。
「怪異だ! 赤い——けものが……!」
皇子太白の率いる琅蘭軍の窮地を救ったのは、赤い翼をもつ狼だった。自らの危機に幾度となく現れる妖獣を前に太白は——。
翔べ、さもなくば滅べ。衝撃のエキゾチック・ファンタジー!(裏表紙より)

面白かった……。読みながら面白い! という興奮はそれほどないんですが、読み終わった後、じいんと「面白かった」と思う作品でした。それでも真相の辺りはたぎりました。
中華風世界を舞台にしたファンタジー。第二皇子太白の物語に、彼の拾った赤い目の少女が鍵を握っています。軍事の才能に恵まれ、人の良い太白に、義兄は彼を疎んじている。当然兄の裏切りもありますが、それよりもなによりも真相がすごかった。これこそ一国であるなと思いました。
珊瑚のもうちょっと可愛いところを見たかった! というか。彼女の心情がそんなに描かれていないので、寂しかったり。しかし戦記物、王国記物としてとても面白かった。結末がとても清々しい。
天使の屍 (角川文庫)
思慮深かった中学二年の息子・優馬がマンションから飛び降り、自殺を遂げた。動機を見出せなかった父親の青木は、真相を追うべく、同級生たちに話を聞き始めるが……。《子供の論理》を身にまとい、決して本心を明かさない子供たち。そして、さらに同級生が一人、また一人とビルから身を投げた。「14歳」という年代特有の不可解な少年の世界と心理をあぶり出し、衝撃の真相へと読者を導く、気鋭による力作長編ミステリー。(裏表紙より)

多分再読。真相に至って、そういえば読んだ気が……と思ったので。読んだような読まないようなという感じで本棚にささっていたのでした。
息子の死因はいじめによる自殺なのか、独自に調査を始めた父親の青木。新任教師、息子の友人たちを当たって話を聞きにいく。その内、青木を脅す者も現れた。死の真相は果たして。
十四歳って、本当に独特。子どもの論理は、大人の常識が通用しない。かれらはかれらで社会の構成員だから、かれらなりの世界の考え方がある。登場する青木も、その妻も、他の飛び降りした生徒たちの大人も、誰かに辛く当たることなく常識的に悲しみを受け止めるだけに、真相はひどく歪で、そしてよく分かるものでした。
帝王の鳥かご―カフェス幻想 (角川ビーンズ文庫)
さて皆様。その夜珈琲店(カフヴェ)を訪れた翠緑と紫の双眸をもつ歳若い物語師(ラーウィヤ)が、楽器(タンブール)を爪弾き紡ぐは、常ならば、名高い神話に英雄譚。「なれど今宵は……天上に咲ける薔薇の物語を」
ラスオン帝国の後宮(ハレム)には、帝王(スルタン)位を望めぬ皇子の幽閉所《鳥篭(カフェス)》がある。側仕えの小姓イクバルとともに鳥篭に住まうナイアードは、その心根と美貌を皆に愛されていたが、ある日、国を揺るがす陰謀に巻き込まれて——。篭の鳥は、檻から飛びたてるのか?(裏表紙より)

異国情緒溢れる物語でした。王宮もの、ライトな政略ものの印象でした。登場人物が結構たくさんいて、主人公たるナイアードが外に出て行けない人物なのと、歴史を描くことを重視しているような感じだと思いました。
病弱な皇子ナイアードは、非常に心優しい人物で、右足が不自由で病弱であると自分の不甲斐なさを責める少年です。彼が非常に澄んでいるのです。汚されないというか。一生懸命で繊細な空気が常にあって、でも今にも脆く壊れそうな気もしてはらはら。
展開が早くて、人物も多いので、もっとじっくり読みたいかもと思いつつ、色んな設定が幻想的でした。イクバルの正体にはちょっとびっくりしたけれども……! そしてところどころ男性同士であやしいところにびびっていました(免疫があんまりないので……)
異国の雰囲気で、作中のような幻想があるっていうのは、なんだかとても新鮮で好きだなあと思いました。
傾国の美姫 (コバルト文庫)
容姿が醜いために村人たちから蔑まれ、苦しい毎日を送る秀瑛は、ある日、不思議な鏡を拾う。人の言葉を話し、ときに妖しいほど美しい青年に姿を変える鏡は、「願いの重さの分、命を差し出すなら、どんな願いも叶えてやる」と誘う。悩んだ末に、秀瑛は寿命10年と引きかえに、絶世の美貌を手に入れるのだが…!? 不思議な鏡を手にした少女の波乱の人生を描いた、2009年度ノベル大賞受賞作!(裏表紙より)

友人が貸してくれた本。中華風ファンタジーで、鏡と少女と願いを巡る中編二編が収録されています。
恋愛的な盛り上がりは薄いなあという印象で、願いと代償の辺りがちょっとダークな感じだなあと思いました。シリアスだし、落ち着いて進むし、中編らしい展開の早さでもありましたが、受賞作でこんな雰囲気のお話って珍しい気もして面白かったです。
できれば「傾国の美姫」で一冊読みたかった。文章はとてもきれいで、しっとりしていて、好みの文体だったので、是非長編で。
余談ですが、友人が「どうしてこうなったの!」と言った『気になるところ』も、ああなるほどなあと納得……。段階踏むのって大事だね>友人
死神姫の再婚 -鏡の檻に棲む王- (B’s‐LOG文庫)
カシュヴァーンの誕生日に盛り上がるライセン屋敷。『好き』のプレゼントを要求する暴君夫にアリシアの「おなかが痛い」も最高潮!! しかし、幸せなひとときは甲胄の使者が訪れて一転、なんとライセン夫婦は国王陛下より緊急招集を受けたのだ。めくるめく伏魔殿の王宮にアリシアは興味津々だが、そこにジスカルド侯爵や傭兵バルロイも召集されており、カシュヴァーンたちは激しく牽制し合う。さらには【図書館の幽霊】と呼ばれる”怪物ゼオ”の登場で歯車は狂い始めて——!? アリシア大活躍、混迷の第6弾!!(裏表紙より)

登場人物がめいっぱい多くなってまいりました。糖分も急上昇です。照れるようになったアリシアがかわいくて、それにいちいち反応してしまうカシュヴァーンもかわいいです。嬉しくてたまらないんだろうなあ。
〈翼の祈り〉教団関係のごたごたは今回はおやすみ。今度は国内関係の事件ですが、謎が謎のままでした。王子ゼオルディスは何者か、彼に付き従う兄妹はどうしてそうなっているのか。
それぞれ風変わりな人々がどこか傷を負って集まって支え合うようになるまでの物語になっているような気がするので、カシュヴァーンとよく似たゼオルディスも救われることを祈ります。
ところで一方で夫婦のいちゃいちゃがものすごくて、アリシアのように「いま何の話してたっけ……」となってしまいます。キスは自然になってきましたね……。子どもの話も出たりして、にやにやが止まりませんでした。
ひとがた流し (新潮文庫)
十代の頃から、大切な時間を共有してきた女友達、千波、牧子、美々。人生の苛酷な試練のなかで、千波は思う。〈人が生きていく時、力になるのは自分が生きていることを切実に願う誰かが、いるかどうか〉なのだと。幼い頃、人の形に作った紙に願い事を書いて、母と共に川に流した……流れゆく人生の時間のなかで祈り願う想いが重なりあう——人と人の絆に深く心揺さぶられる長編小説。(裏表紙より)

ミステリじゃない北村作品を読むのは久しぶりだ。
不思議でもなんでもない日常と、女性たちに主軸を置いた絆の話です。『月の砂漠をさばさばと』関連だったのかー! とさばの味噌煮が出てきてようやく気付く。
不思議なんてどこにもなくて、人が生きていく、ただそれだけの話なのに、根底に流れているのは優しさと慈しみと思いやりの目だ、と感じました。物語としては普通に、ありふれた形で日常が進むのに、柔らかい。最後にいくにしたがって、包まれているような気持ちになる。
ただ、他の北村薫作品を読んでいると、素っ気ないなあと思うことも確かです。ミステリの方が私は好き。でもいつものようにきゅんとすることはなくても、読みながら、うんうんと頷いてしまう本だなと思いました。

「人が生きていく時、力になるのは何かっていうと、——《自分が生きてることを切実に願う誰かが、いるかどうか》だと思うんだ。(後略)」
チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)
東城大学医学部付属病院の”チーム・バチスタ”は心臓移植の代替手術であるバチスタ手術専門の天才外科チーム。ところが原因不明の連続術中死が発生。高階病院長は万年講師で不定愁訴外来の田口医師に内部調査を依頼する。医療過誤死か殺人か。田口の聞き取り調査が始まった。第4回『このミス』大賞受賞、一気にベストセラー入りした話題のメディカル・エンターテインメントが待望の文庫化。(上巻・裏表紙より)

あまりにあまりに有名すぎて全然手が出なかったところでようやく読みました。これ上下巻にせずに一冊にしてよかったのではないかなあ。
非常に面白かったです! 上巻はどうなるのかなあと期待が六割くらいだったんですが(流行ものをそう見てしまう偏見が私にはあるので……)、下巻になって白鳥が登場した途端に、一気に面白くなりました。
上巻は田口が何を掴んだのかも分からないまま進んで、事件が起こる。謎が謎のまま、下巻に続く! となるのはちょっとずるい。一気に読みたい。
じっくり観察していたこと(上巻)が、下巻で鮮やかに切り開かれていくのは爽快でした。ただ白鳥のやり方にはちょっと不満もありますが。
医療小説というと、どっしり重い社会派なイメージがあったのですが、とても気持ちのいい小説でした。周囲の評判は全然だけれど、田口医師が一番したたかな気がする。それだけに桐生が自信に満ちあふれて輝いて見えるんでしょうけれど。
暁のビザンティラ〈上〉 (ログアウト冒険文庫)
暁のビザンティラ〈下〉 (ログアウト冒険文庫)
女武人ビザンティラの冒険が始まる
ふたつの月が巡る世界。そこでは人間と〈メブ〉と呼ばれる生物との、幸せな共生関係が営まれていた。人は16歳になったときにメブ選びの儀式を経験し、おとなへの一歩を踏み出す。しかしメブを得られないカイチスは村を離れ、麗しき女武人ビザンティラと巡り会うのであった……。’92年度の星雲賞日本長編部門受賞作家、菅浩江が挑む異世界ファンタジーが、ここに幕を開ける。(上巻・裏表紙より)

異世界とSF要素が入り交じった世界の物語。少女と女武人の冒険譚です。読みながら、多分女武人ではないんだろうなあと思ったり……。
非常にライトノベル的だなあと思いながら読みました。お約束たっぷりでした。色々考えていた展開を踏襲していったので、想像が当たってちょっと嬉しくてにやにやしていました。冒険と真実の探求に重点を置かれている感じがしたのです。創世時代の真実と、時代の覇者が行う歴史記述の改変など、ああ、やっぱり古き良き冒険ファンタジー! という印象が強かったです。
獣人や、人間と動物のメブという関係性、という設定がおいしかったです。ただその原因は非常にグロテスクでうわーっと思いました。こういうのもライトノベルファンタジーのお約束ですよね。ちょっといけない気持ちでどきどきした。
一生懸命なカイチスが可愛いんですが、もうちょっと見せ場! と思いました。ビザンティラが男前過ぎて霞みます。二冊分で、世界改革は無理があるかもしれません。
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Author:月子
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